そんな憧れの空間に、あなたのお部屋を近づけてみませんか。今回は、実際の喫茶店をお手本とした、喫茶店風のお部屋づくりのコツをご紹介します。

スッキリと現代的でおしゃれな雰囲気の"カフェ"もいいけれど、クラシカルな喫茶店の温かな雰囲気は、また格別。ぜひ模様替えの参考にしてみてくださいね。

お部屋の天井・壁のクロスは、アイボリー（白系）という方がほとんどではないでしょうか。木製インテリアを取り入れるだけでも、だいぶ変わりますよ。茶色×白というシンプルな配色ですが、クラシカルな雰囲気を演出できます。

間接照明を取り入れるのがポイント。夜は、こんなに落ち着いた雰囲気に。心地よい音楽に浸りつつ、大人の時間を愉しみたいですね。

木製の椅子で喫茶店らしさを演出するには、新しいすっきりとしたデザインの椅子よりも、アンティークの年代を感じるものをおすすめします。

例えば、脚や背もたれに挽物細工が施された美しいレトロな椅子。現代ものではなかなかみつけるのが難しいですが、温かみがあり、一脚だけでも存在感がありますね。

こちらは、19世紀イギリスのウィンザーチェア。肘掛付きのボウバック（弓形背）、そして、肘掛けが付いている、英国の気品漂うアンティークものです。

あんまり馴染まないかも？と思った方は、こちらはいかがでしょう。

イギリスのアンティークで、ラダーバック(梯⼦の背もたれ)というスタイルの椅⼦です。個性が強すぎないけれどデザイン性があって、落ち着いた魅⼒を放ちます。

どんなインテリアにも馴染みやすいので、まずはこの⼀脚から、取り⼊れてみてもいいかもしれません。

こちらは布製の座面の、フランス製アンティークチェアです。

猫の脚のようなしなやかな曲線を描く、文字通りの「猫脚（ねこあし）」家具は、存在自体がとてもエレガント。

背もたれまで布張りの椅子にちょっと抵抗がある方は、このような椅子を選んでみるのもよいかもしれませんね。

⼀⼈のお部屋なら、こんなアンティークな雰囲気の椅⼦もよさそうです。

部屋のトーンが暗くなりすぎるのが気になる⽅は、上品なグレーがとてもおすすめの⾊。猫脚の柔らかなラインも素敵です。

重厚感を放ち、落ち着きを感じやすい革張りソファ。装飾的ではなく、シンプルで、かつ喫茶店のレトロな雰囲気を出したいならば、革張りソファがぴったり。

もう少し華のある個性的な空間を目指したい時には、思い切って壁紙を柄物に変えてみるというのも、とても魅力的な選択。壁紙を選ぶときには、エレガントでクラシックな柄が充実した輸入壁紙がおすすめです。

貼ってしまうと簡単には変えられない点と、他の家具とのバランスに注意が必要なので、少し上級者向けではありますが、こんなに品のある雰囲気を楽しめますよ。

部屋全体が柄に包まれると、華やかな印象になりすぎて落ち着いたイメージを作るのが難しい場合もあります。

そんな時は、部屋の一面またはワンコーナーにのみ、柄や色味のある壁紙を貼って、「アクセントウォール」を作ってみましょう。アーティスティックでとても良い雰囲気になります。

クラシカルな喫茶店風にしたい場合は、イギリスのテキスタイルデザイナー、ウィリアム・モリスの手掛けた柄がおすすめ。没後120年となる今も、モリスのテキスタイルデザインはとても人気です。

ボタニカルモチーフが多く、色味も落ち着いているので、リラックス空間にぴったり。疲れて帰宅したときも、身体と心を癒してくれるはず。

ちなみに、壁紙を貼り換えるのが難しいという方は・・このような、ファブリックパネルを取り入れてみてはいかがでしょう。

壁にかけるだけで、お部屋がぱっと華やかでエレガントになります。こちらのテキスタイルは、前述のウィリアム・モリスのものです。

テーブルクロスに、レトロな雰囲気の柄を取り入れてみても。その柄の雰囲気にあった、テーブル小物をセッティングすれば、お店にいるような気持ちを楽しめます。

また、「材質が木製ではない」「ダークブラウンの色でもない」など、目指すお部屋の雰囲気に合わないテーブルがある場合。クロスを取り入れるだけで、買い換えずにイメージチェンジできますね。

