幸福度ってなんだろう?
日本の順位は、毎年50位前後。
<2018年度 世界幸福度調査結果>
第1位: フィンランド
第2位: ノルウェー
第3位: デンマーク
第4位: アイスランド
第5位: スイス
第6位: オランダ
第7位: カナダ
第8位: ニュージーランド
第9位: スウェーデン
第10位: オーストラリア
第11位: イスラエル
第12位: オーストリア
第13位: コスタリカ
第14位: アイルランド
第15位: ドイツ
第16位: ベルギー
第17位: ルクセンブルク
第18位: アメリカ合衆国
第19位: イギリス
第20位: アラブ首長国連邦
第21位: チェコ
第22位: マルタ共和国
第23位: フランス
第24位: メキシコ
第25位: チリ
第26位: 台湾
第27位: パナマ
第28位: ブラジル
第29位: アルゼンチン
第30位: グアテマラ
それぞれの国の幸福度は0~10の値からなる各個人の回答の数値の平均値である。
説明変数は
(1)人口あたりGDP(対数)
(2)社会的支援(困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
(3)健康寿命
(4)人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
(5)寛容さ(過去1か月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)
(6)腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)
の6つであり、回帰分析で得られるこれらの説明変数の幸福度に対する寄与が与えられている。
Ⅰ.「時間」から自由になる
家族や友人と過ごす時間を大切にする
仕事を重要視しすぎて、家族や友人と楽しく過ごす時間を削っていませんか?
一生を終えるとき、人生を振り返るとして、あなたは最後に何を思い浮かべたいでしょう?
働くことは重要ですが、人生において大切なことは、「誰とどんな時間を積み重ねてきたか」ではないでしょうか。
時間に縛られる生活をやめる
日々時間に追われ、がんじがらめになっていると、ストレスが溜まりやすいのだそうです。
時間を守ることは、信頼関係を結ぶにあたって大切な要素の一つですが、時間に支配されていると感じるとストレスが生じます。
「時間」の思いのままになるのではなく、自分の意志で時間をコントロールしましょう。この時間になったから、「これをしなくてはいけない」と義務感を感じるのは、すでに時間の奴隷になっている証拠。「私はこうしたいから、こうしよう!」という自発的な気持ちで時間に向き合えているでしょうか?
好きなことに時間を使う
「自分の好きなことのために時間を使う」ことにも、私たちは幸福を感じるようです。誰かと一緒に過ごす時間が好き、趣味に没頭する時間が好き、自然の中でゆったり過ごすのが好き、映画を観たり本を読むのが好きetc...など、あなたの好きなことのためにたっぷり時間を使えているでしょうか?
Ⅱ.「信頼感」を軸に小さなコミュニティを築く
「信頼感」が人を幸せにする
「信頼感」があると、人は幸福を感じるようです。
国民同士が信頼できる社会の中で暮らしているということが、幸福度調査の上位の国々の共通点でした。いうなれば、国民全体が家族のような繋がりを感じながら暮らしているのだそうです。
小さな家族のようなコミュニティでは、互いに互いのことを思いやることができるのでしょう。家族だと思えば、「他人事が自分事」になります。
他人事を自分事にする。これは、美徳のようにも聞こえますが、自然にできること。ただ、注意点があります。自分自身がしっかりと精神的に自立していないと、相互依存の関係に陥り、過干渉や過度な依存が起こりえます。
まずは自分のことをしっかりできるように。だけど、それは自分勝手に利己的に生きるという意味ではありません。自分自身が自立するために、自分を大切にすることを第一にしましょう。自分をちゃんと大切にできていれば、人のことも「正しく・適切に」大切にすることができるはずです。
自立している者同士の信頼できるコミュニティの一員になることで、ほどよい距離感を保ちつつ、互いに見守り合い、支え合う関係性が生まれます。適度な距離感と健全な相互依存によって成り立つ社会やコミュニティが、人の幸福度を高めてくれるといえるかもしれません。
信頼できる相互作用を大切にする
人に信頼されるために一番大切なことはなんでしょう?
