イラッ!ムカッ!としていませんか?
出来事や状況、人に対してイラッとするのは、自分の身を守ろうとする自然な反応です。問題は、その後の考え方にあります。もう済んだことに対してあれこれ考え続けると、長引くイライラに発展してしまうのです。なぜわたしたちはイライラしてしまうのか、身のまわりにはびこる原因を見ていきましょう。
ゆとりのない生活がイライラを生む
あらゆる技術が発展した現代は、その恩恵を受けて暮らしが楽になるのとは裏腹に、スピード重視のストレスフルな生活を強いられています。メッセージの返信だったり、目的地への移動だったり。1分1秒を争うかのように目まぐるしい生活に追われ、“ゆったりと待つ”ことができない社会になっているのです。
「べき思考」が頭を堅くする
「母親だからこうするべき」「仕事だから多少の無理はするべき」といった「べき思考」。ある程度の「○○するべき」は規律として役立ちますが、必要以上に締め上げると重荷になるだけです。自分自身に対してはもちろん、家族や友人、社会に対しても「○○すべき」と考えていると、頭がどんどん堅くなってしまいます。
コミュニケーション不足がすれ違いの元に
「言わなくても分かってくれるだろう」「わざわざ伝えなくても分かるはず」こんな風に、言わずとも察するのは日本人の美徳なのかもしれません。ただ、相手に期待して思い通りにならなかったときに「裏切られた!」と苛立つのはお門違いです。伝えたいことは言葉にして伝えなければ、すれ違いやいざこざの元になりかねません。
被害者意識は自分を傷つける
イライラするとき、“被害者”になっていないでしょうか。ずいぶんと待たされた、ひどいことを言われた、すれ違いざまにぶつかられた……というように。「された」「られた」を無意識に使っていると、いつまでも“被害者”であり続けることになります。それは、あなた自身を傷つけるのと同じことなのです。
心を整える「マインドチェンジ術」とは
心を整える「マインドチェンジ術」とは、イライラにつながる考え方をやめることです。イライラしても状況は変わらないばかりか、自分を傷つけるだけであることはもうご周知のとおりです。
同じ時間をイライラに費やすのと、ポジティブな感情ですごすのと、どちらが建設的でしょうか? どんな気分を選択するかは、あなた次第です。
気分は選択できるものであると知る
イライラが募っているとき、あなたは“イライラすること”を選択しています。なぜイライラを選択するのでしょうか? それは、怒りがもっとも簡単で表現しやすいからなのです。冷静さを失っていると、「気分は自分で選択できる」ことを放棄しがちになります。
クールダウンして冷静さを取り戻す
では、どのようにして冷静さを取り戻せばいいのでしょうか。それは、物理的にクールダウンすることです。文字通り「頭に血が上って」いる状態では、交感神経が高ぶっている状態にあります。冷たいものを握ったり、頭や体に当てたりして、冷静さを取り戻します。
・数を数えながら深呼吸をする
・足の裏の感覚に集中する
・ほかの場所に移動する
メモやスマホを使ったお手軽マインドチェンジ
イラっとしたとき、感情を押し殺そうとするのは逆効果です。心の奥深くに積もり積もって、いつか爆発しかねません。ちょこちょこと小出しにして、そのつど“浄化”するのが有効です。メモやスマホを使って、思っていることや考えていることを言語化してみましょう。
① メモやスマホを使って、思ったことを言語化する
② それとは逆の感情を、ひとことで表す(例:やったー!)
③ ②の根拠となるポジティブな面を探り、視点を転換する
マイナスをプラスに!「マインドチェンジ術」実践のヒント
わたしたちの暮らしのなかには、イラっとすることは多々あるもの。そんなとき、何にイラっとしたのかを、“ひと呼吸”おいて考えてみることが大切です。その“ひと呼吸”でイライラの大半はおさまり、物事を冷静に見つめられるようになります。マイナスの思考をプラスに転換するための、「マインドチェンジ術」実践のヒントをご紹介します。
自分に対するイライラ
わけもなくイライラしたり、嫌なことを思い出してはムカムカしたり。怒りを再生産すればするほど、イライラは増殖し続けます。あなた自身を守るためにも、意識的にマインドチェンジすることが大切です。
・決めつけや執着に気付き、手放す
・良いか悪いかをジャッジしない
・自分に対するダメ出しや後悔をやめる
周囲に対するイライラ
子どもが言うことを聞かなかったり、夫が協力的でなかったり。あるいは、仕事で急な残業を強いられたり、友人の自慢話にへきえきしたり……。こんな周囲に対するイライラは、相手をどうにか変えたいという思いが原因です。
・小さなガマンをため込まず、素直に伝える
・お互いの価値観や考え方の違いを認める
・穏やかで丁寧な言葉づかいを心がける
状況に対するイライラ
電車が遅れて予定が狂う、天候や気候の不順で何をするのも嫌になる、マナーを守らない住民に対する苛立ち、会社の理不尽な人事など。例を挙げればキリがない、状況に対するイライラ。自分の力では到底どうにもならないことに抗っても、エネルギーを無駄に消耗するだけです。
・今できることをすればいいと、開き直る
・転機はいずれ訪れるものと、言い聞かせる
・大きな流れに身を任せ、力を抜く
「マインドチェンジ術」でストレスフリーに
気持ちを上手に切り替えて、イライラしない自分に変わる「マインドチェンジ術」をご紹介しました。イライラしても何もメリットはないこと、気分は自分で選択できることを知るだけでも、八方塞がりな状況を変えられるかもしれません。そこからどうチェンジしていくかは、あなたの心がけしだいです。
「マインドチェンジ術」で上手に気持ちを切り替えて、できるところから少しずつ、心を整えてくださいね。
イライラを引きずっていると、ペースが崩れていろいろなところに弊害が出てくるもの。仕事や家事がはかどらなかったり、集中できずにミスしてしまったり。そんな自分に苛立って、また負のスパイラルに飲み込まれていく……。さくっと気分を切り替えられたらラクなのに、って思いますよね。そんなときに役立つのが、これからご紹介する「マインドチェンジ術」なのです。