ビートルズや2階建ての赤いバス、ロイヤルファミリーに紅茶など、イギリスといえば連想されるものが次々に出てきて日本人にとっても馴染み深い国ですよね。
イギリスは正式名称をグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国といって、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で構成されています。
同じ島国ということもあり、国民性や文化など共通点が多いイギリスと日本。
「マナーを守る」、「場の空気を読んで行動する」、「相手の気持ちを理解して意見を言う」など、価値観が似ていたり、広くないスペースでも工夫して暮らしやすい環境をつくったりするところも、日本人と近い感性を持っています。
出典: ガーデニングやアフタヌーンティーなど時間や空間を上手に使うイギリスの暮らし方は、国民性に共通する部分が多くみられる日本人にとって、大げさなことをしなくてもゆたかに暮らせるためのアイディアで溢れています。
知っているようで意外と知らないイギリスの日常から「背伸びしない丁寧な暮らし」のヒントを見つけてみませんか。
曇りがちな日が多いイギリスでは、天気がいい休日ともなれば自然に親しもうと多くの市民がお気に入りの公園に出かけ、日向ぼっこしたり読書に耽ったり姿が見られます。
日本ほど四季がはっきりしてはいないものの、緑を愛する心は日本人にも負けないくらい。
例えばロンドンのような大都市であっても広大な公園が点在し、1人当たりの緑地面積は東京11㎡に対してロンドンは26.9㎡と約2.5倍(2011年現在)もあります。
公園で過ごすことを生活の一部のように考え、上手にリラックスする時間をつくっているイギリスの人たち。緑に囲まれた空間で季節のにおいや小鳥の声などを肌で感じる時間をつくることは、たとえ都会に住んでいる人でも可能なはずですよね。
✦英国流「自然と共生する暮らし」をとり入れてみよう
~遠出しなくても、近所の公園で緑に癒される休日を
晴れた休日には、ランチや本を持って近所の公園へ出かけてみましょう。
ゴロゴロしているだけでも、もちろんOK。お部屋のソファに寝転がっているときと変わらない過ごし方をしても、気分は全然違うはず。
緑に包まれる場所で心と体をしっかり休ませる時間をつくることによって、日常を穏やかな気持ちで過ごせるようになりますよ。
Ⅱ. 地球にやさしい環境で生産された食材を日常の食卓に
出典:www.flickr.com(@Herry Lawford) 自然を愛する心は「食」に関しても当てはまるイギリス。お料理に関しては、あまり高い評価を受けていない国ですが、農薬や化学肥料を使用せずに生産されたオーガニック食材への意識はとても高いんです。
※「オーガニック」という言葉は、日本では農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず自然界の力で生産された食品を意味します。
出典:www.flickr.com(@Herry Lawford) 日本国内では高級スーパーやネット通販でないと手に入りにくい状況ですが、イギリスではあちこちで開かれているフードマーケットやオーガニック専門店をはじめ、ふつうのスーパーでも簡単にオーガニック食品を手に入れることができます。
出典:www.flickr.com(@Dan Taylor-Watt) 安全で美味しいものを食べたいという考えの人を中心に市場に広がっていったそうですが、その広がりに大きく影響したのがチャールズ皇太子自ら設立したオーガニックブランド「ダッチー・オリジナルズ」。とても人気で、国民にオーガニックの良さをリアルに伝える存在になっているとのこと。
オーガニックの食材や食品を身近なお店で購入できるため、あえて買おうと思わなくても、自然と買ってしまっていることもあるくらいなのだそう。
「高価なものでなくていいから、できるだけ自然な状態で生産された食材を」という価値観が、イギリスの食生活の基本となっているんです。
✦英国流「自然と共生する暮らし」をとり入れてみよう
~オーガニックの食材・食品を近くの市場や通販で
✧オーガニックで生産している農家が出店しているファーマーズマーケット
出典: イギリスに比べると日本ではまだまだ身近な存在とは言いがたい環境ですが、オーガニックの食材や食品を扱う市場やお店が少しずつ増えてきています。スーパーで一般的に売られているものよりは値段が高いのですが、それは土作りから丁寧に手間ひまをかけて生産されているから。「食材そのものの味が濃い」「おいしい」「安心」などのメリットを考えると、価格以上の価値があると感じる人も多いのでは。
近所でファーマーズマーケットなどが開催されているのなら、オーガニックの食材を生産している農家が出店していることも多いので、チェックして出かけてみてください。
✧オーガニックで生産している食材・食品が手に入る通販
出典: ファーマーズマーケットなどが近所でやっていない、という人はぜひ通販を利用してみて。
それぞれの産地で生産されたものを扱っているので、スーパーではあまり見かけない食材を味わうこともできますよ。
様々な農家や業者、団体の通販窓口があるので、じっくり選んで利用してくださいね。
緑を愛するイギリス人にとって、自然と一体になれるウォーキングは切り離せない生活の一部。身近な公園での散歩から、本格的なトレッキングまで様々なウォーキングを楽しんでいます。
そんなイギリス人のウォーキング好きをさらに後押ししているのが、歩くことを楽しむための道「フットパス」。
「フットパス」とは、森林や田園地帯、古い街並みなど昔からある、ありのままの風景を楽しみながら歩くことことができる道のことです。
イギリス国内を網の目のように走っていて、週末や休暇の時期になると森林や海岸沿いの美しい風景を楽しみながら散策する人がたくさん見られます。
日本人でも人気が高い長閑な田園風景が広がるコッツウォルズやピーター・ラビットでお馴染みの湖水地方はフットパスでも人気のスポット。絵本から飛び出たような景色の中を歩くのは最高の贅沢です!
