例えば、立場の大きく違う人との会話はもちろん、友達との会話においてもちょっとした目線の動きや仕草で、なんとなく言葉とは違うニュアンスを感じることはありませんか?また、メールにおいては返信のタイミングや言葉尻が気になるのもよくあることです。
そんな時、言葉のまま素直に受け取っていいものか、あるいは言葉の裏に違う意図が隠されているのか、「深読み」をして探りたくなりませんか?
「深読み」がクセになると、なんでもない平凡なことにまで意味を探ろうとしてしまい、落ち着かない状態に。さらに「深読み」は、すればするほど負のループにはまってしまいがち…。それではストレスがたまり、心の疲れにつながってしまいますよね。
「深読み」したくなる理由
(メールの場合)文字しか届かないから
メールは顔が見えない上に、声のトーンも聞こえません。文章や絵文字から全てを察しようとするため、文調や語尾のちょっとした部分に引っかかりを覚えてしまいがちです。
また、メールはタイムリーに返信することができない場合も多くありますよね。それが分かっていても、返信が遅いと「さっきのメールで怒らせたのかな、気に入らないところがあったのかな…」などと「深読み」したくなります。
(メールの場合)相手と自分のテンションが同じとは限らないから
自分がすごく幸せな気持ちの時に送ったメールが、相手がとても悲しい気持ちの時に届く可能性もあるのがメールです。
気持ちに余裕があれば、ともに共感することもできますが、そうでない場合は、悪気はなくても素っ気ない返事になることもあるでしょう。
さらに、その時の状況によって、「ありがとう」という同じ言葉であっても、本当に感謝を表しているようにも、ありがとう(もういいよ)と感じられることもあるのではないでしょうか。
(会話の場合)言葉以外のニュアンスが感じ取れるから
メールとは反対に、会話の場合は表情が見えたり声のトーンが聞こえる事で、言葉とは違うニュアンスが含まれていることに気づかされる事があります。特に話している人の目線は気になるものですよね。
その場合、会話の相手やシチュエーション、自分の立場やとりまく状況など多くのことを考え合わせて「深読み」をしたくなってしまいますね。
「深読み」を減らすためにしたいこと
(メールの場合)シンプルに伝える努力をしよう
自分が「深読み」をしないために、相手に深読みさせないことも心がけてみませんか。自分からメールを送るときは要点をしっかり押さえ、誤解はなるべく少なく済むようシンプルな文を心掛けましょう。
(メールの場合)フラットな感情や感覚を忘れずに
嬉しいときや悲しいときなど、その状況によって、相手からのメールが好意的に感じられることもあればその逆もありますよね。
メールを送るときも読むときも、ひと呼吸置いて、もしくは大事な内容であれば翌朝に読み直してみましょう。客観的に目を通すことで「深読み」することも・させることも少なくなるはず。
(会話の場合)まあいいや、と流すことも必要
相手の言葉以上のものを読み取ろうと「深読み」することは、トラブルを避けるなど功を奏す場合もあります。ですが、少し気になったところで、よくわからなければ『気にしないでもまあいいか』と流すことも必要です。遡って「深読み」するよりも、今の会話を楽しんだり、内容に集中する方がずっと大事なはず。
どうしても「深読み」してしまう時の対処法
日本人は、察したり汲み取ることが得意と言われますが、いくら「深読み」してもそれは自分の中だけのことに過ぎず、相手が本当にどう考えているのかはわからないままです。考えすぎて、とりこし苦労だったということもあるでしょう。
もし、深読みしないと分からない秘められたメッセージがあったとすれば、それはきちんと伝えない相手にも責任があると言えるのではないでしょうか。
さらに「深読み」がくせになると自分自身が疲れてしまうだけでなく、相手が悪戯にニュアンスを加えてくることに振り回されてしまう可能性もあります。
それでも深読みしてしまうとき、メールでも会話でも『どうしてもわからない』『まあいいやと流せない』ときは、正面から本人に確認しましょう。あれこれ考えて思い悩むより、「どういう意味なの?」と尋ねたほうが互いに気持ちよく会話やメールを続けられるはずです。
きちんと聞くことは、恥ずかしいことじゃない
一度で全ての気持ちを伝えることは出来ないし、理解することも難しいですよね。「どういう意味?」と聞くのは恥ずかしいことではありません。相手のことをよく知る、また、自分の思いをきちんと伝えるためには、何度でも聞いたり伝えたりしていいのです。
言わなくてもわかる、というのは、なかなか難しいものです。「深読み」をして分かったような気持ちになるのではなく、時間をかけてでもしっかり向き合ってコミュニケーションを取ることを大切にしたいですね。
おわりに
「深読み」は必要以上にしすぎるとストレスになり、疲れてしまいます。会話でもメールでも、ある程度は「流す」力が必要なのではないでしょうか。もちろん、流せない時には「どういう意味?」と尋ねましょう。そして、もし自分がそう尋ねられたとき、誠実に答えられるような付き合い方をしたいものですね。
毎日のように職場の同僚や友達と交わす会話やメール。気の置けない相手との会話は楽しいものですが、ただ楽しいだけではないのが会話・メールの難しいところです。