自宅で南仏のパンを焼いてみませんか
葉っぱの形をした、南仏プロヴァンス地方発祥のパン「フーガス」。その起源は古く、古代ローマ時代とも言われています。生地を平たく伸ばし、焼き色がつくまで一気に焼くため、表面はサクッとしていてクラムはもっちり。噛めば噛むほど滋味があふれる、素朴な味わいのパンです。
発酵時間と焼き時間が短いうえに「美味しい」
通常のパンより発酵時間と焼き時間が短いので、せっかちさんにも自宅で作るパンとしてオススメ。今回は、自宅で気軽に焼けるようにアレンジしたレシピを、人気ブーランジェリー「BOUL'ANGE」(ブール アンジュ)さんに教えて戴きました。
まずは、プレーンタイプの作り方と、プレーンのフーガスとの相性がいいハーブオイルとハーブバターのレシピからご紹介します。
まずは、プレーンタイプの作り方と、プレーンのフーガスとの相性がいいハーブオイルとハーブバターのレシピからご紹介します。
フーガス(プレーン)
見た目以上に弾力があって、噛むほどに程よい塩気と小麦の旨みが口の中に広がる素朴なパンです。形がかわいいだけでなく、通常のパンより短時間で作れるところも嬉しいポイント。午前中に作りはじめれば、ランチには焼きたてを食べられますよ。
【材料】(6枚分)
中力粉 … 300g
塩(できればゲラント塩) … 6g(小さじ1)
砂糖 … ひとつまみ
インスタント・ドライイースト … 3g(小さじ1)
オリーブオイル … 30g(大さじ2.5)
水 … 165~180cc
※砂糖は、生地の発酵を促進するために使用します。
中力粉 … 300g
塩(できればゲラント塩) … 6g(小さじ1)
砂糖 … ひとつまみ
インスタント・ドライイースト … 3g(小さじ1)
オリーブオイル … 30g(大さじ2.5)
水 … 165~180cc
※砂糖は、生地の発酵を促進するために使用します。
【作り方】
① ボウルに全ての材料を入れ、カードで混ぜ合わせる。
② 粉気がなくなったら生地をひとまとめにして台へ移し、手の平で台にこすりつけながら捏ねる。
③ 生地に弾力が出始めたら、ひとまとめにして台に叩きつける。
④ 表面を張らせるように丸めてボウルに戻す。ラップをかけて暖かい場所に置き、発酵させる(約50分)。
⑤ 生地が2倍の大きさに膨らんだら取り出して80gに分割する。それぞれ表面を張らせるようにしてまとめ、ラップをかけて休ませる(約15分)。
⑥ 休ませた生地を麺棒で5~6mmほどの厚さの葉の形に伸ばし、カードで葉脈のような切れ目を入れる。
⑦ 切れ目を開きながら天板にのせてラップをかけ、暖かい場所に置いて生地が少し膨らむまで二次発酵させる(約30分)。
⑧ 約230度に温めたオーブンで全体に焼き色がつくまで焼く(約12分)。
ハーブオイル
フーガスを焼くときは、ぜひこのオイルに浸して食べてほしい! と熱弁をふるいたくなるほど相性がいい組み合わせです。オリーブオイルにハーブやニンニクの香りと旨みが馴染み、まろやかな中に風味が広がります。
【材料】
オリーブオイル … 200ml
ニンニク … 5片
ローズマリー … 2枝
エルブドプロヴァンス/ドライ(お好みのドライハーブでも可) … 2つまみ
※プロヴァンス地方で採れるハーブを乾燥させたミックスハーブ。
エスペレット(チリペッパーでも可) … お好みで
※フランス南西部にあるバスク地方特産の唐辛子。辛さは控えめで香りがよいのが特徴。
●下準備
・ローズマリーをきれいに洗い、キッチンペーパー等で水気をしっかり切っておく。
※水分が残っていると腐りやすくなるので注意。
・保存用のビンを煮沸消毒し、乾燥させておく。
オリーブオイル … 200ml