それは、まず自分から相手を信頼することです。
もし、信頼している相手に裏切られてしまったら?悲しいことですが、仕方のないことです。裏切られたあなたは、嫌な気持ちになり、悲しいでしょう。しかし、長い目で見た時に、より悲しいのは裏切った本人かもしれません。
Ⅲ.「すべての人が平等である」という社会感覚を持つ
人は平等であることを理解する
人はすべからず平等です。大統領も、ホームレスも、芸能人も、経営者も、アーティストも、 人である限り皆すべて平等です。
幸福度の高い国々が多い北欧では「人より優れている」と思うことを戒める考え方があるといいます。誰かより優れていたい、上に立ちたい、多くを手にしたい、というのは人間として品のない考え方だと思いませんか。
いばらない、卑下しない
けして威張ることなく、されど卑下することもなく、フラットに人と接すること。すべての人とお互いに友人のような関係性を築いていけたなら...平等であるという価値観は、私たちを少しだけ幸せにしてくれるのかもしれません。
Ⅳ. 肩書きでもお金でもなく「人間性」が最大の財産
幸福度の高い国々の共通する考え方の中に、「人間性」を最大の財産としていることがあります。
幸福度の高い北欧諸国では、租税制度や社会保障制度、公共事業などにおいて、富を再分配することを目指していて、それらがほぼ実現できているモデルケース。社会とは一人ひとりの意志が統合した集合体です。お金を必要以上に生み出したら貯蓄して、未来の社会に分配する。私たち共有の財産をいかに未来の世代に有益に残していけるか?という思考を持って行動すれば、自身のお金に対する価値観も変わっていくはずです。
お金や肩書きにばかりこだわっていると、一瞬の快楽に一喜一憂しながら生きることになります。お金や肩書きを得たい理由は何でしょう。虚栄心のため?肉体的欲求?物欲や消費欲を満たすため?それらは得てしまえば、すぐに失われるものばかり。
本質的に人がもっとも欲するのは、「自尊心」です。
しかし、健全な自尊心は、お金や肩書きでは買うことができません。人は、他者との関係の中で生きているからです。
健全な自尊心を養うために本当に必要なこととは、何でしょう?健全な自尊心は、健全な人間性に宿ります。自尊心が踏みにじられるような場では、歪んだ凶暴な自尊心が横行します。自分と他者、お互いの自尊心を尊重しあえる場でなければ、健全な自尊心は育まれていきません。私たちは今一度、自尊心の本質的な姿を見つめ直すべきかもしれません。
Ⅴ. すべてが自分の「自由」であるということ
決めているのは、ぜんぶ自分自身
人生には、思い通りにいくこともありますが、ならないことのほうが多いはず。しかし、それらを決めているのはすべて自分自身です。
少なくとも、何かを強く願えば、遠回りであっても必ず解決策が見つかります。
楽しい人生を選ぶことを優先すること。
自由でいることを大切にすること。
大切にしたいことをあたりまえに大切にすること。
色々なバランスの中で、どのくらい自分のわがままを通すことができるか?
その決断をするのもまたあなた自身です。
あなたの「こうしたい」「こうでありたい」という一見、わがままとも思える「大切なこだわり」が、いつしか社会のためになり、愛すべき人たちのためになるかもしれません。理想の自分像を見つめることが、次世代の成熟した幸福な社会を生んでいくことにつながるのかもしれませんね。
おわりに
「幸福の形は人それぞれ」ではありますが、幸福度が高い国々が持つ共通点から学ぶことも多いはず。私たち一人一人が、今よりちょっとだけ幸せになることで、きっとそのHappyはお互いに伝染し合って、よりHappyな未来を生み出していけるのではないでしょうか。
世界幸福度調査は、2012年から始まり、今年(2018年)で6回目になります。国連が156カ国を対象に行なっており、各国で約1000人に対し調査が行われているそうです。