暮らしのなかに祈りの言葉を
いつも感謝の気持ちを忘れずに、小さなことにも喜びを見い出すことができたなら、素敵だと思いませんか。
いつもなにかの「おかげさまで」
普段なにげなく使っている「おかげさまで」という言葉。わたしたちは、いつもなにかに生かされている...そんなことを思い出させてくれる言葉です。
日本人は古来から、山、川、さらには草木や石ころの中にまで神さまの面影を見出し、おそれ敬ってきました。そんないつもなにかのおかげさまで生かされているという感謝の気持ち、私達も大切にしていきたいですね。
「ありがとう」は魔法の言葉
「ありがとう」といわれると、ふいに嬉しい気持ちになります。
食べる、暮らす、生きる。なにげない日々は、誰かがどこかでそれぞれの役割について働いてくれているからこそ成り立っています。
たとえば、スーパーで野菜を買うという行為ひとつとっても、野菜を育てる農家さん、運んでくれたドライバー、卸業者や店員さんなど、たくさんの人の手によって支えられています。
わたしたちが生きていられるのは、雨の日もあれば晴れの日もあって、草木が育ち、季節が巡っていくから…わたしたちの命は、豊かな自然が生み出す偶然の奇跡やたくさんの生命に支えられています。
「ありがとう」の気持ちを持ち続けること。それはとても大切なことのように思います。
いつも清らかな心であるために
水に流す
むかしから、お風呂が大好きな日本人。水には穢れを流す作用があると考えられています。
ネガティブなことが起こった時に「水に流す」ということわざがあります。神社で手を水で清めるように、毎日お風呂やシャワーで一日の疲れを流し、心まですっきりと清める。気持ちの持ち方ひとつで、いつもの習慣だって、より快い時間へと変わっていくはずです。
磨く
道具や、床や壁や、水回りetc…磨くことは、心を磨く作用があります。日々のお掃除、日々の仕事は心を磨く修行。面倒だな、と思うような作業(仕事)でも、丁寧な気持ちで行うことで、心の在りようも変わってくるのではないでしょうか。
塩で清める
塩は、海のエネルギーの結晶です。塩には、お清めの効果があるといわれています。お風呂に入れたり、マッサージに使ったり、岩塩を部屋のインテリアとして置いたりと、様々な活躍をしてくれます。現代の暮らしの中でも塩を気軽に取り入れてみてはいかがでしょう。
食べることに感謝する
「いただきます」は、命へのありがとう
動物も植物も、みな命です。食べるということは、命をいただくということ。すべての命に感謝しながら食事をする気持ちを忘れないでいたいですね。
「ごちそうさま」の本当の意味
ごちそうさまの語源は、ご馳走さま。おいしいものをお届けするために、馬を走らせて食材を集めてきたことへ対する感謝を表す言葉なのだそうです。
食べるのはあっという間ですが、そこに至るまでは長い時間がかかっています。「私の元へきてくれて、ありがとう」。知らない誰かと、作ってくれたあなたへごちそうさまを伝えたい。そんなストーリーを感じさせてくれるあたたかい言葉なのです。
おわりに
わたしたちが普段なんとなく過ごしている暮らしの中には、先人たちの知恵が息づいています。あたりまえの毎日は、実は美しい祈りに満ちている...そんな日本の礼儀作法をちょっぴり意識してみるだけで、何気ない日々が、彩りに溢れたキラキラした日常へと変わっていくような気がしませんか。
普段なにげなく使っている言葉の中には、先人たちの知恵と祈りが詰まっています。日常の中で少し、意識を言葉のほうに向けてみると、いつもの毎日がキラキラと輝いて見えてくるかもしれませんよ。