北欧流のおもてなしって?
ホームパーティーというとあれこれ準備したり敷居が高そうなイメージがありますが、北欧ではそんなに気張らず、もっと肩の力を抜いて楽しむリラックススタイルのパーティが主流。一体どんな様子なのか、今から簡単に北欧ならではのパーティやおもてなし術をシーン別にご紹介していきます。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
FIKAと呼ばれる「お茶会/コーヒー会」
コーヒーを飲みながら楽しいおしゃべりタイム
定番のシナモンロール
北欧での人気焼き菓子は『シナモンロール』。フィンランドを舞台にした映画、『かもめ食堂』のワンシーンでも登場したあの焼き菓子ですね。菓子パンは発酵などの手間がかかる工程が目白押しのイメージですが、こちらでは生イースト菌を使うので、初心者さんでも失敗が少なく、普段からよく作られる家庭のお菓子の1つとなっています。北欧では男性もてきぱきと焼き菓子を作る人が多いんですよ。
スーパーやコンビニ、ベーカリーでもたくさん売られているシナモンロールですが、やはり焼きたてのあっつあつが一番おいしい!特に甘い香りがお家いっぱいに広がるのは、実に幸せなひととき。淹れたてのコーヒーとあつあつのシナモンロールの相性も抜群なので、お友達と話しながらついつい何個も食べちゃいそうです。
夏は旬のブルーベリーパイ
北欧は夏になると、野生のブルーベリーやラズベリーがたくさん採れます。自分でブルーベリーを摘んできて、おうちの冷凍庫で保管して長い期間楽しむ人もたくさん。
夏は旬なブルーベリーを使った『ブルーベリーパイ』でのおもてなしが盛んです。パイといっても北欧ではパイ生地ではなく、バターと小麦粉を混ぜてつくるクランブルケーキを指します。ブルーベリーを耐熱皿に入れて上にクランブルをかけてオーブンへIN!粉をふるったり混ぜたり型にいれたりといった面倒な作業がないので、手間もかからずあっというまにできちゃいます。カスタードのようなバニラソースをたっぷりかけていただきます♪小さい耐熱皿に入れてそれぞれサーブすれば、切り分ける必要もなし。「今年はどこのエリアでブルーベリーがたくさん採れたよ」なんてFIKAで情報交換をすることも。
何歳になってもやっぱり特別♪「お誕生日会」
気軽に参加できる♪おうち de 誕生日会
お誕生日はやっぱり特別!日本ではお誕生日のお祝いにちょっと豪華なお食事に誘ったりしますが、スウェーデンでは逆にお誕生日の人がみんなを招待します。もちろんレストランに招待してもいいのですが、もっと手軽に「おうちでランチorお茶会」といった簡易的なものでOKなんです。しかし、30、40、50歳と10年ごとの節目は盛大にお祝いします。もちろんプレゼントを持参しますが、お花やチョコレートなど手軽なものが多いよう。ギフトカードや、体験型のギフトをプレゼントすることも最近のトレンドとなっています。また、プレゼントと一緒に「ギフトレシート」を渡すことも一般的。日本人にとってはちょっとドライに感じてしまいますが、貰った本人が気にいらなければ気兼ねなく返品・交換できるので、物が無駄になりません。
ひっぱりだこのプリンセスケーキ
スウェーデンのお祝い事でひっぱりだこのケーキが、こちらの『プリンセスケーキ』。昔王女様が大好きだったことが名前の由来なのだとか。緑がかった表面部分は、マジパンで出来ており、中身はスポンジケーキで出来ています。デコレーションでイチゴがのっていますが、中には果物が一切使われていないため、果物の旬に関係なく1年中購入できるのも人気の理由かもしれませんね。
軽食代わりにも◎スモーガストルタ
