どんな飲み物と合わせよう…?《お茶×食べ物》の相性について
出典: 普段あまり料理をしないという方も、コーヒーや紅茶などなんらかの飲み物は、キッチンにあるのではないでしょうか。嗜好品という位置づけではありますが、お茶は暮らしに深く関わる物です。
組み合わせを考える時に知っておきたい「お茶の種類」
日本では、豆から淹れるコーヒーも含めて「お茶」という呼び方をする場合があります。これは休憩を指す意味合いがあり、飲み物がリフレッシュメントとして有効な物であるからとも言えます。
出典: 朝食だとジュースやスムージーが食事のお供という場合もありますが、やはり「お茶」を飲んでしっかりと目を覚ます方が多いのではないでしょうか?
「お茶」として楽しむ物は大別すると「紅茶」「コーヒー」「緑茶」「中国茶」などに分けられ、さらにそれぞれに種類があります。
同じ「紅茶」であったとしても、産地や製法で味や香りが全く違ってきます。お菓子や食事に合わせる時、おおまかな特徴を知っておくとより美味しく、好みのペアリングが可能になります。
出典: コーヒーは、茶葉ではなく豆ですが、日本で一番リフレッシュメントとしての用途で普及している「お茶」です。その秘密は味と香りの強さ。カフェインの量は紅茶や緑茶と大きく変わるわけではありませんが、茶葉で淹れる飲み物より刺激が強く感じられるため、気分転換や目を覚まさせたい時に愛飲される傾向があります。
紅茶は、世界で一番たくさん飲まれている「茶飲料」です。渋み成分の量は日本茶などとそれほど変わりませんが、茶葉を完全に発酵させているため、渋み成分であるタンニンが酸化しあまり渋みがありません。香り高いのも特徴です。
日本茶は、製法や茶葉の違いで味に多少の違いはありますが、発酵させていない「不発酵茶」のため、お茶の葉本来の味に近く、爽やかな渋みがあるのが特徴です。
中国茶は、日本茶と同じ不発酵の緑茶を始め、紅茶と緑茶の中間の半発酵茶や完全に発酵した紅茶を更に微生物を加えて追発酵させる後発酵茶など種類が多彩です。よく飲まれている「烏龍茶」は「青茶」と呼ばれる半発酵茶です。
コーヒーと食べ物を組み合わせる場合、産地や焙煎で合う物が変わってきます。先にも説明した通り、味が強いので食事に合わせるとしたら、酸味が強すぎず重すぎない“中煎り”の物がおすすめです。
出典: 逆に、ダークチョコレートやバターたっぷりの焼き菓子なら、インドネシア系の重厚なコーヒーにすると相性が更に良くなります。
【中南米産】~ブラジル、ジャマイカなど~
酸味がはっきりとして軽く飲みやすいので、食事をはじめ、ビスケットなどの味わいがシンプルなお菓子や和菓子と合わせても。
【アフリカ産】~キリマンジャロ(タンザニア)など~
酸味のバランスが良く香りも華やかなので、クリームや果物を使ったフレッシュなスイーツなどと合わせるのがおすすめ。
【インドネシア産】~ジャワコーヒーなど~
重厚なタイプなので、チョコレートや重めの焼き菓子などに合わせると好相性。
出典: 焙煎に関しても、深煎りになるほど味が重くなるので、食事中・食後・お菓子と一緒になど、どの程度の強い味わいが欲しいのかシーンに合わせて選んでみて下さい。
出典: 普段あまり紅茶を飲んでいない方が、「アッサム」「ダージリン」などの産地別の紅茶を飲み比べると、思った味と違う…と戸惑う事があるかもしれません。市販の標準ブレンドは、色々な産地の物を使って同じような味わいになるよう調節された物が多いです。
出典:www.flickr.com(@Ty Konzak) 味わいの特徴が強い紅茶は、ダージリンです。元々緑茶に近い清涼感のある味わいですが、それを強調するため発酵が浅めになってる物が多いのです。そのため、紅茶にしては色が薄く渋みが強いと感じるかもしれません。
出典: ダージリンとは逆に、濃いルビー色で甘みが強く濃厚なのがアッサムです。紅茶の中では味が強めなのでミルクやスパイスとミックスしてチャイにしても、味や香りがしっかり残ります。
セイロンティーの名前となってる物もあります。市販のブレンドティーのベースとなっている事も多く、あっさりしていて馴染みがある味わいの紅茶です。
出典: 紅茶は同じ産地でも茶園によって味わいが違う事もあります。例えば、アールグレイは紅茶にベルガモットで香りを付けた物ですが、ブランドで全く味が違います。好みの物があればどの茶園・メーカーの物か覚えておきましょう。
日本茶というと煎茶を選びがちですが、食事やお菓子の両方に合わせるのであれば、渋みの少ないほうじ茶や番茶の方がカバー範囲が広いのでおすすめです。
出典: 緑茶は、渋みがはっきりしているので食後のリフレッシュや気分転換には向きますが、料理によってはタンニンの渋みが味わいの邪魔になる事も。緑茶を食事と合わせたい場合は、濃厚な玉露などの高級茶よりも、葉が粗めの二番茶などを薄めに淹れた物の方がすっきりとしてよく合います。
緑茶と紅茶の中間である「青茶」の烏龍茶などは、油の強い料理全般に合うので、特に相性が良い物が多いといえるかもしれません。
出典: 中国茶は種類によって味わいがはっきりと違い、風味も強めな物が多いので、引き立て役というより食べ物と同格に味わう感覚で選んでみると良いでしょう。
出典: 「羊羹があるけれど、日本茶の気分ではない…」という時ダージリンを合わせたり、「チョコレートケーキだけど軽いからコーヒーもあまり重くない物にしよう」という風に、気分に合わせてお茶を選べると、食べたい気持ちによりフィットした味わいが楽しめます。
今回ご紹介した例はあくまでも一例です。人それぞれの好みで「美味しい組み合わせ」は変わってきます。いつもの定番がある方も、時にはちょっぴり味の探検を楽しんで、新たなお気に入りのペアを探してみて下さい。
普段あまり料理をしないという方も、コーヒーや紅茶などなんらかの飲み物は、キッチンにあるのではないでしょうか。嗜好品という位置づけではありますが、お茶は暮らしに深く関わる物です。