二極化思考からジャッジしない考え方へ
何事も「良い」「悪い」とジャッジし続けると、心は疲弊するばかりです。常に気が張って安心できなかったり、いつも緊張して安定した自分でいられなかったり……。競争社会や格差社会が当たり前の現代では、二極化思考に陥りやすくなるのも致し方ありません。そんな時代だからこそ、あなたの心を軽くするために必要なのが、「良い」「悪い」をジャッジしないという穏やかな考え方なのです。
自分自身に対するジャッジ
何でも「良い」「悪い」で判断すると、少しの価値観のズレも許されず、毎日がストレスフルになってしまいます。自分自身に対しても、「良い」「悪い」の二択しかないと、常に「良い自分」であり続けようとするため、息苦しくなってしまうのです。
他人や環境に対するジャッジ
他人や環境に対しても同様です。「良い」と判断すると全幅の信頼を寄せますが、少しでも理想と違うところがあると、「裏切られた」「信頼できない」などと敵意を持つことになってしまいます。
ジャッジしないという考え方へ
何事も「100%良い」「100%悪い」ということはないのです。良いところもあれば、悪いところもあるのが人間であり、わたしたちをとりまく環境も「100%良い」「100%悪い」ということはありません。
「良い」「悪い」とジャッジし続けるのをやめれば、切迫感から解放されて、穏やかな心でいられるようになります。
人と比べない、ジャッジしない考え方
自分自身に対して「良い」「悪い」をジャッジしていると、劣等感にさいなまれたり、自分には価値がないと思い込んでしまったりすることに。どんな自分であっても、自然のまま、ありのまま存在するだけでいいのです。人と比べては「自分はダメだ」「あの人よりマシ」などといちいちジャッジせず、あなたの心をラクにする考え方をしてみませんか。
自分は劣っている → 評価とは不確かなもの
誰かと比べて、自分は劣っていると思ってしまったとき。あるいは、まわりの人の出来のよさに比べ、自分は何もできていないと思ったとき。そういった“評価”は、相対的なものだと気づくことです。
比べる相手やその時々の状況によって、いかようにも変わるのが“評価”であり、不確かなものでしかないからです。
努力が報われない → 努力そのものが尊い
目標をもって努力しているけれど、全然報われない。人よりも頑張っているのに、結果が伴わない。そんな風にふてくされていませんか。
世の中は、いつも正しい因果関係が成り立つわけではありません。努力が必ず結果をもたらすとも限らないのです。懸命に努力していること、力を尽くしていること自体が、尊いものであると気付いてくださいね。
自分には価値がない → 目立つことが全てではない
自分の価値って何だろう。社会に身を置いていれば、誰しも一度は疑問に思うことかもしれません。自分なんて、誰の何の役にも立っていない、社会に貢献なんてできていない。そんな風に自分を貶めそうになったとき、“分かりやすい役立ち方”だけが全てではないと考えてみましょう。
地味で目立たなくとも、なくてはならない存在というものは、この世にたくさんあるものです。
みじめな気持ちになる → 今の自分で十分満たされている
成功した人、裕福な人、幸せな人に比べて、自分はなんてみじめなんだろう。長い人生において、そう感じてしまうことも時にはあるかもしれません。ただ、人生とは現実そのものではなく、“自分の感じ方”によって決まるものです。
「自分は不幸でみじめだ」という前提で世界を見ると、本当にそのような情報しかキャッチできなくなってしまいます。「今の自分で十分に満たされている」と分かることが、必要以上に傷つかないコツです。
思い込みから自由になる、ジャッジしない考え方
他人や環境に対しても、物事の一部分だけを切り取って「良い」「悪い」とジャッジしないことです。思い込みや決めつけで、被害者意識をもったり、怒りや苛立ちを抱いたりするのは、自分自身が辛くなるだけで誰の得にもなりません。「良い」「悪い」をジャッジしない、ありのままを受け入れる考え方に変えていけば、今よりずっとラクに生きられるはずです。
自分ばかり損をしている → 自分が好きな自分でいる
人知れず真面目に努力しているのに、自分はいつも日陰の存在で損をしている。一方、ズル賢い人は世渡り上手で、得をしている。「自分は正しくて、ズルい人は間違っている」とジャッジしたくなるかもしれません。
そんな“思い込み”に縛られるよりも、地道にコツコツと努力する「自分が好きな自分」でいる。そのことに誇りをもつほうが、よほど清々しい気持ちでいられると思いませんか。
見返りがなくむなしい → 愛のある行動ができた
相手に良くしてあげたのに、何も見返りがなくむなしい。やってあげることが当たり前になって、何も感謝されない。仕事に家事に奔走する方なら、一度や二度そう思うこともあるでしょう。
相手から何も返ってこなくても、「自分が何かをしてあげた」という事実は変わりません。愛のある行動ができた自分に、胸を張っていればいいのです。
他人や環境に怒りを抱く → 心を大きく
生きていれば不公平なことに苛立ったり、ひどい扱いを受けて怒りを抱いたりすることもあるものです。「許せない」「仕返しをしてやる」などと恨みつらみを抱えていると、それが新たなストレスとなり、あなた自身をさらに傷つけてしまいます。そんなときは、自分の心の平穏のために、「心を大きくする」「器の違いを見せる」ことを心がけてみましょう。
ジャッジしない考え方で心を軽くしよう*
物事に対して「良い」「悪い」をジャッジする二極化思考から抜け出す、ジャッジしない考え方のヒントをご紹介しました。今すぐ100%変化させる必要はありません。「嫌だな」「気に入らないな」と思うことがあれば、少し立ち止まってみて、「ジャッジしない」という選択肢があるということを思い出してみてくださいね。
自分自身や他人、環境に対して、何事も「良い」「悪い」で判断する「二極化思考」で苦しんでいませんか? 0か100思考、白黒思考ともよばれ、価値観の振れ幅が大きく、毎日がストレスフルなものになりがちです。そんな二極化思考で窮屈になった心をふっと軽くする、「良い」「悪い」をジャッジしない考え方のヒントをご紹介します。