話題の『マインドフルネス』を“家事”で実践してみませんか?
今回は、そんな私たちの“日々の暮らしの中”に応用できる『マインドフルネス』実践法をご紹介します。
しかし、マインドフルネスという言葉は知っていても、具体的にどういうものなのか分からない…という方も多いと思います。
まずは『マインドフルネス』の特徴や、日常生活で実践する際のポイントから見ていきましょう。
マインドフルネスとは?
『マインドフルネス』という言葉は直訳すると「心が満たされている」状態のことで、“今、この瞬間に意識を集中させる”という考えをベースにした新たな瞑想法として知られています。マインドフルネス・ストレス低減法の開発者であるJ.カバットジン博士は、「マインドフルネスとは“今この瞬間”に善悪の判断や評価を加えず、意図的に注意を向けること」と定義しています。つまり無意識のうちに根付いてしまっている「○○はこうあるべき」とか、「~すべき」といった自分の価値観や固定概念に縛られず、「今、この瞬間」だけに意識を集中させるということです。
人間は過去や未来に目を向けて、不安や恐れを抱くという特徴があります。マインドフルネスのエクササイズを実践することによって、そうした余計な考えを取り除き、幸福感や充足感を高めて自分の心をコントロールできるようになると言われています。心の中から不安や恐れがなくなり、頭の中をリセットしてすっきりした状態になると、様々なシーンで最高のパフォーマンスを発揮しやすくなります。さらにマインドフルネスのエクササイズには、創造性開発・集中力UP・ストレス軽減など様々な効果が期待できると言われ、世界の経営トップや有名アスリート、大手企業などが積極的に導入しているのです。
日常生活で「マインドフルネス」を実践する際のポイント
マインドフルネスでは座ってメディテーションを行うことを基本としていますが、「今」という瞬間に集中することができれば、たとえば家事をしながらでも気軽に実践することができます。その際は、以下のことを意識しながら行うのがポイントです。
① 視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚など「五感」を活用する
② 雑念が浮かんできたら“無”になろうとせず、「ありのままを受け止め、気持ちを客観視する」
雑念は否定せずに「今、自分はこうゆうことを考えているな」と気付き、ありのままを観察することがポイントです。
それでは、具体的にどのようなシチュエーションに応用できるのか、さっそく実践方法を見ていきましょう。
暮らしの中で実践できる!『マインドフルネス』のエクササイズ
「料理」
イライラしていたり気分が落ち込んでいる時に「料理」をすると、なぜか心が落ち着いたり、気持ちがスッキリすることがありませんか?身近なストレス発散法として「料理」と答える女性は多いと思いますが、実は『マインドフルネス』を実践するのにとても有効な作業だと言われています。
たとえば野菜を切ったり火を使って調理している時には、目の前のことに自然と意識が集中していますよね。さらに、味・香り・盛り付けなどに気を配り、自分が作っている料理と向き合うことで「今」という瞬間に意識が集まります。“瞑想”という言葉の定義に「何かに心を集中させること」というものがありますが、料理中は無意識のうちに心を集中させている状態です。最近ストレスが溜まってきたな…と感じたら、ぜひ身近で実践できる「料理」で脳をリフレッシュさせてみませんか?
「掃除」
お家の中を綺麗に掃除すると、お部屋だけでなく気持ちまでスッキリしますよね?私たちが日常生活で行っている「掃除」も、実はマインドフルネスにおいて効果的なエクササイズだと言われています。マインドフルネスを意識した掃除で大切なのは、窓や床など“掃除をする対象”に意識を集中させることです。
たとえば床掃除の場合には床の質感や感触に注意を払い、さらに掃除をしている時の姿勢など、自分の状態にも意識を向けます。五感を通して「今」という瞬間に集中することで、お部屋を綺麗にしながらマインドフルネスを実践することができます。お掃除の時間を活用して、ぜひ試してみてはいかがでしょう?