✦英国流「自然と共生する暮らし」をとり入れてみよう
~「歩くこと」を「楽しむ時間」と考えて生活の一部に
出典: 「歩く=移動」ではなく「歩く=楽しむ時間」と考えて、生活のなかに歩くことを習慣にしてみませんか。
自転車で行っていた近所へのお買い物を歩いて行くようにしたり、バスを使っていた駅までの道を歩いてみる。ランチに行くお店を少し遠いエリアまで広げてみたり、お弁当を食べる場所をちょっと離れた公園にしてみたり、ということで十分。
道端の草や木々の様子を眺めたり、雲の流れに目をやったりすると、毎日通る道でも季節の移ろいが感じられ、不思議と癒されますよ。
出典: 最近では、日本でもフットパスが普及しはじめているので、しっかり歩きたい人は、休日に各地のフットパス巡りを楽しむのもおすすめです。
出典: 自然を愛するイギリス人の精神はガーデニングにも表れています。
出典: ガーデニング様式にはフランス式、イタリア式、イギリス式がありますが、作り込まれたフランス式やイタリア式と違って自然なままの姿を楽しむのがイギリス式。
出典:www.flickr.com(@Enrique Fernández) そしてイングリッシュガーデンを作るのに欠かせないのがフラワーマーケット。季節の花々が色とりどりに並びます。
草花だけでなく、ガーデニンググッズも充実しているので、初心者も気軽にガーデニングを楽しめる環境が身近にあるんです。
出典: テイストは違いますが日本庭園も自然美を追求して作庭するので、日本人とイギリス人のガーデニングの好みはとても似ているんです。近年では自宅の庭をイングリッシュガーデン風にする人も増えているそう。庭に小さな自然があるって素敵ですよね。
✦英国流「自然と共生する暮らし」をとり入れてみよう
~さりげなく咲く季節の草花を活けて、生活空間の傍らに自然を
出典: 「イングリッシュガーデンを造るのは、ちょっとハードルが…」という人も多いはず。自然の姿に近い草花に囲まれる生活を、切り花で楽しんでみませんか。
季節の野花や庭で色づいた草花をグラスや小ぶりの花器に活けると、お部屋が癒しの空間に生まれ変わりますよ。
出典: テーブルの上には、ほんのり色のあるお花を置くとナチュラルな華やかさのるある食卓に。
出典: グリーンなら、大ぶりの枝を潔く飾っても素敵。まるで森林浴している気分に。
出典: 目線の高い位置にある棚には、流れるようなラインが魅力の蔦を一枝。
出典: 窓辺には、試験管タイプの花器でリズムのある軽やかなデコレーションが似合います。
いかがでしたか。
日々の生活に追われ、せかせかしてしまいがちな現代の日本人。スローライフには憧れるけれど、現実の生活に取り入れるのは難しいですよね。
でも、日本と共通点の多いイギリスの「自然と共生する」暮らしは、無理することなく試すことができそうだと思いませんか。背伸びをせずに、自分の暮らしに合いそうなものがあれば、ぜひ試してみてくださいね。
日本ほど四季がはっきりしてはいないものの、緑を愛する心は日本人にも負けないくらい。
例えばロンドンのような大都市であっても広大な公園が点在し、1人当たりの緑地面積は東京11㎡に対してロンドンは26.9㎡と約2.5倍(2011年現在)もあります。
公園で過ごすことを生活の一部のように考え、上手にリラックスする時間をつくっているイギリスの人たち。緑に囲まれた空間で季節のにおいや小鳥の声などを肌で感じる時間をつくることは、たとえ都会に住んでいる人でも可能なはずですよね。