甘いケーキだけでなく、『スモーガストルタ』と呼ばれる甘くないケーキもあります。訳すと「サンドイッチケーキ」という意味ですが、たくさんのゲストが来る際、「軽食も欲しい」といったシーンで用意されることが多いようです。卵やハム、サーモン、エビなどサンドイッチの具をサンドイッチのパンを重ねてつくります。クリーム部分はマヨネーズやサワークリームなどを使い、ケーキのようにキレイにデコレーションをすれば完成!おうちでも簡単に作れますが、スーパーやパン屋さんでもオーダーできるので招待する人数を伝えるとそれに合ったサイズで作ってもらえます。ケーキ類はテーブルの上に丸ごと置いて各自食べたい分だけ切り分けて食べることが多く、自身で食べる量を調節できるのがいいですよね。ホスト側もケーキ、お皿、フォークを用意するだけでいいので楽々♪
夏の風物詩「ザリガニパーティー」
わいわい賑やかなパーティ
IKEAでも最近夏に“ザリガニパーティー”なるイベントが行われているようですが、大体8月下旬にこちらでも催されることが多いようです。メインはザリガニ!ですが、それだけをひたすら食べ続けていてもどこかお腹が満たされないので、パンやパイなども用意されます。ザリガニの食べ方はまさにエビそのものですが、手をベタベタにしながら殻に吸い付いたりと食事のスタイルもとってもカジュアル。お揃いの帽子やザリガニの絵が描かれたユニークなナプキンなどを用意して、その場の雰囲気を盛り上げます。
アクアビットをお供に
一緒に良く飲まれるお酒が『アクアビット』と呼ばれるジャガイモの蒸留酒。アルコール度数は何と40パーセント以上!みんな良い気分になるからかザリガニパーティーでは決まった歌をみんなで歌うことも多いです。ホームパーティーの中でもわいわいがやがやとフランクで賑やかなパーティーの1つとなっています。
みんなで持ち寄り
パーティーによりますが、皆で食べ物を「分担」することも多いんですよ。たとえばザリガニパーティーであれば、ホストがザリガニを用意してゲストがお酒、飲み物、パン、パイやデザート、果物などを持ち寄りします。手土産を何にしようかなと悩むよりも、必要なものを予め頼まれる方が楽な時もありますよね。これこそ、主催する側も招かれる側も気兼ねなく参加できる秘訣かもしれません。
夏は「バーベキューパーティー」も盛ん!
夏によく行われるホームパーティーとして“バーベキュー”も人気です。日本でバーベキューというと場所をまず確保してお肉や野菜を切って串刺しにして・・と下ごしらえが結構大変ですが、北欧ではもっとシンプル。墨と網が入った使い捨てのバーベキューセットやすでにマリネにされたお肉もスーパーにたくさん並んでいます。サラダも袋を開けるだけですぐに食べられるものが多いので、大げさにいうと買ってきたものを開封するだけでもバーベキューパーティーはできちゃいます。各自好きなものを自分が食べる分だけ持っていって焼くというスタイルも。
*北欧流おもてなしのポイント*
お菓子や簡単な軽食も大変であれば、分担制にしたり、出来合いのもを買っても全然大丈夫。お皿やコップだって使い捨てもOK!もちろん友達との間柄にもよりますし文化の違いもありますが、日本でも真似できる点はどんどん取り入れて、肩の力を抜いて、もっと気軽にホームパーティーを楽しんでみてもいいかもしれませんね。
北欧と聞くと「北欧雑貨」や「北欧家具」がまっさきに思い浮かびますが、なぜ北欧諸国はインテリアやデザインの分野に長けているのかご存知ですか?北欧の冬は極寒で長く、日照時間も非常に短いためお家で過ごす時間が多くなります。そこでお家時間をより快適で楽しいものにするために、お部屋のインテリアを明るくデコレーションしようとデザインに力を入れるようになったといわれています。インテリアにこだわる人なら、きっと家族やお友達にも「私のお部屋を見て欲しい」と思いますよね。そういった事情も手伝って気軽にホームパーティーを開いたり、「ちょっとお茶でも」と人を招いたり招かれたりする機会が年間を通して多いのです。