ニンニク … 5片
ローズマリー … 2枝
エルブドプロヴァンス/ドライ(お好みのドライハーブでも可) … 2つまみ
※プロヴァンス地方で採れるハーブを乾燥させたミックスハーブ。
エスペレット(チリペッパーでも可) … お好みで
※フランス南西部にあるバスク地方特産の唐辛子。辛さは控えめで香りがよいのが特徴。
●下準備
・ローズマリーをきれいに洗い、キッチンペーパー等で水気をしっかり切っておく。
※水分が残っていると腐りやすくなるので注意。
・保存用のビンを煮沸消毒し、乾燥させておく。
【作り方】
① 皮をむいたニンニクとオリーブオイルを鍋に入れ、弱火で30分ほど熱してオイルに香りを移す。
(フツフツと小さな泡が出る程度の火加減で、ニンニクを焦がさないようにする)
② 鍋にローズマリーを加え、更に5分ほど熱して火を止める。エルブドプロヴァンスを加えて冷めるまで置いておく。
③ ②をビンに入れ、お好みでエスペレットを加える。
〈保存期間〉冷蔵庫で約1カ月
※冷蔵庫で冷やすと固まりますが、常温に戻せば液状になります。必要な分だけキレイなスプーンですくって使いましょう。
〈使い方のアレンジ〉
・パスタ料理
・タルティーヌの仕上げ など
(フツフツと小さな泡が出る程度の火加減で、ニンニクを焦がさないようにする)
② 鍋にローズマリーを加え、更に5分ほど熱して火を止める。エルブドプロヴァンスを加えて冷めるまで置いておく。
③ ②をビンに入れ、お好みでエスペレットを加える。
〈保存期間〉冷蔵庫で約1カ月
※冷蔵庫で冷やすと固まりますが、常温に戻せば液状になります。必要な分だけキレイなスプーンですくって使いましょう。
〈使い方のアレンジ〉
・パスタ料理
・タルティーヌの仕上げ など
ハーブバター
乳製品のコクがお好きな方には、こちらがおすすめ。バターの旨みが、素朴な味わいのフーガスとよく合います。フレッシュのハーブを使って作るので、オイルよりも更にハーブの香りが楽しめますよ。
【材料】
有塩バター … 大さじ4(50g)
セルフィーユ … 大さじ1/2(1g)
イタリアンパセリ … 大さじ1/2(1g)
シブレット … 大さじ1/2(1g)
エストラゴン … 小さじ1/2(0.3g)
※ハーブの分量は、刻んだ後の量です。
※ハーブの種類は、好みのものに変更しても可。
有塩バター … 大さじ4(50g)
セルフィーユ … 大さじ1/2(1g)
イタリアンパセリ … 大さじ1/2(1g)
シブレット … 大さじ1/2(1g)
エストラゴン … 小さじ1/2(0.3g)
※ハーブの分量は、刻んだ後の量です。
※ハーブの種類は、好みのものに変更しても可。
【作り方】
① バターをボウルに入れて室温に戻しておく。
② それぞれのハーブを茎ごとみじん切りにする。
③ ①に②を加え、ゴムベラなどで混ぜ合わせる。
④ 俵状に形をととのえる。
⑤ 冷蔵庫で30分ほど冷やす。
〈保存期間〉冷蔵庫で1週間以内 冷凍庫で1カ月以内
※小分けしてラップで包み、ファスナーつきの保存用バッグなどに入れて保存するのがオススメです。
〈使い方のアレンジ〉
・肉や魚料理の仕上げとしてのせる(ステーキやムニエルなど)
② それぞれのハーブを茎ごとみじん切りにする。
③ ①に②を加え、ゴムベラなどで混ぜ合わせる。
④ 俵状に形をととのえる。
⑤ 冷蔵庫で30分ほど冷やす。
〈保存期間〉冷蔵庫で1週間以内 冷凍庫で1カ月以内
※小分けしてラップで包み、ファスナーつきの保存用バッグなどに入れて保存するのがオススメです。
〈使い方のアレンジ〉
・肉や魚料理の仕上げとしてのせる(ステーキやムニエルなど)
さあ、焼きたてのフーガスのお味はいかが?
