陽の数である奇数で最も大きい9が重なる事から「重陽」と名付けられ、菊を飾って菊酒を飲んで祝ったそうです。

菊を多く食べる地域は山形や新潟など北国が多いようです。「もってのほか」や「かきのもと」という名前で親しまれています。

食用菊にはβ-カロテンやビタミンC、葉酸などの抗酸化作用のある成分が含まれています。昔の人は体にいい食べ物だと経験から知っていたのもかもしれませんね。

食用菊は料理に彩りを加えてくれるので、下ごしらえをマスターしてみましょう。酢を使って色止めをします。

菊の花のバラし方など、基本的な下ごしらえが画像付きで詳しく解説されています。

定番ですが、菊のおいしさをストレートに味わう事ができるおひたしのレシピ。ピンクがきれいな「もってのほか」に、出汁、醤油、きび砂糖、かつお節を加えて作る和え物です。

こちらは、胡麻だれやマヨネーズを使ってコクをプラスした和え物。黄色の食用菊が白い小鉢によく映えます。

淡白で旨みが深い鯛に三つ葉と菊で香りで彩りを加えた上品なレシピ。本格的な和食レシピに見えますが、作り方は意外と簡単です。初秋のお祝いごとにもぴったりですね。

同じ鯛と食用菊でも調理法でこんなに印象が変わります。菊以外のエディブルフラワーが手に入れば、食卓にお花畑が演出できます。鯛の他にもホタテなどでもおいしく作れますよ。

豚しゃぶにゆでた食用菊を巻き込んだレシピ。菊のほのかな苦味と香りが、お肉をワンランク上の味わいにしてくれます。

菊を食べ慣れていなくても取り入れやすいのがお吸い物。お出汁に菊の香りが合わさります。シャキシャキした菊の食感は吸口としても相性の良い取り合わせです。

菊花茶は中国茶にもありますが、食用菊で手作りする事も可能。ストレートで飲むほか、緑茶やゆず茶と合わせておもてなしのときに華やかな雰囲気を演出する事もできます。

定番の菊花皿は洗練された優美なデザイン。3つのサイズ展開で和食にも洋食にも似合いますので、菊モチーフの食器を揃えるなら最初はこちらがおすすめです。

モノトーンの色使いで、和モチーフなのにどこか洋食器の雰囲気の盛鉢です。汁気のある煮物をざっくり盛るだけで絵になる楕円形のデザインです。

江戸切子で八重菊の花びらを切り出したおちょこです。料理を盛り付けるのはもちろん、デザートを入れたりキャンドルホルダーとして夜の菊見の照明にしても素敵ですね。

吉祥柄である「喜久繋（きくつなぎ）」と呼ばれるモチーフのグラス。繊細な伝統柄のグラスで菊見酒を楽しんでみてはいかがでしょうか？

さりげなく菊モチーフを取り入れたいなら、箸置きもおすすめです。深みがあって薬味皿としても使えるタイプなので、色違いで揃えても素敵ですね。

気候の変動や生活の変化で意識しないと季節感を得られない時代になってきました。新暦ではまだ残暑が厳しい時期ではありますが、これから訪れる秋を思う一時として「重陽の節句」を楽しんでみて下さい。