新鮮な気づきも。現代女性に寄り添う、コミックエッセイのすすめ
「コミックエッセイ(エッセイ漫画)」は作者自身の体験や考えが反映されているものが多く、堅苦しくない自由な形式。キナリノの女性読者のみなさんが共感できる作品がたくさんありますよ。
難しい活字がなく、読み切りでサクッと読めるのも大きな魅力。仕事も私生活も目まぐるしい、大人の女性にとって手に取りやすい本と言えるでしょう。
仕事のこと、恋愛のこと、家庭生活のこと、自分自身のこと……。私たちの暮らしに、素敵なヒントやアドバイスを与えてくれるはず。あなたの心に寄り添う作品との出合いを楽しんでみましょう。
「暮らし」「いつもの日常」を優しく捉えたコミックエッセイ
1.『ゆるり より道ひとり暮らし』おづまりこ(著)
おひとりさまの何気ない日常の良さを教えてくれる
参考になると感じたポイント
・ひとりになりたいときの方法
・楽しく面白く日々を過ごしたいときのアイディア
2.『ニューヨークで考え中』近藤 聡乃(著)
異国の暮らしを自然体に楽しむ様子が爽快
漫画家だけでなく幅広いジャンルで活躍しているアーティストの近藤聡乃さんの初コミックエッセイ作品。シリーズで3巻目まで刊行されています。
ニューヨークでひとり暮らしを始めた著者の、キラキラしていない「ありのままの日常」が描かれています。
ちなみに、電気書籍でもいいですが、紙の書籍で読んでみるのもおすすめ。本を開きやすい綴じ方になっていたり、近藤さんのおしゃれな絵のタッチがよく映える装丁だったりと、近藤さんのこだわりが感じられます。あなたにとってのお気に入りの場面をぜひ探してみてくださいね。
参考になると感じたポイント
・海外と日本の文化の違い
・クスッと笑えるユーモアのある日常の拾い方
近藤さん初の長編連載『A子さんの恋人』も人気作。29歳女性のリアルな日常をのぞけます。
3.『中年女子、ひとりで移住してみました』鈴木 みき(著)
地方移住したい人には指南本になるかも。リアルな体験談が詰まってる
登山コミックも手掛けている鈴木みきさんのリアルな移住体験記。38歳にして山梨県へひとりで移り住んだ鈴木さんの、実用的なお話やアドバイスが満載の1冊です。
地方移住には興味がなくても「こんな生き方もいいな」と参考になる情報が詰まっています。「もし自分が移住するとしたら……」をリアルに想像できる、現実的なエッセイです。
参考になると感じたポイント
・移住するときのメリットやデメリット
・ひとりで知らない土地で暮らすときの心構え
4.『梅さんと小梅さん 親友はおばあちゃん』ホンマ ジュンコ(著)
大切な人にも贈りたい、心温まるエッセイ
秋田生まれの著者、ホンマジュンコさんが幼少期に体験した「おばあちゃんとの日々」を描いた作品です。SNSのイラスト投稿から注目され、書籍化されました。
おばあちゃんの「梅さん」と孫の「小梅さん」のぽかぽかとしたやりとりには、思わず涙ぐんでしまうかも。実際に、お孫さんからご祖母さんへのプレゼントとして活用された例もあるほど、世代をこえて楽しめる1冊です。
昭和生まれの人には懐かしく、平成以降に生まれた人には新しくて優しい。ぜひ、おうちでじんわりとおばあちゃんの優しさに浸ってみてくださいね。
参考になると感じたポイント
・おばあちゃんが教えてくれる昔の知恵
・春夏秋冬を感じられるお話
第二弾はこちらから。ぜひあわせてお楽しみください。
「女性の働く日々」を綴る、笑いあり涙ありのコミックエッセイ
5.『マリコ、うまくいくよ』益田ミリ(著)
「3人のマリコ」が抱える悩みには刺激をもらえるかも
ちょっと前の日本で生きる3人のOL「マリコ」の甘くない日常を描いた作品です。著者は「すーちゃん」や「僕の姉ちゃん」シリーズなどのヒット作で知られる益田ミリさん。
今の時代では少なくなってきた「女性が生きにくい社会」を包み隠さず伝えてくれています。共感できる点が多く、実際に経験した人には刺さるものがあり、そうでない人には新鮮に感じられそう◎
「なんとなくぼんやりと働いてしまっている」「自分はこのままでいいのかな」と感じている方にとっては、自分を見直すきっかけにもなってくれるはず。
参考になると感じたポイント
・各世代同士の人間関係
・仕事へのモヤモヤ感の裏側
6.『メンタル強め美女白川さん』獅子(著)
どんな嫌味も凛とした態度でかわす姿に憧れる
2019年からSNSの投稿で話題になったことで書籍化された、イラストレーター獅子さんのお仕事エッセイ。
