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雨水タンクをご存知でしょうか?震災時に貯蔵水として注目されたことから、導入を検討されている方もいらっしゃるかもしれませんね。家庭用の雨水タンクは、雨どいに取水口を取り付けて屋根から流れてくる雨水をタンクに集め貯蔵し、タンクについた蛇口から水を出して使います。シンプルに『雨の水を溜めておいて水道のように使う』イメージです。とはいえ、いざ取り付けるとなると色々気になるもの。そこで、雨水タンクのメリットや注意点、選び方や取り付け方について説明したいと思います。
雨水タンクの水は浄水ではないため、何にでも使えるわけではありません。飲料水にはできませんし、お風呂にも使えません。では、雨水タンクの水はどのように活用できるのでしょうか?
なんといっても雨水タンクのメリットを感じるのが、植物の水やりです。家庭菜園やガーデニング、ベランダガーデンなど、毎日の水やりに雨水を利用することで水道代を節約することができます。塩素を含まない雨水は植物にも安心です。
洗車や夏の打ち水、外回りの掃除などにも使うことができます。タンクの種類にもよりますが、ゴミや砂は濾過される仕組みのものがほとんどですので、雨に当たっても気にならないものなら基本的に雨水タンクの水を使用することができます。
もしもの断水時に困るのがトイレをはじめとする日用水です。1回に使うトイレの流し水は少なくても約5ℓ。雨水タンクに150ℓの貯水があれば、トイレ30回分の流し水として使用することができます。災害時には「トイレの回数を減らすために水分をがまんした」「泥水で手を洗った」といった悲惨な状況を耳にします。雨水タンクは雨のたびに水が補充されるので、普段使いしながらもしもの時に備えることができます。
ベランダやカーポートなど、「ここに水道があれば便利なのに…」と思う場所はありませんか?水やりや掃除のために長いホースを引っ張ってきたり、室内の水道から水を汲んでくるのは大変です。そんな時に、蛇口をひねるだけで水が出る雨水タンクが大活躍!ベンランダやカーポートに雨どいがあれば、そこから取水することができますよ。
さて、雨水タンクに興味が湧いてきたのではないでしょうか?ここでは、雨水タンク設置にまつわるよくある疑問にお答えします。
家庭用の雨水タンクは自分で雨どいを切って取り付けるタイプがほとんどです。雨どいを切るなんて大変なんじゃないの……?どうしても不安に思いますよね。ですが、実際にやってみると拍子抜けするほど簡単なんです!必要な道具はパイプノコ。これは雨水タンクにセットでついている場合もありますし、なければ100円ショップでも手に入ります。どうしても自分でするのが心配なら、ホームセンターなどで有料設置サービスを行っているお店もありますので探してみてはいかがでしょうか。
雨どいが表に出ないデザインの住宅では、残念ながら後付けタイプの雨水タンクを取り付けることができません。反対に、雨どいがあればカーポートにも設置可能です。
雨どいを10㎝程度切り取って取水口を取り付けるため、完全な現状復帰ができません。賃貸の場合は予め管理会社に許可をもらう必要があります。
どのくらいきれいな水が出るのか、気になるところですよね!写真は、ザーザー降りの日の翌日に雨水タンクの蛇口から出した水です。1ℓ程度、深さ20㎝くらい入っていますが、底まできれいに見える透明度でごみもほとんど入っていません。
水を溜めるとボウフラが心配、という声もよく聞かれます。実際、蚊は水がある所どこにでも卵を産みつけますが、雨水タンクは大丈夫なでしょうか?結論から言うと、問題ありません!雨水タンクは基本的に密閉されていて虫が入りにくい作りになっています。もし蚊が入るとしたら雨どいから、もしくはオーバーフロー菅があるタンクならオーバーフロー菅からの2箇所程度です。どちらも開き口は直径5㎝程度の菅なので、心配なら菅の口に網を被せることで侵入を防ぐことができるんです。
PART3.我が家にぴったりのサイズを見つけましょう!