いつもより遅い時間に起きた休日にフーガスを焼いて、昼下がりに南仏風の食卓を楽しむ……お休みの日に、そんな過ごし方をするのも素敵ですよね。
葉脈のように入れた切れ目に沿って、ちぎりながら戴くフーガス。熱々だから、やけどしないように気をつけて。
葉脈のように入れた切れ目に沿って、ちぎりながら戴くフーガス。熱々だから、やけどしないように気をつけて。
噛んだ瞬間は「サクッ」とした食感。見た目以上に弾力があって、噛みしめるほどに滋味があふれます。そのままでも塩味が程よく効いていて美味しいのですが、ハーブバターをつけて戴いてみましょう。
焼きたてのパンにつけたバターがじわっと溶け出すと、ハーブの香りが食卓にふわっ……。素朴な味わいのパンにコクと旨みが加わって、いっそう豊かな風味になります。
焼きたてのパンにつけたバターがじわっと溶け出すと、ハーブの香りが食卓にふわっ……。素朴な味わいのパンにコクと旨みが加わって、いっそう豊かな風味になります。
フーガス(ベーコン・黒オリーブ)
次は、具材入りのフーガスの作り方と楽しみ方をご紹介しましょう。
今回取り上げるのは、南仏でフーガスの具材としてよく使われているベーコンと黒オリーブの2種類。地元では、自宅で楽しむアペリティフ(食前酒)のお供として食べられることが多いのだとか。具材を混ぜ込んだフーガスをつまみながら家族や友人とお酒を楽しんで、夕食の準備が整うのを待つのがプロヴァンス流です。
今回取り上げるのは、南仏でフーガスの具材としてよく使われているベーコンと黒オリーブの2種類。地元では、自宅で楽しむアペリティフ(食前酒)のお供として食べられることが多いのだとか。具材を混ぜ込んだフーガスをつまみながら家族や友人とお酒を楽しんで、夕食の準備が整うのを待つのがプロヴァンス流です。
【具材の分量】(各2枚分)
ベーコン … 30g
黒オリーブ … 30g
ベーコン … 30g
黒オリーブ … 30g
【作り方】
プレーンと同様ですので、前述の【作り方】を参照してください。
プレーンと異なるところは、生地を丸めて発酵させる前に、粗く刻んだ具材を混ぜ合わせること。きれいに仕上げるコツは、生地に切れ目を入れるとき具材の場所を避けてカードを入れることです。
また、焼き時間がプレーンと同じなので、一度に3種類のフーガスを焼くことも出来ます。6枚分の分量で粉を捏ねて3等分にし、そのうちの2つにそれぞれの具材を混ぜて焼いてみてください。
●ベーコン
脂の旨みとコクが加わります。生のまま刻んで生地に混ぜても大丈夫ですが、刻んだものをトースターで焦げ目がつくぐらいに焼くかフライパンで炒めてから混ぜ込んで焼いた方が、風味が増し傷みにくくなります。
●黒オリーブ
生地がシンプルなので、オリーブ独特のフルーティーな風味とジューシーさをダイレクトに感じます。自然とお酒がすすんでしまう味だからご注意を……♪ お好みでグリーンオリーブにしても美味しいですよ。
プレーンと同様ですので、前述の【作り方】を参照してください。
プレーンと異なるところは、生地を丸めて発酵させる前に、粗く刻んだ具材を混ぜ合わせること。きれいに仕上げるコツは、生地に切れ目を入れるとき具材の場所を避けてカードを入れることです。
また、焼き時間がプレーンと同じなので、一度に3種類のフーガスを焼くことも出来ます。6枚分の分量で粉を捏ねて3等分にし、そのうちの2つにそれぞれの具材を混ぜて焼いてみてください。
