そのひとくち、本当に食べたかったものですか?
それは本能的な食欲とは別に、気分で食べてしまっているものではありませんか?おなかが空いているという感覚ではなく、「なんとなく」食べてしまっているものが増えている人は要注意です。最近ではそのような感情的な食欲を満たす行為を「エモーショナル イーティング(emotional eating)」と呼んだりするそうです。
原因は、ストレス?
気分で食べてしまうとき、その原因は主にストレスと言われています。本来、食欲は生命維持のための基本的な欲求ですが、「食べる=満足」という感覚が、別の不満要素を満たすものにすり替わってしまうと、「本当に食べたいという訳ではないけれど、満足するので食べておきたい」という欲求になってしまうのです。ほどほどのストレス解消や代替行為にはいいですが、それが過度の量や習慣になってしまうのは、あまりおすすめできません。肥満や、肥満からくる成人病(高血圧、糖尿病など)を考えると、健康にもよくありませんよね。
「つい食べちゃう」をしないために、本来のストレスを解消できればいちばんよいのは確かです。ですが対人関係や、自分だけではどうにもならないことでの心理的負荷もあるというものです。ストレスを解消できなければ「つい食べちゃう」をやめられないわけではないので、ここで悩みすぎて、余計なストレスを増やさないようにしましょう!
「気分食べ」を控えるために
大事なのは「気づくこと」
口にするものが本来の食欲ではないと思うときの傾向として、特定の味のものを食べたくなる、普段より多い量を食べてしまう、食べた後に後悔する…ということが多いようです。大事なのは先でも後でも、気づくこと。「あ~、気分で食べてしまったな」と思えれば、健康のための解決の第一歩です!
睡眠も大事、眠ってみましょう
夜、眠る前になんとなく口に何かを入れたいとき…それは、脳が疲れているのかもしれません。実際に睡眠不足のときは、食欲を抑えるホルモンが減るとの研究もあるそうです。睡眠は、思考の整理と脳の休息に役立ちます。眠る前におなかが空いたと思ったら、食べずに寝てしまいましょう。
あたたかい飲みものを口にする
あたたかいものを飲んで、気持ちを落ち着けてみましょう。香りのよいハーブティーも気分転換には最適です。ホットドリンクをおなかに入れて、満足できるか少し待ってみて。眠る前はホットミルクもいいですね。
少し身体を動かしてみる
昼間であれば、少し歩くのも効果的です。気分的な空腹感は、気を紛らわせることでおさまることもありますので、散歩に出てみたり、仕事中も休憩に席を立つついでに少し歩いてみるなどして、軽く身体を動かしてみましょう。ただし、コンビニへ寄ってうっかりお菓子を買わないように気をつけて。
深呼吸で、気持ちを落ち着けて
すぐに歩くことができないときは、深呼吸をしてリラックスをしてみましょう。深呼吸はストレス解消にも役立ちます。ひと呼吸して落ち着いてみたら、食べたい気持ちを忘れてしまうかも?
集中できる別のことをする
「なんとなく」の食欲は、言葉どおり「なんとなく」ですから、「退屈」が原因の場合も考えられます。集中できる別の何かをして、気を紛らわせてしまいましょう!ゲームに熱中すれば、ひととき忘れて楽しめそうですね。ストレス解消にもなったら一石二鳥です。他にも、趣味やスポーツ、ドラマや映画などを見るのもおすすめです。
時間をかけて料理をしてみる
何か食べたいと思ったとき、簡単に食べられる出来合いのものではなくて、自分で作ってみるのはいかがでしょうか。時間をかけて食べものと向き合ったとき、本来の食欲が解消されるかもしれません。いつもより手の込んだ料理を作れたら、味にもおなかにも満足ができそうです。
普段の3食を、じっくり味わう
気分でつい食べたくなるタイミングは、間食や夜食が多いと思います。それは普段の食事を充分にできていないからかもしれません。まずは朝昼晩の3食を、ゆっくり味わって、できれば楽しく満足のいく時間にしてみませんか。毎日、仕事や家事、育児で慌しい日々ではありますが、「昨日より5分だけ多く食事の時間にあてる」など、少し意識を変えてみるのは健康にもよさそうです。
親しい人に会ってみる
食へ向かうストレスが「寂しさ」かもしれないときは、家族や友人など親しい誰かに連絡をとって会ってみましょう。一緒に食事をするのもいいですね。他にも、動物に触れてみたり、人と交流できるイベントに参加したりなど、食べもの以外の解消を探してみて。
食べたものを記録する
「エモーショナル イーティング」は、食べたものを記録するのも効果があるそうです。1日で口にしたものを振り返り、客観的に把握してみれば、食べる量だけでなく、何を食べるかにも気をつけることができそうですね。
目の前にあるもの、今すぐ食べなくてもいい
食べる前に「これは本当におなかが空いていて、食べたいもの?」と自問したり、少しのあいだ待ってみるのも効果的です。その際、「食べるのを我慢しなければならない…!」と考えると逆にストレスになってしまうので、「目の前にあるもの、今すぐ食べなくてもいい」「明日食べるお楽しみにしようかな」など、これからの楽しみになるように気分を変換させましょう。
健康によさそうなものを食べる
とにかく食べたいものが「甘いもの」だった場合は、食べ過ぎに注意したほうがいいですよね。果物やナッツなど、お菓子よりも甘さが控えめだったり、栄養的にも身体によいものに替えて食べてみましょう。ここでも「今、身体にいいものを食べている!」とポジティブ変換をお忘れなく!
いいものを、少しいただく
「つい食べてしまう」のを気にしすぎて、「食べること=よくない」となってしまってはいけません。何事もバランスとタイミング。ときどきは、気分の赴くままに食べて心を満たしてあげましょう。できれば、いいものを少しの量にして、食べてみてください。その際に後悔はいりません!「食べてよかった~!」と満足できれば、きっと「つい食べ」の回数も見直されてくるでしょう。
食べてもいい、でも、
本来、食べることは生命維持の大事な行動です。「食べること」自体に罪悪感は持ちたくないもの。ですが、ストレス解消のために過剰に食べて、それが健康を害したり、さらなるストレスを生むのは本末転倒です。どうせなら、自分をよくするための食事を、今一度考えてみませんか。
大切な自分の心と身体のために、食事をしましょう。思い遣って食事をしたぶん、きっと自分に戻ってくるはずです。さあ、今日はこれから何を食べましょうか?
仕事中、何気なく手にしてしまうお菓子。食事を終えたあとのデザートは別腹。頑張っている自分へのご褒美に、コンビニの新作スイーツ…。朝昼晩の3食と食事と別に、つい口に入れてしまうものって、ありませんか?