かわいくて美しい白川さんが、職場や人間関係でのストレスをあざとく、かつ、華麗に対処していく姿に胸を打たれます。白川さんに影響されて変わっていく登場人物たちに注目すると、また違った読み方もできそうです。
ネガティブな発言や思考を颯爽と前向きに変えていく白川さんに、ハッとさせられる場面もあるかもしれません。
参考になると感じたポイント
・周囲からの評価が気になるときの乗りこえ方
・メンタル強め女子に学ぶ自分の魅せ方
2巻目もありますよ。新たなキャラクターが登場して、さらにパワーアップした「白川さんワールド」に入りこめます。
7.『おかあさんライフ。』たかぎ なおこ(著)
育児も家事も忙しいけど楽しい。明るくてかわいいエピソードが満載
イラストレーターたかぎなおこさんが自身の初育児生活を明るく綴ったエッセイ。40代で結婚・出産・育児を経験したことによる苦労だけでなく、働く「新米ママ」をとことん謳歌している様子が楽しい1冊です。
おひとりさま期間が長かったたかぎさんだからこそ描ける、家族愛や子どもとの暮らし。たかぎなおこさんの独身時代の書籍とあわせて読むと、人生を一緒に歩んでいる気分を味わえて、感動もひとしおです。
参考になると感じたポイント
・忙しい生活もハッピーに捉えるポジティブな精神
・どんなときでも家族を愛おしいと思える心の持ちよう
落ち込んだ時の処方箋にも。「女性の葛藤」を描くコミックエッセイ
8.『ダルちゃん』はるな 檸檬(著)
今の自分がわからなくなったときに読みたい
ウェブ連載から火がつき書籍になった、はるな 檸檬さんのダルちゃん。
「24歳のOL」に必死に擬態して生きるダルちゃんが、自分の違和感に気づいて受け入れていくお話です。前編フルカラー、全2巻で完結なので、気軽に手にとれますよ。
世代も性別も問わず、誰もが自分の心に潜む「ダルちゃん」を自覚する瞬間があるかもしれません。「私にもいるかも」と思ったときは、つらい気持ちを認めながら、ダルちゃんのようにじっくりと自分と向き合う時間を作ってみてくださいね。
気づきのヒント
・生きづらい気持ちの正体
・本当の自分を取り戻す方法
2巻目はこちらから。
1巻目に出会った人々との関係性にも変化が訪れます。
9.『私をとり戻すまでのふしぎな3日間』川瀬はる(著)
言いたいことをいつも我慢してしまうあなたに。処方箋のようなエッセイ
こちらもウェブ連載がきっかけで人気になった、川瀬はるさんが送る「自分の感情を見つける」ための一冊。
主人公のチャコは、いつでも他人の意見を優先してしまう社会人の女性。そんな彼女が、自分の感情を大切に扱えるようになるまでの「特別な3日間」を描いています。
シンプルながらもほんわかと優しいイラストは、あなたの心をゆっくりと解きほぐしてくれます。「なんだか疲れたな」というときに、特におすすめです。
気づきのヒント
・過去の自分と向き合う日々
・自分に優しくしながら変化していくための方法
10.『やさしいしろくま』しろさめ(著)
自分だけのしろくまさんを見つけたくなる
SNSでの繊細なイラストからひとつの物語に。水彩画でイラストや書籍を描いて活動している、しろさめさんのエッセイ。孤独や不安感を抱えて生きる絵描きの女の子と、彼女を支えるしろくまさんたちの日常を描いています。淡くて優しいタッチのイラストには、まるで絵本の中に入り込んでしまったような感覚を覚えるのでは♪
しろくまさんのもふもふ具合は、書面からでも伝わるほど癒やし度バツグン。「自分も抱きしめてもらいたい」と本を開くたびに思ってしまうことでしょう。
気づきのヒント
・夜やひとりが寂しいときの過ごし方
・「大丈夫」と言ってもらえるありがたさ
こちらは、しろくまさんとの日々が絵日記に。セットで読むと、よりほっこりした気分になれます。
自分の状況に合わせて、気分がほぐれる1冊を手にとってみませんか
また、まとまった時間は取れなくても、漫画でサラッと読めるエッセイ本なら、あなたの心を満たす1冊と出会えるはずです。
ぜひご自分の直感を大切に、お気に入りの作品や作家さんを探してみてくださいね。
おひとりさまシリーズで7冊もの書籍を手掛けている、おづ まりこさんの日常を綴ったコミックエッセイです。お料理に散歩、ちょっとした買い物や旅行のことなど「ひとり暮らしっていいなあ〜」と思える1冊。
マイペースに生きたい女性がエネルギーをわけてもらえるような、ちいさくてあたたかいカケラがちりばめられています。絵も可愛らしいため、ほっこりとした気持ちになれますよ。