体、鍛えてますか?
トレーニングなしでは衰えるばかり!
とはいえ、何もしないままでは筋肉は衰える一方です。30代以降は1年で1%衰えると言われているそうで、そのままいけば、やがて立ち上がったり、歩いたりといった、当たり前のようにできている日常の行動すらできなくなってしまいます。また、筋肉が衰えることで疲れやすくなり、動く気力もなくなっていくことに……。
体を鍛えることで、気持ちも前向きに
筋肉を鍛えることで、基礎代謝がアップするので、中年太りを避けることができます。また、筋トレをはじめ運動をすることが、「幸福感」につながる脳内ホルモン・セロトニンの分泌を促すとも言われているんです。
いつまでもハッピーに過ごすために
何歳になっても、自分の行きたいところに行き、やりたいことをやるためには、体を動かすための筋肉が必要ということに。筋トレはムキムキになりたい人がすることではなく、幸せに長生きするため、「すべての人に必要」ということなんです。では、特にどのような部位を鍛えることを心がければいいのでしょうか?
上半身と下半身をつなぐ【腸腰筋】
腰のあたりから股関節を通り、上半身と下半身をつないでいるのが「腸腰筋」です。いわゆるインナーマッスルと言われる外からは見えづらい筋肉です。大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つに分かれていて、脚を持ち上げて前に出す動きは、腸腰筋によるもの。また、猫背にならないようよい姿勢をキープする働きもあります。ここが衰えると、脚が前に出ない。つまり歩行が困難になります。
座りっぱなしが続くと、固くなる!
デスクワークなどで座った状態が続いたり、立ちっぱなしが続いたりすると、腸腰筋の中の大腰筋が固まってしまいます。その結果、腰痛が起きることも。インナーマッスルである腸腰筋はマッサージなど外からの刺激でほぐすことが難しく、固まった筋肉をゆるめるにはストレッチが効果的だと言われています。
できるだけ階段を使って股関節を動かす
腸腰筋を鍛える簡単な方法は、できるだけ階段を使うようにすること。階段を昇るときの股関節を曲げる動きが、腸腰筋を動かすことになります。無理のない程度で階段を1段ぬかしで上がるようにすると、さらにしっかり腸腰筋を動かせます。自宅にいるときには、テレビを観ながらもも上げをするのもいいでしょう。ひざを高く上げるのを忘れずに!
太ももの内側の筋肉【内転筋】
両ひざをしっかりくっつけようとするときにぐっと力が入る内ももの筋肉。それが「内転筋」です。内転筋が弱ってくると、イスに座ったとき、気がつくと脚と脚の間が離れてしまうだらしない状態に……。内転筋も歩いたり走ったりするときに体を支える大切な筋肉。そして、女性にとっては内転筋を鍛えることですっきり引き締まった脚になるといううれしい効果も。
イスに座ったときは両脚をしっかり閉じるように
イスに座った時に両脚をしっかり閉じるのを意識すること。それこそが内転筋のトレーニングにつながります。デスクワークが長引くと、次第に姿勢が崩れて脚もだらっと広がったり、脚を組んだりしがちですが、時々姿勢を正して、太ももの間に何かをはさんでいる気持ちで、両脚をきゅっとくっつけましょう。
太ももの前側の筋肉【大腿四頭筋】
太ももの前側にあるのが「大腿四頭筋」。ここは体の中で最も面積の大きい筋肉です。つまり、筋トレをしたときに効果が出やすい場所ということに。大腿四頭筋が弱ってくると、ひざが安定しなくなってしまいます。ひざに負担がかかり、ひざ痛が起きることにも。
イスに座りながら、ひざを曲げ伸ばし
イスに座っているときに、片方のひざを伸ばして、脚がまっすぐになる状態に。そのまま10秒キープして下ろします。これを両脚交互にやってみましょう。猫背にならないよう、姿勢を正すことを忘れず! ほかには定番ですがスクワットも大腿四頭筋に効く動きです。面積が大きい筋肉だけに、鍛えることで基礎代謝も上がりますよ。
背中を美しく見せる【広背筋】
年齢とともに、後ろ姿の印象が変わってくることありますよね? 背筋がビシッと伸び、すっきりしていると立ち姿も美しく、若々しく見えるものです。そんな後ろ姿に欠かせないのが「広背筋」です。ここを鍛えれば、脂肪でだるっとした印象の背中とはサヨナラできます。
バランスボールをイスがわりに
日常の中で広背筋を鍛えるには? それはバランスボールをイス代わりに座ることです。背中から力が抜け、姿勢が崩れてしまうと、バランスボールに座った状態をキープするのは難しいもの。バランスボールに座ることで自然と美しい姿勢が作られ、広背筋だけでなく腹筋やインナーマッスルを鍛えるのに役立ちます。
内臓を支える筋肉です【骨盤底筋】
文字通り骨盤の底部分にあるのが「骨盤底筋」。女性にとって気にするべき筋肉ということで、最近耳にすることが増えました。膀胱や子宮、小腸など骨盤まわりの内臓を支える筋肉であり、排泄のコントロールをする役割もあります。骨盤底筋が衰えると排尿トラブルが起こる原因に。またウエストのくびれやヒップの形が崩れてしまうことにもなります。
女性にとってはぜひ鍛えておきたい筋肉
骨盤底筋が固まって動きにくくなると、骨盤周りの血流が悪くなることに。それが生理トラブルを引き起こすこともあるようです。逆に骨盤底筋の動きがよくなると、深い呼吸ができるようになり、その結果、便秘解消やストレス解消、肌トラブルの解消にも役立つとか。女性が抱えがちなさまざまな悩みにかかわる筋肉なのです。
立っているときも座っているときも「締める・緩める」を意識
骨盤底筋は、ただ鍛えるのではなく、締めることも緩めることもできるよう動きをよくすることが大切。そのためには、日ごろから「締める」「緩める」を意識することです。信号待ちをしているときや、電車の中で立っているときにも、イスに座っているときにも、おしりの穴や尿道をぎゅっと締める動きと、緩める動きを繰り返すように心がけてみましょう。
さあ、今日からトレーニングを始めてみましょう
筋トレは、わざわざ時間をとらなくても、日常の中でできるものあること、知っていただけましたか? 通勤中に、家事をしながら、家でのくつろぎタイムに、筋トレをクセにすれば、きっとあなたの日常が変わっていきます。
「運動してますか?」「体を鍛えていますか?」と聞かれると、ドキッとする人も多いのではないでしょうか。日々、仕事や家事などに追われていると、かなり覚悟を持って取り組まないと、運動するための時間を確保するのは難しいものです。