怒りによる言動は、多くの場合マイナスの結果を生んでしまうもの。また、怒っている時というのは自分にとって気持ちがいい状態ではありませんよね。怒りとは、大人になればなるほどうまくコントロールしたい感情です。
怒りとはなんだろう
怒りの種類は二つ
怒りは瞬間的な怒りと、溢れ出る怒りの大きく二つに分類されるといわれています。瞬間的な怒りとは、考えるよりも先に怒りが沸くことです。よく聞かれる「カッとなる」とはこの状態です。
溢れ出る怒りとは、それまで心に溜めてきた不安やイライラなどのマイナス感情がついに溢れ出してしまった状態をいいます。「もうこれ以上我慢できない」という怒りですよね。
二つの怒りの共通点
どちらの怒りでも、その感情に支配されると視野を狭め自分を客観的に見られなくなるという共通点があります。冷静なつもりでも声のトーンが落ちたり雰囲気が変わったことに、自分では気付きにくいものです。
怒りをコントロールするために押さえたいポイント
1・怒りの生じる瞬間
怒りを感じた瞬間に反射的に言葉を言い放ったり、その場を放棄するように部屋から出ていってしまったという経験はないでしょうか。怒りを感じた瞬間というのは、怒りに任せた言動を最もとってしまいやすいタイミングです。
怒りの感情のピークは6秒と言われています。6秒と聞くと、とても短く感じませんか?でも、実際に6秒数えてみると深呼吸をしたり考えを巡らせることのできる長さです。
怒りを感じたなら数字を思い浮かべましょう。怒りを1から10までのレベルとし、6秒の間に自分は今何番目にいるのか、つまりは自分はどれほど怒っているのかを把握しようとすることで、反射的な言い返しや行動を防ぐことができます。
2・普段からの思い込みや考えかた
怒りは自分の考えや信条を否定されることで生まれます。でも、考え方は人それぞれでいろんな考えがあって当然ですよね。「こんな時にはこうするべきだ」という自分の思い込みを変えていくことも必要でしょう。
自分と同じ考えであれば怒りを感じませんが、違う部分が多くなるほどに怒りを覚えます。自分の「〜すべき」という考え方を柔軟にし、「そんな人もいるよね」と思う範囲が広くなれば、怒らずに済むケースが増えていきます。
3・怒りを感じてからの行動
怒らなければいけない時にはもちろん怒ってよいのです。でも、やみくもに怒るのではなく、なぜ怒っているのか、はもちろん、考えの相違について話し合うことが必要です。
また、怒りを感じるもののどうしようもないこと、変えられないことというのもあります。そんな時は沸々と考え込んだり堂々巡りの思考になりがちですが、怒りを早く手放すことが大切です。
怒りを早く手放すための具体的な方法としては“深呼吸”が有効です。浅くなった呼吸を改善し、心を落ち着かせる効果があります。また、心を落ち着かせるための言葉をつぶやいたり、イメージ像を持つことも効果的です。
できれば怒りたくない。怒りは予防できるの?
怒りとは、後から後悔するだけでなく周りとの温度差を感じたり、相手に怒りの意味が通じないなど、プラスに働かないことが多いものですね。それなら、できれば怒りたくはありません。
自分に余裕が無いと些細なことでも怒りを感じてしまうものです。普段から質の良い睡眠をとったり趣味の時間をもち、自分を整えておきましょう。自分の状態が良ければ怒りを覚えずらく、もし覚えたとしても怒りの感情に支配されにくくなります。
おわりに
その時はどうしようもなく怒りを感じても、時間が経つとどうしてあんなに怒ってしまったんだろう、と思うことがあります。思い返して笑えるならばよいのですが、たった一度の言動で人間関係が壊れたり自分の立場が悪くなることもあり得ます。
大人になると、子どものように感情に素直ではいられないし、いるべきでもないでしょう。怒りはあるものとして受け止めながら、うまくコントロールして気持ちよく暮らしていきたいですね。
「あの時あんなことを言わなければ良かった」「あんな態度をとらなければよかった」など、怒りの感情に任せた言動で後悔したことはありませんか?