私にとって、幸せな家庭像ってなんだろう?
そんな時は、一人で答えを出そうとせずに、本を手に取ってみてはいかがでしょう*
今回は、あなたらしい「家族像」や「家庭の在り方」を思い描くときの、助けになるような本をご紹介。
「夫(パートナー)や子供とどう関わったらいいの?」
「よそのお家はどうしてる?」
―― そんな疑問を抱いたとき、だれか人に直接聞くのはちょっと躊躇することかもしれません。でも、本の中に、その答えが見つかることも。
あなたと似たような境遇で悩み・葛藤を抱えつつ、自分なりの素敵な答えを導き出したという本の著者も、探してみれば、見つけられるものですよ。
隣のお家を覗くように本のページをめくると…意外とよそのお家も同じような悩みや葛藤を抱えていたりして…。あるいはちょっと視点を変えることで、似たような境遇を軽やかにクリアしている姿に出会えるかもしれません。
もっとも身近なコミュニティである「家族」が、無理なくご機嫌でいられますように* これらの本が、家族と過ごすあなたの日常を、いっそう心豊かにしてくれるはずです。
「わたしらしい家庭を築きたい」あなたへ贈りたい、10冊の本
《自分なりの家族像》について考える、きっかけになる2冊
家族が居心地のいい暮らし|後藤由紀子(著)
大切なのは、人にどう思われるかではなく、家族と自分の心地よさ
家族写真は「 」である。|浅田政志(著)
「写真」を通して考える、「私の家族とは?」
家族全員で衣装を着てユーモア溢れるシーンを作りこむ唯一無二の世界観と、自身の半生が映画化されたことでも注目される写真家・浅田政志さん。そんな浅田さんが、「家族」とは、そして「家族写真」とは何か?を自身の生き方を振り返りながら語ります。
表紙をめくって間もなく登場するのは、浅田さんが専門学校時代に課された課題「自分を写真一枚で表現する」という課題についてのお話。どう表現しようかと浅田さんが考える中で蘇るのは、家族そろって次々大けがしていく出来事でした。
思わず笑ってしまうユーモア満載のエピソードでありながら、読み進めるうちにあなた自身の家族との思い出を振り返ったり、これから家族と重ねたい日々について思いを馳せたりする自分に気づくことでしょう。
《夫婦円満が続く秘訣》に、気づかせてくれる4冊
ムカついても、やっぱり夫婦で生きていく|一田憲子(著)
7組の夫婦に見る、それぞれの答え
ストレートでインパクト満点のタイトルに思わず惹かれる本書。編集者でフリーライターでもある一田憲子さんが、7人の妻たちにインタビューしながら、「夫と機嫌よく暮らす知恵」を手元へと引き寄せてくれます。
学者が一般論を語るのとは違うリアルなインタビューは、よそのお家の話のはずなのに「わかるわかる!」と思わず大きな頷きが止まらないほどの共感が。「この相手で、本当に良かったんだっけ?」という思いがよぎるのは私だけではなかった!―そんな密かな安心感と共にページを繰る自分がいるはず。
7人の女性たちがたどりついた、「自分のために」「相手のために」「家族のために」ご機嫌に暮らすための工夫や働きかけには、ご機嫌な夫婦で在りためのたくさんのヒントが見つかることでしょう。
ベスト・パートナーになるために|ジョン グレイ (著)、大島 渚(訳)
パートナーを「異星人」だと思えば、大概のことは大らかになれる!?
サブタイトルは、「男は火星から、女は金星からやってきた」!
「どうしてわかってくれないの!?」と思うときも、そもそも「やってきた星が違う」と思えばすんなり理解し合えないのも当然…と受け止めやすくなりますよね。
アメリカの著名な心理学者による本書は、男女の傾向を説明しながら違う土俵にいる相手を冷静に受け止めるヒントを与えてくれます。
男女の会話答え合わせ辞典|男女のすれ違い検証委員会 (著)
「イラッ!」「モヤモヤ…」の答えにピンポイントでたどり着ける!