「ウォーキング」
よく“歩く瞑想”という言葉を聞きますが、ウォーキングの時にも五感をフルに働かせて、一つ一つに意識を注ぐことでマインドフルネスと同じようなエクササイズを行うことができます。
たとえば歩いている時に見える「景色」や、聞こえてくる「音」、風や地面の「感触」など。また、普段はあまり意識していない「体の動き」を感じることも大事なポイントです。こうした一つ一つのことに意識を集中しながら歩く際には、道路は危険なので公園などで行うようにしましょう。たとえ10分程度の短い時間でも、気持ちの良い場所で自然を感じながらウォーキングすると、心も体もリフレッシュできますよ♪
「ランニング」
“走る瞑想”とも言われるランニングは、距離が長くなればなるほど息が苦しくなり、自然と呼吸への意識が高まって「無心の状態」になりやすいスポーツです。マインドフルネス瞑想の基本は“呼吸に意識を集中させる”ことなので、ランニングはまさに瞑想と同じようなエクササイズと言えます。
ランニングをする時には“吐く息”に意識を集中させ、呼吸のリズムを感じながら走りましょう。ランニングに慣れてきたらウォーキングと同じように、周りの景色や体の動きにも意識を向けます。四季の変化や心地よい風を感じながら「今、この瞬間」に集中することで、徐々に自分の感性も研ぎ澄まされていくそうです。
「食事」
はじめに「料理」の実践方法をご紹介しましたが、実は「食事」もマインドフルネスに有効なエクササイズだと言われています。普段、私たちが食事をする時には、テレビをつけていたり家族や友人と会話をしていたりして、“食べる”行為だけに集中するということはありませんよね?そんな毎日の食事も一つ一つに意識を向けることで、マインドフルネスのトレーニングができるそうです。
マインドフルネスの代表的な実践法の一つに「レーズンエクササイズ」があります。まずレーズンを一粒手の平に乗せて、色や形などを観察します。この時に触って感触を確かめ、表面の凸凹や香りも観察しましょう。次にレーズンを口の中に入れて、ゆっくり噛みながら舌や歯に意識を集中させます。レーズンの食感・味・香り、飲み込んだ時の喉の動きなど。“食べる”ことに意識を向けて、一つ一つの感覚をじっくり観察します。もちろんレーズン以外の食べ物でも◎。ぜひ「食事」の時間を活用して、エクササイズを試してみてくださいね。
「歯磨き」
日常生活のあらゆるシチュエーションに応用できるマインドフルネスは、このほかにも皿洗いや洗濯など、短い時間でも実践できるエクササイズがあります。たとえば私たちが毎日おこなっている「歯磨き」もその一つです。歯磨き粉の味や歯ブラシの感触に意識を向け、磨くときのリズムや体の動きを感じながら「今」という瞬間に意識を集中させます。たとえ3~5分程度の短い時間でも、トレーニングの場として大いに活用できますよ。
「通勤電車」
忙しいビジネスパーソンの間でじわじわ浸透しているのが、「通勤電車」のエクササイズです。10分程度の短い時間でも、心も頭もリフレッシュできるそうですよ。電車に乗り込んだら、まずは自分がリラックスできるスペースを確保します。あまりにもギュウギュウ詰めの満員電車では難しいですが、隣の人と肩がぶつからない程度なら立った状態でも実践できます。立っている時はつり革やバーにつかまって体を安定させ、自分の呼吸に意識を集中させます。移動中のちょっとした隙間時間を使って、ぜひ試してみてくださいね。
マインドフルネスのエクササイズは、シャワーを浴びている時にも実践できます。まずシャワーを浴びる時にお湯の温度を感じながら、身体にお湯が当たる感覚やシャワーの音に意識を向けます。気持ちが良い時にはその心地よさに浸り、心と身体がリラックスしている感覚を大切にしましょう。この時も呼吸(とくに“吐く息”)を意識しながらおこなうと、ストレス軽減にもつながるそうです。
いかがでしたか?
マインドフルネス=瞑想というイメージがありますが、座ってメディテーションをするだけでなく、日常生活の様々なシチュエーションに応用できるのもマインドフルネスの特徴です。
料理や掃除の時間を使って気軽に実践できるので、ぜひ日々の暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょう?
テレビや雑誌など多くのメディアで紹介され、近年ますます注目されている『マインドフルネス』。
グローバル企業の経営トップや一流アスリートが実践していることで一躍有名となり、最近ではストレスマネジメントの一環として、社員研修に積極的に導入している企業が増えています。
一般的には「マインドフルネス=瞑想」というイメージが浸透していますが、実は「料理」や「掃除」をしている時など、日常生活のあらゆるシーンで実践できるのをご存知ですか?