世界有数のワイン王国『フランス』
フランスワインの特徴とは
また古くから、ワインの品質を保持するためにワイン法が設けられ、品質の基準となる“格付け”が定められてきました。今では他の国も格付けを行っているところがありますが、それはフランスの制度を真似たもの。格付け方法は、各生産地ごとに決まりがあるのも特徴です。
フランス2大産地を知る
ボルドー
ボルドーでは、広大な敷地にブドウ畑と醸造所を備えているワイナリーを“シャトー”と呼びます。“5大シャトー”と呼ばれる最高級ワインを造るシャトーを有する2つの地区を押さえておきましょう。
メドック地区
グラーヴ地区
ブルゴーニュ
ブルゴーニュではブドウ畑を重視しており、格の高い畑は分割され、それぞれに所用者が。同じ畑で造られたブドウであっても、生産者によって違うワインができるため、格付け上位のワインラベルには生産者の名前が印字されているものもありますよ。
中でも、所有している畑で栽培から醸造まですべての工程を行う生産者を“ドメーヌ”といいます。有名なドメーヌには、ボトル1本100万円はするといわれている「ロマネ・コンティ」の名も。
その他の産地と特徴
アルザス
ロワール
シャンパーニュ
プロヴァンス
ランドック・ルーション
コート・デュ・ローヌ
フランスワインの『格付け』を知る
A.O.C.(原産地統制名称)
品質は現在3つに分類することができます。
①産地が表記されていて、その上位カテゴリーに君臨する「A.O.C.(2009年以降はA.O.P.)」
②産地が表記されていて、地元の地酒といった感覚の「I.G.P.」
③産地が表記されておらず、日常用に飲まれる「テーブルワイン(Vin)」
通常①はACワインと呼ばれることが多く、ラベル表記は、「Appellation 産地(地域)名 Controlee」となります。その中でも、地域の範囲が狭ければ狭いほど規定が厳しくなり、格が上がります(※)。
ボルドーは「シャトー」の格付け
メドック地区では61のシャトーが、1級から5級までランク付けされており、その中の5大シャトーのみ1級の称号が与えられています。2級以下の格付けであっても、実際の等級より高い評価を得ているワインもあり、これを「スーパーセカンド」と呼びます。
ブルゴーニュは「畑」の格付け
●グランクリュ(特級畑)・・・最高級ランクのワインを生産
●プルミエクリュ(1級畑)・・・全体の10%ほどの高級ワインを生産
●村名・・・4つの中では生産量が多めで良質なワインを生産
●地方名・・・軽めの庶民的なワインを生産
ランクが低いからといっても質が低いというわけでなく、ワイン初心者の人にとっては重厚な味わいの高価なワインより飲みやすいといえるでしょう。
さぁ、フランスワインを飲んでみよう!
ボルドー
メドック レゼルブ スペシアル
エコー・ド・ランシュ・バージュ
人気シャトー「ランシュ・バージュ」のセカンドラベルです。セカンドといってもシャトーを代表するファーストラベルと引けを取らないほどの強靭で芳醇な味わい。しかもファーストの20~30%ほどしか生産されないという希少性の高い一本です。
プピーユ
ボルドー右岸にあるマイナーなアペラシオンから突如として現れ、品評会でも話題になった「プピーユ」。有名なワイン漫画に取り上げられたのを機に日本でも人気となり、リピーターも多数いるほど。有機栽培されたオーガニック認証を受けていることもこのワインの特長です。果実味と酸味のバランスが絶妙の味わい!
ブルゴーニュ
シャブリ プルミエ・クリュ コート・ド・レシェ
1級畑(プルミエ・クリュ)のシャブリです。造り手のダニエル・ダンプは家族経営の有名な“ドメーヌ”。シャブリならではの力強い酸とミネラルによるしっかりしたボディが特長。それでいて豊富な果実味が堪能できる秀作です。白ワインが好きならぜひとも飲んでほしい1本。
マコン ヴィラージュグランジュ マニアン
マコン地域の白ワインの特長でもある、淡い金色がひときわ美しいこちらのワイン。フレッシュで飲みやすく、フルーティーさがあります。焼き魚や鶏肉のさっぱりした料理に1級畑(プルミエ・クリュ)のシャブリです。造り手のダニエル・ダンプは家族経営の有名な“ドメーヌ”。シャブリならではの力強い酸とミネラルによるしっかりしたボディが特長。それでいて豊富な果実味が堪能できる秀作です。白ワインが好きならぜひとも飲んでほしい1本。良く合い、日本人に好まれるタイプ。
クロズリー デ アルズィエブルゴーニュ ピノ ノワール
濃いガーネットカラーが印象的なピノ・ノワール。酸味がしっかりしていてきめ細かいタンニンが感じられます。辛口でキレもよく、日常の食事にも合わせやすいデイリーワインです。フルーツやチーズとも好相性。
その他おすすめ地域のワイン
テュルクハイム アルザス リースリング(アルザス地方)
キリっとした辛口リースリング100%のアルザス地方らしい白ワインです。蜜リンゴの香りと豊かな果実味を感じるボディは、日常の和食にも、淡白なチーズにもぴったりです。
シャトー デスクラン ロック エンジェル(プロヴァンス地方)
ロックエンジェルとは、石(Rock)を含んだ土壌によるミネラル分が得られることからついた名前。淡い色合いでミネラルを感じる香りが特長のロゼ。繊細かつ複雑さが感じられる味わいで、バーニャカウダやクリームコロッケに良く合います。
プイィ・フュメ(ロワール地方)
ロワール地方の中でも、白ワイン造りに適した特別な土壌のプイィ・フュメの畑で栽培されたソーヴィニヨン・ブランを使用しています。見た目は繊細な薄黄色をしていますが、その味わいは芯のある強い香りで白ワイン通に好まれます。
コート・デュ・ローヌ ルージュ シュヴァリエ ダンテルム(コート・デュ・ローヌ地方)
コート・デュ・ローヌの、温暖で豊かな土壌で育ったグルナッシュ、シラーなどを用いて造られた赤。香り豊かでコクのある味わいは、肉料理にぴったり。農薬や化学肥料は使わない自然派栽培で造られているのも安心ですね。
フランスワインのエチケット(ラベル)の読み方
エチケットに書かれているものは主に以下の9つ。フランスワインの場合、その地域で制定されたワインを名乗るためには、ある種のブドウを何%使わなければならないという決まりがあるため、ブドウ品種は書いていないこともあります。
①原産地
②ワイン名
③ヴィンテージ
④格付け
⑤瓶詰元
⑥アルコール度数
⑦原産国
⑧容量
⑨ブドウ品種
メドック格付け1級の「シャトー ラフィット」を擁するロスチャイルド家が醸したACワイン。カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー種を用いて、12~15か月熟成させることで複雑で重厚な味わいになります。脂身のあるステーキなどと一緒に味わうと、ワインの渋みが脂っこさを調和してくれますよ。