「わたしがラジオパーソナリティー!?」音声配信を始めよう!
芸能人や企業から発信されたコンテンツを受け取るためのツールとして捉えがちですが・・・実はいわゆる「ド素人」な一般人も、多くの人が自分のチャンネルをもって、情報発信やコミュニケーションを楽しんでいるのをご存じですか?
はじめに
「音声配信」とは?
配信されるコンテンツは、ニュース、各種情報、雑談など、いわゆる「ラジオ」番組的なものから、「ドラマ」などのエンタメコンテンツ、「英会話」などの教育系コンテンツまで、多岐にわたります。さらに、配信者は芸能人や企業はもちろん、個人がチャンネルをもることも可能。むしろその「一般人による配信」が昨今どんどん増加しているのです。
どうして「音声配信」にハマる人が増えているの?人気のわけ
配信する側:
面倒くさがりな方でも始められます◎
ですが、音声配信が届けるのは「声」のみ。起きた瞬間から寝る直前まで、自分の見た目や部屋の状態などを気にすることなく配信コンテンツを準備することができます。何かをしながらしゃべるという「ながら収録」だって可能ですよ*
リスナーが聞いてくれることで自分の心が整ってくる「癒し効果」を期待できる。
例えばウォーキングの合間や出かけるまでの隙間時間に「ちょっと時間があるからおしゃべりしましょう」と突発的にLIVEを立ち上げてもOK。あるいは、「一緒に手帳を書こう」「ヨガしよう」など、同じ趣味を持つリスナーに呼びかけ、日時を事前告知してLIVE配信を行ってもいいですね。
収録と違ってふらりとチャンネルに遊びに来てくれるリスナーも多く、偶然の出会いが新たなつながりとなるのも魅力です。
お相手がゲストとして登場するために身なりを整えたりする必要がないため、コラボに誘いやすいのも音声配信ならでは。電話でおしゃべりするように一つの話題について収録できるのは、withコロナ時代には嬉しい機能ともいえますね。
(利用するサービスによって機能に差があります)
聞く側(リスナー)側:
ひとつは「ながら聞き」を楽しめて、日常に馴染みやすいこと。移動や作業、家事のBGMにもなりますよね。
もうひとつは、プロじゃない話し手が多いからこそ、共感しやすく、言葉がストレートで気づきも多いこと。映像が無く「音声のみ」という、情報に「余白」がある状況下に自分の身を置くことで、想像力がかきたてられ、有意義な内省のきっかけにもなります。
― 聴くだけでなく「話す」側に*《音声配信の始め方》入門 ―
収録・配信には様々な方法がありますが、最近最もお手軽で人気なのは、「スマホアプリ」を使用して収録・編集・配信まで行う方法です。
STEP1.「音声配信の専用アプリ」をインストールしよう
昨今、様々な音声配信アプリが続々と登場していますが、それぞれの特徴や「できること」「できないこと」などには少しずつ差があります。また、サービスによっては配信にあたって審査が必要な場合も・・・。
今回は、「審査なし」で「初心者にも使いやすい」代表的なアプリをピックアップしてご紹介します。
【おすすめアプリ❶】stand.fm(スタンドエフエム)
「フォロー/フォロワー数」や「再生回数」はユーザー本人にしか見えない仕様というのは初心者には嬉しいポイント。また、URLを通知した相手だけが再生可能な「限定公開」にすることもできます。必要以上に人目を気にし過ぎない形で、マイペースに音声配信を楽しむことができますよ。
また、「収録(=録音)」だけでなく、生放送形式の「LIVE(ライブ)配信」、さらにユーザー同士が遠隔でコラボしながら行う「収録 or LIVE配信」も可能。手軽に多様な発信ができます。
「stand.fm」のポイント
☑ ライブ配信、他ユーザーとのコラボ機能
☑ かなり長時間の配信が可能(上限時間未掲載だが、1回1時間以上の配信者も)
☑ 自分以外にはわからないフォロワー数・再生回数
☑ 「聴く側」はアプリがなくてもウェブブラウザから再生&いいねが可能
【おすすめアプリ❷】Radio.talk (ラジオトーク)
また、アプリ内だけではなく、Podcast(ポッドキャスト)などのプラットフォームに簡単に配信が可能なので、より広いリスナーにリーチできるのは大きな強みですね。
ちなみに、「リスナー」として楽しむ場合、気になるトークをダウンロードできるので、インターネットにつながっていない環境でも聴くことができますよ。
