相手の言葉をそのまま返す「おうむ返し」
「嬉しいよね」「それは嬉しいね」、「悲しかった」「悲しかったんだ」など、相手の言葉をそのまま返す「おうむ返し」。子どもの頃に友達同士でふざけあったり、親の言葉を繰り返して遊んだ、という覚えのある方も多いのではないでしょうか。
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このおうむ返しは大人になってからも、使い方によって他者とのコミュニケーションを円滑にするための一つの方法として役立ちます。ではさっそく、どんな時にどんな効果があるのか見ていきましょう。
おうむ返しが有効な場面とは
相手の話に相槌を打つ時
まずは、相手の話をとことん聞いてあげたいときに有効ですね。「こんなことで困ってるんだよね」「それは困るね」のように、きちんと話を聞いていることを伝え、かつ、共感していることも伝えられるでしょう。
とっさに言い返せない時
相手にひどい言葉を言われた場合も有効です。例えば職場において「何回説明したらわかるの?」と先輩から言われたとしましょう。たとえ今までに一度も説明を受けた覚えがなく、理不尽に感じたとしても、相手が先輩であればなかなか言い返しづらいものですよね。
あるいは咄嗟の言い返しが苦手な方もいるでしょう。そんな時には「何回説明したらわかるの…ですか」のように、あえておうむ返しをしてみましょう。客観的に言葉を繰り返されると、言った本人が恥ずかしさを覚えるものです。
ものごとを確認したい時
もう一つ、確認を取るためにもおうむ返しは有効です。例えば「急ぎで頼む」と指示を受けたとき、人によって「急ぎ」の時間感覚にものすごく差があるとトラブルの元となってしまいます。
そんな時は、おうむ返しをすることによって「急ぎですね。では午前中に手配します」のように、しっかりと指示を受け取ったことと、いつまでに捌くかの両方を伝えることができます。
このように、おうむ返しをすることの効果は少なくありません。ですが、使い方によってはかえってコミュニケーションが上手くいかなくなったり、そればかりか、相手を怒らせてしまう可能性もあるんです。
おうむ返しをする時に気をつけたいこととは
子ども同士でおうむ返しをする時、あるいは親におうむ返しをする時、いつでも相手が「面白い」と受け入れてくれるかというとそうでもなかったと思います。
おうむ返しには、共に遊ぶというよりはどこか「からかう」ようなニュアンスがあるのではないでしょうか。しつこくおうむ返しをされると、怒り心頭というほどではないものの、良い気持ちはしないものですよね。
おうむ返しが与えるマイナスの印象
それは大人も同様で、会話をしている時に何度も何度もおうむ返しをされると、本当に話を聞いているのかどうか疑問に感じるだけでなく、バカにされているように感じることも…。
また、何を言ってもおうむ返しをされると、「自分の意見が何にもない人」という印象を抱かれてしまいますよね。このように度重なるおうむ返しは、コミュニケーションにとって有効どころか逆効果になってしまいます。
ポイントは頻度
では、上手におうむ返しを使うために気をつけなければいけないことは何か、というとそれは「頻度」です。特に自分が聞き手である時には注意したいですね。
親身になって聞き手に徹したにもかかわらず、相手を怒らせてしまっては本末転倒です。相槌を打つ際には、おうむ返しでなくとも、目を見てうなずくことや「そうだよね」など、共感を表す言葉でも十分伝わります。
上手に使って円滑なコミュニケーションを
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おうむ返しはコミュニケーションを円滑にするための方法の一つとはいえ、いつでも、誰にでも有効とはいえず、特に会話中は相手にとって心地よくあるかどうかには常に気を配りたいところです。
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とはいえ、咄嗟の言い返しや確認のためには使いやすく、効果的です。相手はもちろん自分もより気持ちの良い毎日を過ごすために、おうむ返しを賢く上手に使ってみませんか?
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