●ベーコン
脂の旨みとコクが加わります。生のまま刻んで生地に混ぜても大丈夫ですが、刻んだものをトースターで焦げ目がつくぐらいに焼くかフライパンで炒めてから混ぜ込んで焼いた方が、風味が増し傷みにくくなります。
●黒オリーブ
生地がシンプルなので、オリーブ独特のフルーティーな風味とジューシーさをダイレクトに感じます。自然とお酒がすすんでしまう味だからご注意を……♪ お好みでグリーンオリーブにしても美味しいですよ。
フーガスに合う お酒とおつまみ
●お酒 プロヴァンス産のロゼワイン
プロヴァンスは、フランス最大のロゼワインの産地として有名。その特徴でもある、辛口でフルーティーなミディアムボディのものがよく合います。
●おつまみ トマト、プロシュート、チーズ、オリーブなど
南仏でよく食べられている食材が好相性。特にトマトは、ロゼワインとの取り合わせも最高です。
プロヴァンスは、フランス最大のロゼワインの産地として有名。その特徴でもある、辛口でフルーティーなミディアムボディのものがよく合います。
●おつまみ トマト、プロシュート、チーズ、オリーブなど
南仏でよく食べられている食材が好相性。特にトマトは、ロゼワインとの取り合わせも最高です。
家族や友人とおしゃべりを楽しみながら……
ちょっとゆったり過ごせる夜は、家族や気の置けない仲間たちとフーガスをつまみながら、お酒を楽しんでみましょう。
日本でならアペリティフとしてだけでなく、お酒と一緒に楽しむ食事の一品として食卓に並べても喜ばれそう。お酒が苦手な人も、食事として十分に楽しめるパンですよ。
日本でならアペリティフとしてだけでなく、お酒と一緒に楽しむ食事の一品として食卓に並べても喜ばれそう。お酒が苦手な人も、食事として十分に楽しめるパンですよ。
今度の休日に、南仏のパンを焼いてみませんか
じっくり発酵させて、ふんわり焼き上げる一般的なパンとは違う美味しさを味わえるフーガス。楽しみ方も、ふだん食べているパンとはちょっと違って新鮮ですよね。
ゆっくり過ごせる休日に、ぜひフーガスを焼いて南仏の雰囲気いっぱいの食卓を楽しんでみてください。
ゆっくり過ごせる休日に、ぜひフーガスを焼いて南仏の雰囲気いっぱいの食卓を楽しんでみてください。
【モデルが着用した衣装】
ボーダートップス 15,120 円/トラディショナル ウェザーウエア(アナトリエ ミュゼ プリヴェ アトレ恵比寿店)
白ブラウス 24,840円・エプロン 19,440円/ともにnest Robe(ネストローブ 南青山店)
アナトリエ ミュゼ プリヴェ アトレ恵比寿店 03-5475-8313
ネストローブ 南青山店 03-6447-1563
ボーダートップス 15,120 円/トラディショナル ウェザーウエア(アナトリエ ミュゼ プリヴェ アトレ恵比寿店)
白ブラウス 24,840円・エプロン 19,440円/ともにnest Robe(ネストローブ 南青山店)
アナトリエ ミュゼ プリヴェ アトレ恵比寿店 03-5475-8313
ネストローブ 南青山店 03-6447-1563
撮影/きくちよしみ
スタイリスト/明石恵美子
ヘアメイク/高松由佳
モデル/森本奈緒(Gunn's)
※この記事の表示価格は、すべて税込みです。
スタイリスト/明石恵美子
ヘアメイク/高松由佳
モデル/森本奈緒(Gunn's)
※この記事の表示価格は、すべて税込みです。
協力/BOUL'ANGE