仕事に家事に育児にと、現代の女性は同時にいくつもの役割を担っていたり、毎日いろいろな雑事に追われているもの。何をするにもつい気持ちがせかせかして、そのせいでミスを犯してしまったりしていませんか？

例えば車の運転も、急いでいるとハンドルの切り方が乱暴になったり、他の車や歩行者への注意が散漫になりがちです。先を急いだばっかりに、取り返しのつかない事故を起こしてしまったというケースも実際にありますよね。

また、慌てて料理をしていて火傷をしてしまった、大事な調味料を入れ忘れてしまったというような失敗もよくあるもの。このようなミスも、やはり気持ちに余裕がない時に起こりやすいと言えます。

それは、日々の「所作」について見直してみるということ。といっても、今回ご紹介するのは禅や茶道などのように格式ばったものではありません。例えるならば、「一杯のコーヒーを丁寧に淹れる」ようなもの。一つ一つの動作をゆったり丁寧に行うことで、不思議と気持ちが落ち着いて、生き方にまで良い影響を及ぼすことがあるんです。では、「所作」とは一体どんなものを指すのでしょうか？まずはそこからご紹介していきましょう☆

手に取った物を丁寧に扱うようにすると、自然と所作もゆったりします。食器などは乱暴に置くと大きな音が出るので、気をつけやすいポイントの一つですよね。また、物を丁寧に扱うことは、長持ちすることにもつながります。ちょっとした物をすぐ壊してしまうという人は、ぜひ実践してみましょう♪

お金・品物・書類など、日常の中で何かを人に手渡す機会はたくさんあります。そんな時にも、「優しくそっと」を心がけてみましょう。手渡すという所作は、相手にも何らかの感情を湧き起こさせるものです。優しく手渡すことで、きっと穏やかな気持ちが伝染するはずですよ。

イライラしていると、ついドアを乱暴に閉めてしまう。これは多くの人にとって身に覚えのあることではないでしょうか？そんな時も所作の見直しが肝心。たとえイライラの原因そのものを解決できなくても、ドアを閉める時に一呼吸置くことで、気持ちを静めることは可能です。日頃から気をつけていると、感情のコントロールにつながりますよ。

所作というのは、動作や身のこなしだけを言うのではありません。例えば「言葉遣い」は形として目に見えるものではありませんが、大事な所作の一つです。人と話をする時は、丁寧で優しい言葉を使うようにしましょう。また、現代ではメールを送る時などにも当てはまりますね。

家族がお腹を空かせて待っていたり、食べたらすぐ出かけなくてはならない時などは、できるだけ早く料理や後片付けを済ませたいもの。でも、気持ちばかりが焦ると、かえって手間取ってしまうことも少なくありません。所作を丁寧にすることには無駄な動作を減らすというメリットもあります。急いでいる時こそ、できるだけ丁寧に取り組んでみましょう。

職業や年齢を問わず、誰もが一日に何度か必要とする「食事の時間」。リラックスしていると、無防備な姿勢で食事を摂っていることも多いかもしれませんね。理想的なのは、適量をお行儀よく口に運んでゆっくり味わうこと。時間がない時は、座った時の姿勢だけでも美しく見えるよう、気をつけてみましょう。

落ち着いた気持ちで過ごしている時は、自然と体もゆったりした動きになりますよね。所作を見直すことで期待できるのは、これと逆の効果です。つまり、ゆったりした動作を習慣化することで、気持ちを穏やかに保つこと。体の動きが心に作用して、焦りやイライラが緩和するはずです。

急いで何かしようとする時に限ってミスが増えるのは、頭の働きや手先の動きが追いついていないから。丁寧な所作を心がけることには、心と体のスピードを近づける効果があります。仕事でも家事でも、いつもより少しスピードを落とせば、ミスが減って効率よくこなせるようになりますよ☆

「物を丁寧に扱う」という所作を実践していると、身の回りの物が傷んだり壊れたりすることが減っていきます。また、丁寧に扱うことで愛着が湧き、無くし物も自然と減るはず。所作に気をつけているだけで、いつの間にか物持ちも良くなるわけです。

いかがでしたか？日々の所作を見直すと、結果的に自分の生き方まで変わってくる理由がお分かりいただけたでしょうか。所作は単純に、自分の見た目を良くするためだけのものではありません。気持ちに余裕がない時こそ、日頃の所作を丁寧にするよう心がけてみて下さいね♪