キッチンの相棒を見直してみよう!
柳宗理(やなぎ そうり/むねみち)
日本の工業デザイナーの草分け的存在の柳宗理は、1950年代より世界中の様々なコンクールで作品が認められ、フランスのルーブル美術館やニューヨークの現代美術館に多数の作品が収蔵されています。そのデザインは幅広く、カトラリーやケトルなどの日用品だけではなく、高速道路のトンネルや橋梁など私たちの生活に密接に関わる建造物にまで、多岐に亘っています。2002年には日本の文化デザインにおける功績が称えられ、文化功労者に選ばれました。柳宗理デザインの使いやすい調理道具は、私たちの心をつかんで離しません。
la base(ラバーゼ)
"la base(ラ バーゼ)"とは、イタリア語で【基本、基盤、基礎】という意味です。料理をする人にとって、大切なもののひとつが台所道具ですが、どこか使いにくかったり、気になるところがあっても、だんだん慣れてしまったり、諦めてしまうこともしばしば。料理研究家の有元葉子さんが、使い勝手から質感まで、「もっとよいものを……」という想いで、機能的かつ美しい台所道具シリーズ「ラ バーゼ」を誕生させました。他の台所道具にはない高級感。極めてシンプルでありながら、使いやすさ、手入れのしやすさ、美しさを兼ね添えています。毎日の料理の、基本の道具だからこそ、こだわりたい。そんな方におすすめの道具たちです。
東屋(あづまや)
でき上がってきたサンプルは、東屋の方々が実際に使います。使ってみて使いやすいか、丈夫か、どういう変化をしていくのかをきちんと考え、必要であれば、何度でも手をかけ、改良します。
「作り手」に関わりながら、同時に「使い手」の立場を忘れることはないからです。
野田琺瑯(のだほうろう)
1934年創業の野田琺瑯は、琺瑯一筋に琺瑯製品をつくり続け、 家庭用容器のほか、衛生用品や理化学用品などの琺瑯製品の製造も手がけています。
琺瑯は酸や塩分に強いので、食材や薬品の保存に適しており、 さらに、そのまま火にかけることができるため、調理や調合にも都合のいい商品です。 そうした琺瑯の特性を生かしながら、野田琺瑯ではさらに、家庭用製品の製造にあたって、 料理研究家や主婦の意見を反映させたものづくりを行っています。
そして、効率が悪くても、手間ひまをかけて、数名の熟練の職人によって丁寧に仕上げられた琺瑯製品。 使い勝手を最優先した、奇をてらわないシンプルなデザインは、 時代が変わっても多くの人に支持され続けることでしょう。
月兎印(つきうさぎじるし)
生活用品全般を扱う、株式会社フジイのオリジナルブランド「月兎印」。
ブランドの誕生は、大正15年、まだその名を「藤井商店」と名乗っていた頃にさかのぼります。
藤井商店は月兎印のブランドによって、日本における琺瑯の文化をつくり上げ、
以降琺瑯製品は家庭用、業務用など様々なシーンで使用されることとなりました。
「ゲット」という愛称でも親しまれている「月兎印」の商品は、
一点一点、琺瑯メーカー・野田琺瑯の熟練職人の手作業によって生み出される昔ながらの製法。
そのこだわりと丁寧なつくりが、現在でも多くの人に愛される琺瑯製品を世に送り続けています。
GLOBAL(グローバル)
世界中の料理人から愛され続ける オールステンレスの美しい包丁
ものづくりの町、新潟県燕・三条地区で洋食器の製造を行う吉田金属工業より、オールステンレスの包丁「GLOBAL(グローバル)」が登場しました。
こちらの包丁は、「イタリアのデザイン・ドイツの堅牢・日本の精密」というコンセプトのもと、「月兎印 スリムポット」のデザインも手掛けるプロダクトデザイナー 山田耕民氏と共に開発されました。
工房アイザワ(こうぼうあいざわ)
世界的ステンレスの産地、新潟県の燕市に工房アイザワはあります。大正11年に「相澤保治商店」として創業した老舗店で、当時より道具の存在価値をかんがえ機能美にすぐれた製品をていねいに作りつづけています。工房アイザワでは定番人気のお弁当箱をはじめ、鍋・ちゅうぼう小物シリーズ・キッチン用品など毎日の台所しごとに欠かせない道具を一通りそろえることができます。限りなく装飾を削ぎ落としたシンプルな道具類は長きにわたって愛用できることでしょう。1986年にはMONOPRO+BOXERシリーズ(ブラック)がニューヨーク近代美術館MOMAの永久保存デザインコレクションに選定されました。
無印良品(むじるしりょうひん)
1980年、日本で誕生したブランドです。無駄を省いたデザインはシンプルで機能的。生産工程を合理化することで良心的な価格帯を実現しているそうです。
台所道具は色々あるけれど、手に馴染みやすく使いやすいものはいつもきまって美しく、そしてつくる喜びを感じさせてくれます。そんな機能美と、さらに耐久性も兼ね備えた日本の台所道具をご紹介していきます。