本当に正しい姿勢、知っていますか?
背骨がS字になっているのは、体重の約10%とも言われる重い頭をしっかりと、そして体に負担なく支えるため。背骨がS字になることでクッションの役割を果たし、歩いたときの刺激が脳にダイレクトに届かなくなるのです。
そのため、背筋をぴんと伸ばすだけだとこのS字カーブが崩れるだけでなく、腰が反った状態になる恐れもあるんですよ。
まずはここから*正しい立ち方の基本
信号やエレベーター待ちをしているとき、あなたはどのような姿勢で立っているでしょうか?
鏡やショーウィンドーの前でなければ、なかなか自分の立ち姿を見ることはできませんが、多くの人がスマホを覗いて猫背になっていたり、片足を軸に立って姿勢がゆがんでいたりしがち。その中で、正しい姿勢で美しくたっている女性は思わず目を引くものです。
正しい立つ姿勢をマスターするためには、壁を使うのがとても便利◎
壁があれば、家でも出先でもちょっとした時間があればこっそりできるので、気づいたときにやってみてくださいね。
姿勢は、日ごろの体勢の癖や筋肉の付き方で段々と歪んでしまいます。そのため、正しい姿勢に慣れないうちはすこし大変かもしれませんが、まずは朝と夕方の1日2回、壁に背中を当てて正しい姿勢を身に着ける習慣をつけましょう◎。
はじめはすぐ姿勢が崩れてしまうでしょうけれども、週間にすることでだんだんと正しい姿勢が身につきますよ。もしかしたらそのうち、壁を見るたびに背中を合わせなくても姿勢が正されるようになるかも…?
歩くときの姿勢も抜かりなく。きれいに歩くコツとは
続いては、正しい歩き方についてご紹介します。歩くことは、距離の長短に関わらずほとんどの人が毎日必ず行うものなので、特に歩くたびに姿勢を意識する人は少ないでしょう。しかし、足を引きずるように歩いたり、背中を丸めて歩いたりする人は結構たくさんいるんですよ。
まずは歩き方を学ぶ前に、普段よく履いて歩く靴の裏をチェックしてみましょう。正しい姿勢で歩けば、靴裏ソールは両足のかかとやつま先(特に親指の付け根)などが、偏りなく同じようにすり減ります。
しかし、重心が外側にずれた歩き方であればかかとの外側ばかり減りますし、左右どちらかの足に重心がかかっていれば、左右ですり減り方が異なります。歩き方の癖を知ると意識して歩き方を変えることができるので、しっかり把握しておきましょう。
まずは、間違った歩き方の一例を紹介します。
①背中が前かがみになっている。
②足を引きずるように歩いている。
③胸を張りすぎて、腰が反っている。
④膝を曲げて歩いている。
上記のような誤った歩き方は、体に負担をかけてしまいます。膝や腰を痛めてしまう恐れもあるので、心当たりのある人は意識して次に挙げる正しい歩き方を把握しておきましょう。
正しく歩くときのポイントは次の通りです。
①髪の毛が上に引っ張られているようなイメージで立つ。
②顎を軽く引き、目線をまっすぐ向けて少し遠くを見る。
③かかとから地面に着地してつま先(親指の付け根)に重心を移動し、最後に地面をけり上げる。
④自分の肩幅より少し広めの歩幅を意識する。女性であれば、大体60cm程度。
⑤腕は肩甲骨を後ろに引くようなイメージで振る。
正しい歩き方を身に付ければ、同じ距離を歩いても脂肪燃焼効果が高まる効果があります。またダイエットだけでなく、基礎代謝アップによる美肌効果をはじめ、ヒップアップや血流改善による肩こり・冷え性などの解消、ストレス解消などさまざまな効果が現れます。
見た目に美しいだけでなく、体の健康にこれほど効果があるのであれば、トライしてみないと損ですね!
座ったときの姿勢は意外と見られてる。
最後は、正しい座り方についてです。
デスクワークの仕事が多い現代人にとって、特に気を付けたいのが座っているときの姿勢。みんながだらっと座っている中で正しい姿勢をしていると、凛々しさがひときわアップすること間違いなしです*
まずは、自分が普段どのような姿勢で座っているか、気づいたときにチェックすることから始めましょう。多くの人が陥りがちなのが、「背中座り」。背中座りとは、座面に浅く腰掛け、猫背の状態で背中が椅子の背もたれについている座り方。一見楽な座り方をしているように見えますが、実は腰や背中に大きな負担をかけているのです。
正しくきれいな座り方のコツは、「骨盤を立てて座る」ということ。骨盤を立てる感覚を掴むにはちょっと難しいかもしれませんが、次のポイントを意識すると骨盤を立ててきれいに座ることができますよ◎
まずは、椅子に深く座ります。座ったら、①おなかを背骨の方にへこませる②骨盤を垂直にする③坐骨を意識してお尻に体重をかけて座る④顎を引いて首をのばす―の4つを意識してみましょう。
慣れるまでは疲れてしまうかもしれませんが、短時間でも継続してみてくださいね。
また、正しい姿勢を保つためには、自分の体に合った椅子を選ぶことも大切。最適な椅子の第一条件は、深く座ってもかかとが浮かない程度の高さであること。高さ調節ができるタイプであればベストですが、調節できなければクッションを敷き、膝の角度が90度になるよう調節してみましょう。
どんな場面も、きれいな自分でいよう。
きれいな姿勢でいると上品に見えるので、外見だけでなくその人の内面も輝いて見えます。美しいスタイルやおしゃれは、一日ではなかなかゲットすることは難しいですが、美しい姿勢はあなたが気を付けた瞬間できるもの。今回の記事で、普段よくしている楽な姿勢が体に大きな負担をかけていることも理解してもらえたと思うので、今この瞬間から正しい姿勢を意識してみてくださいね。
「正しい姿勢で立ってください」、もしくは「正しい姿勢で座ってください」と言われたら、多くの人が背筋をぴんと伸ばして終わるでしょう。でも、ちょっと待って。実は、背筋をぴんとするだけでは「本当に正しい姿勢」とは言えないのです。