「Radio.talk 」のポイント
☑ Podcastをはじめとした各種プラットフォームへの配信が可能
☑ ライブ配信、他ユーザーとのコラボ機能
☑ 「聴く側」はトークのダウンロード後、オフラインでの再生が可能
(一部機能は、iOS版のみ対応)
【おすすめアプリ❸】REC.(レック)
ちょっとトークに不安があっても、簡単に効果音やBGMが挿入できるのは心強いポイント。また、スマホ版ではコラボ収録も可能なので、ユーザー同士で協力しながらコンテンツを盛り上げるのもいいですね。
ちなみに・・・このREC.で魅力的なのが「予約投稿」。せっかくの音声配信、たくさんのリスナーに聴いてもらいたいと思えば、定期的な配信や戦略的な配信を行いたくなるもの。忙しい毎日のなかでも、この「予約投稿」機能を使うことで、継続的に思い通りのタイミングで配信を行うことができます。
「REC.」のポイント
☑ 他ユーザーとのコラボ配信が可能
☑ 予約投稿機能あり
STEP2.話すこと(=配信内容)を決めよう
まずは楽しく継続しやすいテーマで配信をスタートしてみればOK。実際に言葉にしてみたり、配信したりすることで気づくことがあれば、配信をスタートしてから路線変更をすることも可能ですから、難しく考えすぎなくて大丈夫ですよ*
① ブログ感覚で、「いつもの日常の出来事」を話す
「音声配信」=「声のブログ」と位置付けて発信している方も、実はたくさんいるんですよ。「今日一日の振り返り」をただひたすら語ったり、忘れたくない「心動かされた出来事」を記録してみたり。「ハビットトラッカー(※)」的な使い方として、ダイエットやついつい怠けがちな習慣を毎日できたかどうか報告する場にしてもいいですね。
「フォロワーを増やそう!」と肩肘張って始めるのではなく、自分は自分のためにひたすら声で記録をし、そこに気が合った誰かが覗きに来てくれる・・・と思えば、ありのままの自分でリラックスして音声配信を楽しめるはずです。
② ある特定の分野に特化した「専門性のある話」をする
「英語」「専門店情報」「美容」「ビジネス」「時間術」「雑学」など・・・自分にとっての常識も、意外とリスナーにとっては「目から鱗」だったりするもの。自分が既に持っている知識を小分けにしながら、「毎日3分程度、1トピックずつ」紹介するのであれば、個性あふれる世界観をあっという間に作り上げることができます。
③「ブックログ(読書記録)」として、読んだ本にまつわる内容を話す
「読みたい人が効率よく内容を知ることができる」よう、本に書かれた事実に特化して内容を要約するチャンネルもよし。あるいは、印象的なフレーズや、自分の心に響いた一か所を深堀しながら、自身の解釈や気づきを語ってみながらあなたならではの個性をプラスしてもいいですね。
なかには、「寝る前のお共に」など聞いてほしいシーンを紐づけながら、絵本や小説の一節の「読み聞かせ」に特化しているチャンネルもありますよ。
④「なりたい自分」を叶えるために行っている取り組みを話す
日本には「言霊(ことだま)」という言葉があります。自分自身の「言葉」に乗せてアウトプットを重ねるうち、次にやるべきことが見えたり、情報が集まってきたり・・・。「音声配信」というツールが、自分の進みたい方向へと後押ししてくれる存在になることだってあるんです。
自分の耳へと言い聞かせ、さらにそれを発信することで腹を括って前進するパワーだって湧いてくるもの。
さらにその道程は、誰かに勇気を与えるかもしれませんよ。
⑤ 話すことにこだわらなくてOK!「楽器演奏・歌声」を配信する
趣味として楽しむ「歌」や「楽器」を配信している人も・・・。YouTubeでいうところの、「歌ってみた」「弾いてみた」と同じことを「音声配信」で行う、というわけです。
「ハイレベルな演奏の発表の場」としての位置づけだけではなく、練習し始めたばかりの楽器や曲を「同じ曲を配信し続けて、上達の様子を日々届ける」というのも立派な一つのコンテンツに。ちょっぴり下手でも、顔が見えない分気楽にトライできるはず!同じような趣味を持つ人は意外と多いもので、そういったつながりが得られるのもメリットの一つです。
併せて確認!《初めての音声配信》Q&A
Q1:収録時間の長さは?配信頻度は?