クラシカルな癒し空間を目指すうえで、部屋全体を包み込む明かりの演出は、インテリアコーディネートと同じくらい重要。

家具や壁紙が完璧でも、冷たい蛍光灯の明かりで照らしてしまっては魅力も半減してしまいます。

レトロで美しい照明から放たれる、白熱灯の温かで柔らかな光・・・。お部屋で心やすらぐあかりに包まれながら、ゆっくりと珈琲を飲み、読書に耽る宵・・・想像するだけでうっとりしてしまいます。

ちなみに、平均的な日本の家は、照明がとても明るい傾向にあるようです。

「目に良い明るさ」よりも「癒し」を追求する空間においては、思い切って、今までの部屋と比べて「ちょっと暗いかな？」と思うくらいの明るさに調節してみて下さい。おうちに帰ってきたときの、今までと違った癒しを実感することができると思います。

もちろん、照明選びは、喫茶店のように、癒しとレトロ感を楽しめる、クラシカルなデザインをチョイスしてくださいね。

例えばこのような、3灯のシーリングランプ。まん丸のフォルムが柔らかでです。シンプルでありながらレトロ感を感じさせてくれます。

部屋全体の照明を抑え気味にして雰囲気を重視すると、⼿元の明かりがほしくなるもの。

そこで、クラシックなシェードランプを使ってみませんか。部屋全体はほどよい明るさのまま、ポイント的にあかりを与えてくれます。便利なのに、ぽわっとした優しさのある光に癒されることもでき、愛着がわきそうです。

卓上に置けるシェードランプは、インテリアアイテムとしても活躍。アンティーク風のランプを選べば、まわりに置いたオブジェや雑貨も、年代物に見えます＊

そして、アクセントウォールのエレガントな壁紙をそっと照らす、やさしい灯りになってくれます。

吊り下げるのでも、置くのでもなく、壁に取り付けて設置する「ウォールランプ」も、間接照明として活躍してくれます。


こちらは部屋のコーナーの壁につけられるタイプ。キャンドルがモチーフの、木製ウォールランプです。アンティークものではないですが、それにふさわしい雰囲気を伴っています。

ガラス窓をステンドグラスに取り替えたりと、大掛かりなことは難しいですが、例えば、ステンドグラスを用いたペンダントライト、スタンドライトを取り入れてみては。

ノスタルジックかつモダンに、柔らかな明るさを与えてくれます。

このようななフレームタイプのステンドグラスなら、気軽に取り入れられるのでは。

壁にかけたり、窓辺に立てかけたり、チェストの上に立てて飾ったり。気軽にステンドグラスのレトロ感をお部屋にプラスすることができます。

アンティークのテーブルは、小さくても、美しい存在感があります。

壁際においてオブジェを飾ったり、読書をするときの珈琲テーブルとして傍らに置いたり。お部屋の雰囲気づくりと実用を兼ね備えた素敵なアイテムなんですよ。

こちらのテーブルは「コンソールテーブル」という、壁につけて使うタイプのものです。お花やキャンドルを飾るのにぴったり。

こちらは、細工の施された三本支柱が美しい、エドワーディアン様式のコーヒーテーブル。もちろんコーヒーテーブルという名前にとらわれず、自由な使い方をしてOKです。

他にもサイドテーブルやナイトテーブルなどと呼ばれることがあります。

さらに、インテリア小物も大切にしたいところ。

飾りたいものが見つからなかったら、たとえば蚤の市に行って、雰囲気はあるけど実用性のないステキな物を買ってみてはいかがでしょう。

もう動かない時計や、楽器、ちょっと汚れているけど装丁に惚れ惚れする古書など・・・。どれも物語性があるので、ふと、想いを馳せてみるのが楽しみに。空間のなかで、とっておきの存在感を放ちます。

アートな額を壁に飾り、その上に、スポットライトのようにウォールライトを取り付けても。特別おしゃれに見えますね＊