日頃からどれだけ男女の違いについて知識をつけておいても、いざ「イライラ」「モヤモヤ」に直面した時にはすぐに心落ち着くアドバイスがほしくなるもの。
そんなときにピッタリなのが、こちらの一冊。
「察する」「自分の実家」「好きにすれば」など、夫婦間のいざこざにおいて「あるある」なユニークなキーワードが50音順に・・・!辞書のように使うことで、相手の言動に込められた意味合いや男女間の解釈の違いについて、そのときの悩みに合った答えにピンポイントに行きつくことができます。
一人で悶々と悩む前に、自分なりの解釈でどんどん勘違いによる溝が広がってしまう前に・・・まずはパッと開きたい虎の巻的存在になることでしょう。
小さいことにくよくよするな!愛情編|リチャード・カールソン(著)他
相手をリスペクトしながら、もっとよい関係に近づける
タイトルだけでも目にしたことがある人はきっと多いであろう、かの有名なベストセラー「小さいことにくよくよするな!」。本書はその「愛情編」ということで、パートナーシップの関係に注目した一冊です。
その内容は「パートナー」との円滑な関係作りにはもちろん、「親子」「親類」「友人」「職場」といったところにも応用できるもの。
多くの人に支持されたシリーズの中の一冊だけあり、読みやすく実践に移しやすいヒントが満載なのも魅力的なポイントです。
ありのままの自分でいい*《様々なタイプの母親》に出会える4冊
緑の庭で寝ころんで|宮下奈緒(著)
「育てる」のではなく「育つ」を見守る、という愛情の形
本屋大賞などの受賞歴がある作家・宮下奈緒さんによるエッセイ集。
3人の子どもたちと共に交換留学で北海道の大自然に暮らした一年間、そしてその後の様子は、読んでいるこちらも思わずのびやかな気分に。子供を「育てる」のではなく、子ども自ら「育つ」様子を見守るという選択肢に気づかされることでしょう。
母親である宮下さんの愛情に満ちた言葉の数々はもちろん、お子さんたちの口から零れる一言にもしばしばハッとさせられる本書。本を開くたびに優しい気持ちになれる一冊です。
母ハハハ!|夫婦のじかん 大貫さん(著)
月日と共に変わってゆく家族の形をユーモラスな漫画で描く
人の好さ溢れる芸人夫婦の毎日を漫画で描いた「母ハハハ!」。一見ユーモア満点に見えますが、家族を持つ立場であれば読み進めるほどに「わかるわかる!」と共感の嵐!
結婚してから二人きりの新婚生活、そして妊娠・出産、育児生活へと突入して―。恋人同士から夫婦、親へと自らの立場と共に変化する家族の形とその日常を綴ったエピソードの数々は、リアルでありながらコミカル!
この本を通して自分の日常を眺めてみれば、何気ない家族との日常も喜びやユーモアが溢れる特別なものに映るはず。
もし育児に悩みがあっても、思わず「ハハハ!」と笑い飛ばして元気がもらえるような一冊です。
ほしいのは「つかれない家族」|ハラユキ(著)
「うまくいっている家族」に見る、ポジティブなケーススタディ
「夫に」「妻に」「家事に」「育児に」「イライラすることに」「我慢することに」ちょっとつかれた・・・そんなあなたのための本がこちら。実際に心地よく暮らしている世界の夫婦5組の様子を覗きながら「つかれない家族の共通点」や「そうあるためのヒント」を紐解いていきます。
著者自身が「つかれる家族」という立場だったからこそ、紹介されるヒントの数々は悩める私たちに寄り添い親近感あるものばかりで・・・かゆいところに手が届く一冊と言えるでしょう。
「思想や理想論はお腹いっぱい!身近で具体的なケースから私らしい家族像の光を見出したい!」と思うなら、一読の価値ありですよ。
家族ほど笑えるものはない|カフカヤマモト(著)
育児疲れを癒すのは、他でもない「子ども」
個性あふれる4人家族の日常を投稿したインスタグラムが大好評で、書籍化された本書。
「家族って素晴らしい!!」という全力のポジティブさを見せられると、悩みや疲れを抱える心は時に圧を感じてしまいがち。―ですが、こちらの本は「結局子どもって、家族って、面白いよね!」と自然に心が上を向くような明るさに満ちています。
愉快なエピソードが綴られたイラストや4コマ漫画を目にすれば、あたたかい愛情をひしひしと感じつつも笑いが止まらないはず。
育児に疲れたとき、多くの人はつい「育児以外のところ」に救いを求めがちですが、その疲れを吹き飛ばすのに最も効果的なのは、実は疲れの原因であったはずの「子ども」の存在である―。そんなことにじんわりと気づかせてくれる一冊です。
おしまいに
強い、でも無理しない心地良さのある絆をあなた自身の手で作り上げていくために。助けとなる一冊に巡り合えますように。
著者・後藤由紀子さんは、沼津の雑貨店「hal(ハル)」のオーナー。暮らし系のジャンルに興味がある人々にとっては、憧れの一人として挙げられることも多い存在です。
全国から足を運ぶほどに素敵なお店を営みながら、そのお人柄はとても謙虚で柔らかで…。そんな様子が伝わってくるあたたかな文章で、暮らしのこと、家族とのことが綴られたのが本書です。
自分がありたい家族との過ごし方を優先してお店の閉店時間を決めたこと。撮影されるときにより映えることではなく、自分が「心地よい」と思うことを大切にして住まいを設えていくこと。―自分や家族の「心地よさ」を抱きしめるように大切にする様子は、人目や世間体を気にしがちな私たちに、「心地よい家族と日々の在り方」を優しく問いかけながら気づかせてくれます。