いざ雨水タンクを導入しようというときに迷うのは、やはりサイズ選びですよね。気軽に買い換えるアイテムではないので、しっかり選んで納得のいくサイズを購入しましょう!ここではサイズ選びのポイントと、おすすめのタンクをご紹介します。
雨水タンクは思いの外大きいです。ネットで選んで届いたら予想以上の大きさにびっくり!なんてことも。ホームセンターや知り合いの家など、実物を見られる場所があれば一度実物を見てみることをお勧めします。ネットだけで選ぶ場合は、人と一緒に写っている写真を見る、商品説明の設置場所サイズをよく確認するなど、置き場所を決めてから置けるサイズを選びましょう。また、満水時にはその水の分だけの重量が設置場所にかかります。ベランダに設置する場合は耐荷重量を必ず確認してください。
具体的な使用目的に合わせて、どのくらい溜めておきたいか計算してみましょう。毎日の水やりに使うのなら、1日に使う量と雨の頻度でどのくらいのサイズか決められますね。洗車に使いたいなら、300ℓ程度は欲しいところ。災害時の備えには、家族の人数と使用目的で考えてみましょう。
タンクによっては、連結して増設できるタイプのものがあります。雨どいを切るのは最初の1台を設置するときのみ、2台目以降はタンクとタンクを繋ぐことで簡単に容量を増やしていくことができるものです。まずは小さいサイズで試してみたい場合や高さのあるタンクの設置が難しい場合など、小ぶりのもので数を増やしていく選択肢もありますね。
まず最小限で始めたい方にお勧めなのが、80ℓ程度のタンクです。こちらの商品は壁際にすっきり置ける背の低いタイプで、ベランダにもぴったりです。同じ商品を横に連結して簡単に増設することができます。
ミツギロン 雨水 貯水 タンク グリーン 80L
70,000円〜(税込)
※価格等が異なる場合がございます。最新の情報は各サイトをご参照ください。
新しい水が入ると古い水が流れ出るしくみで、常にフレッシュな水を溜めておけるのがこちらのタンク。沈むゴミはすり鉢状の底で、浮かぶゴミは排水パイプのスリットから除去できる構造で、いつでも最良の状態の雨水を使うことができます。日常使いにちょうどいい150ℓサイズです。
RainHarvestレインハーベスト150リットル
66,000円(税込)
※価格等が異なる場合がございます。最新の情報は各サイトをご参照ください。
庭の景観にこだわるなら、こんな雨水タンクも!容量はたっぷり目の275ℓでこのスッキリデザイン。蓋はプレーンなものの他に、植物を植えられるプランタータイプが付属しています。
雨水タンク ノーブル グレー 蛇口・取水器セット
79,299円〜(税込)
※価格等が異なる場合がございます。最新の情報は各サイトをご参照ください。
置き場所はゆとりがあるからとにかくたくさん溜めておきたい!という時には、250ℓのホームダムを増設するのがお勧めです。こちらはお得な3台セット、合わせて750ℓ溜められます。少し割高にはなりますが、もちろん1台ずつ購入して様子を見ながら買い足して増設することも可能です。
コダマ樹脂工業 ホームダムトリプル750L(グレー)
96,800円(税込)
※価格等が異なる場合がございます。最新の情報は各サイトをご参照ください。
実は、雨水タンクの利用促進を図るため、雨水タンクの設置に助成金制度を設けている自治体が多数あります。対象商品や助成内容、申請方法は市町村により異なりますが、設置にかかった費用の半額、もしくは2/3が補助される自治体が多いようです。例えば、水不足がよく問題になる香川県高松市では、以下のような助成が受けられます。他にも日本全国助成を行っている自治体がたくさんありますので、ぜひお住まいの自治体のホームページなどでチェックしてみてくださいね。意外とお手頃価格で設置できるかもしれませんよ。
一例として、渇水対策に力を入れている高松市の補助を見てみましょう。香川県は水不足に悩まされる土地柄助成が手厚くなっている面もあるかと思いますが、初期費用の自己負担は案外少額になることが分かりますね。
本体費用に10分の8を乗じた額(1,000円未満の端数は切捨て)で限度額4万円です。
0.1立方メートル(100リットル)以上で1立方メートル(1,000リットル)未満の市販の貯留タンクに限ります。
【交付申請時の必要書類】
高松市小規模施設雨水利用促進助成金交付申請書
雨水タンクの製品名、材質、貯留容量、その他の仕様が確認できる書類(カタログ等)
領収書の写し(小規模施設以外の経費を含む場合は、内訳明細書を併せて提出)
取付後の状況を示す写真(遠景、近景各1枚)
遠景写真 建物全体の背景で、設置した建物や雨水タンクの設置位置が確認できる写真
近景写真 雨水タンク全体と雨どいへの接続が確認できる写真
雨水タンクのある暮らしについて、少し具体的に想像していただけたでしょうか?雨水タンクを使い始めると誰もが『雨が降るのが楽しみになった』と言います。雨の日も晴れの日と同じように大切な1日。そう自然と受け入れられることも、雨水タンクを取り入れる大きなメリットと言えるでしょう。
(筆者撮影)