「禅」とは本来の自分に立ち返るための修行
「禅」は信仰ではなく修行、とよく言われます。特定の神様をあがめるのではなく、生まれながらにして持つ「本来の自分」に立ち返ることを目指すのです。
- 寝るとき何着てる?心地よい睡眠へと誘うパジャマの話キナリノ編集部
禅から学ぶ、こんなことはもうやめよう!
過去に執着する
「あの時こうしておけば...」と思ったこと、きっと誰にだって一度はありますよね。後悔すればするほど、悩みは深くなるばかりです。
そんなとき、とりあえず“目の前のことに集中する”と、雑念が取り払われて余計な不安や悩みが去っていきます。精神的に余裕が生まれ、心が整うので、結果的に毎日により満足感を感じることができるようになります。
他人と比較する、他人を妬む
どんなに望んでも、他人にはなれません。自分と他者を比較すればするほど、執着心や嫉妬心も芽生えがち。執着心はどんどん膨れ上がり、人を苦しめます。
今の状況を受け止め、日々できることに目を向けましょう。将来「こうなりたい!」という目標があるのであれば、達成するためにまず「何をしたらよいか?」と行動に移す準備を始めましょう。他人を羨ましがっている暇なんてありませんね。
褒められたいと願う
人に褒めてもらうと、すごく嬉しいですよね。ですが、褒められ続ける人生っていうのも、人の要望を叶えるためだけに自分が存在しているようで、ちょっとむなしく感じませんか?自分の責任で人生という道を歩んでいきたいなら... 人の価値観ではなく、自分の価値観でやりたいことを「やってよかった」と思えるまでやり続けてみましょう。
禅から学ぶ、毎日の心得
30分早起きして掃除する
いつもより30分早く起きて、お部屋の掃除をしましょう。窓を開けて朝一番の新鮮な空気を入れてお掃除するだけで、すがすがしい気持ちになりますよ♪余裕のある朝は順調な1日のスタートです。
不要なものは手放す
徹底的にムダを省くのが禅の思想。普段使わないものはこの際処分してしまいましょう。余分なものを手放すことで、空間も心もすっきりします。本当に必要なものを明確にして、シンプルに暮らしてみませんか。
必要のない情報には触れない
現代人は、膨大な情報に囲まれています。過剰な情報量は、人を迷わせ決断できない状態に追い込みます。情報は必要なものだけに減らすことが、心穏やかであり続けるためには大切です。
心に留めておきたい禅語
曇りのない心.......「喜捨(きしゃ)」
私達は生まれつき一点の曇りもない、美しい鏡のような心を持っていますが、何かへの執着心が心を曇らせていきます。
大切だと思うものも喜んで捨てる。ひとつ捨てれば、執着からひとつ離れることができます。余計なものを捨てることで、大事なものが際立って見えてくることもあります。
共に手を取り合う......「把手共行(はしゅきょうこう)」
社会に生きる私たちは、常に競争にさらされています。たとえライバルのように競い合う関係だとしても、ともに高みにある目標を目指して切磋琢磨する。そして手を取り合えるよき仲間となることの大切さを説いています。
素直で自然な心......「随所快活(ずいしょかいかつ)」
生まれも育ちも異なる環境で育った人同士が出会えば、摩擦や誤解が生まれて当然。そんなとき等身大以上の自分に見せようとする虚栄心を捨てると、心が軽くなり、人間関係もスムーズに運ぶようになるはず。いつだって自然体で素直な自分でいましょう。
今にありがとう......「知足(ちそく)」
禅は、万物に感謝することの大切さを教えてくれます。今満ち足りていることを知り、感謝すること。
向上心は悪いことではありませんが、欲望にはキリがありません。キリがない欲望は次第に執着となり、逆に自分を苦しめていきます。今あるもの、ちょっと手を伸ばせば届くものに『ありがとう。満たされているよ』と思えた時に心に安らぎが訪れます。
高みに引き上げる風......「歩歩是道場(ほほこれどうじょう)」「歩々起清風(ほほせいふうをおこす)」
人生は修行そのものであり、我々の周囲はすべてが学びの場。心がけ次第で、どんな場所や状況下でも自分を成長させる道場になるのです。これとよく似たものに「歩々起清風(ほほせいふうをおこす)」という禅語もあります。今目の前にあることに無心になって取り組んでいると、あるとき心地いい風があなたの頬を優しくなでてくれるのです。
誰しも美しい......「明明百草頭(めいめいたりひゃくそうとう)」
人それぞれ美しさがあり、与えられた役割があり、きらきらと輝いています。この世に必要のない人なんて1人もいないのです。
自分自身を見つめ直す......「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」
お寺の玄関でも見かける「脚下照顧」という言葉には、単に「足元をよく見なさい」という意味だけではなく、「自分自身を振り返って反省しなさい」という意味も込められています。まずは自分自身を見つめ直すところから、という事を日々心がけたいですね。
「禅」で毎日を心豊かに
いかがでしたでしょうか。
「禅」には毎日を心豊かに暮らすコツが詰まっています。もっと禅の世界を詳しく知りたいという方は、宿坊体験や座禅会に参加してみるのも良いかもしれません。
いつだって自分自身を見失わず、すでに自分は満ち足りている存在ということを気づかせてくれる禅。是非日々の生活の中に活かしてみてくださいね♪
インド生まれの「禅」は、中国から日本に伝わり、そして全世界へと広がっていきました。そもそも禅とは、大乗仏教の一派「禅宗」、“心を統一して真理を追究すること”を意味するサンスクリット語を音訳した「禅那」、もしくは「座禅」の略とされています。