収録時間について
配信頻度について
収録時間や頻度で迷ったときのアドバイス
自分が「配信側」に立つタイミングで、リスナーとして純粋に「聴く」側としても楽しんでみると、聴き手側目線で気づくことも多いはずですよ。
Q2:台本はあったほうが楽?
特に最初のうちは「自分のトークが形になるのか」という不安がつきものなので、台本を用意してもいいでしょう。
ただ、台本を作るのにも時間がかかるわけで、あまりにもきちんと話す内容を固めようとすると配信を続けることが自体が大きな負担になってしまいます。
「素に近いおしゃべり」のライブ感こそ、音声配信の醍醐味。無言やいい直しは後からカットもできるアプリが多いので、何度か配信を行う中で感覚がつかめてきたら、「話すテーマ」だけ決めて、それに基づきその場で話してみるというスタイルがオススメです。
「オープニング」&「エンディング」トークで、ワンランクアップ!
ちなみに・・・多くの配信者が、毎回配信の冒頭で「自己紹介」や「チャンネル説明」の定型文を用意しているもの。「はじめまして」のリスナーにもわかりやすく、いわば「名刺」のイメージに近い固定トークです。
時間にして20秒前後で、「オープニング」&「エンディング」の定型文は準備しておくとスムーズですよ。
✓ 「おはようございます、(チャンネル名)の(名前)です。」
✓ 「こんにちは、(名前)です。このチャンネルでは、△△の知識を、毎日3分でお届けしています。」
✓ 「こんばんは、(名前)です。寝る前のひとときに、△△について気ままにお話しています。」
※「挨拶」+「名前」+「チャンネル説明」で構成するのが一般的です。
Q3:BGMってあったほうがいい?
もしも自身で準備したい場合には、「著作権」などにも配慮する必要が。必要であれば、著作権フリーの音源や効果音をPCなどで再生しながら収録を行うというのも一つの方法です。
最後に
「言葉に出して発信」しよう。新しい世界が広がるから―
音声配信は、顔は見えずとも「声質」「しゃべり方」「興味の対象」「価値観」などが組み合わさって、そこからあなたならではの人となりがにじみ出るもの。そして、それに心地よさや共感を抱く人々が、一人、二人・・・と集まってくるのです。
リアルな世界と同様、「しゃべりがうまい」から必ずしも人が集まるわけではないのが「音声配信」の面白いところ。「話すのは得意ではないから・・・」となかなか踏み出せないあなたも、少しでも興味があるなら、「声」というツールを使って一度配信してみませんか?思いもよらない出会いや出来事に巡り合えるきっかけになるかもしれませんよ。
配信方法は、「ポッドキャスト系」と「独立配信系」の2つに大きく分けられます。
「ポッドキャスト」系は、アップされた音声が「Apple Podcasts」「Spotify」など、あらゆるポッドキャストアプリへと配信される仕組み。
一方、「独立配信系」は特定のアプリ内で収録・配信・視聴が可能となります。リスナーの範囲はある程度制限されますが、スマホひとつで収録・配信ができるなど、その手軽さは大きな魅力です。(一部ポッドキャスキャスト系プラットフォームへの連携も可能なものあり)