椅子選びは、使うシチュエーションを思い描くところから
家事の合間に窓辺でちょっと休憩したい ➢ チェア
家で「自分時間」をゆったり過ごしたい ➢ ソファ
家で読書や音楽、映画などを楽しむ時間を持ちたい人はソファがおすすめ。体をすっぽりと包み込んでくれるソファは、自分の世界に没頭させてくれます。長時間座っていても体に負担のかからないフォルムや硬さのものを選びましょう。
✻座っている時間・1時間以上
✻求める座り心地・★★★★★
✻持ち運びのしやすさ・☆☆☆☆☆
子供が寝る前に絵本を読んであげたい ➢ スツール
お子さんを寝かしつけるときにベッドサイドで絵本を読んであげるなら、持ち運びが便利なスツールがおすすめ。お子さんが寝たら、部屋の隅にそっと寄せて起こしてしまうことなく部屋を出れます。
✻座っている時間・1時間以内
✻求める座り心地・★★★☆☆
✻持ち運びのしやすさ・★★★★★
そして、自分の欲しいタイプが分かったら実際に座ってみる
椅子も人も、形・サイズ・硬さがそれぞれに異なるもの。実際に座ってみないと相性は分かりません。一生使うものですから、お店に出向いて、座り心地や感触だけでなく、色や風合いなどが部屋のインテリアと合うのかもチェックしましょう。
一生モノにしたくなる「名作椅子図鑑」
チェア
✻チャールズ＆レイ・イームズ／イームズシェルチェア
言わずと知れた世界中で人気のイームズ。1958年に発売されて以来、ずっとヒット売れ続けている理由は「快適さ」と「多様性」。座り心地がよく、様々なシーンやインテリアに合わせることができるため、長い歳月をともに過ごす椅子にしたくなります。
また、好みに合わせてパーツをカスタマイズできるのも魅力。今回ご紹介したのは、寛ぎ度が高いアームチェアのバージョンで、足が木製のタイプ。シート部分はアームなしのタイプもあり、こちらも不動の人気を誇ります。脚はスチール製やロッキングタイプのものなどから選べるので、シートとの組合せを楽しみながら選んでみて。
✻アルネ・ヤコブセン／model.3108 エイトチェア
デンマークが誇る巨匠・ヤコブセン。建築家でありデザイナーであった彼は、北欧だけでなく世界のモダンデザインを牽引しました。
数多くのチェアもデザインしていますが、「リリー」の愛称で親しまれている「エイトチェア」は、なかなか目にすることができない貴重な作品。グラマラスで優美なフォルムは、大人の女性にこそふさわしいデザインです。
✻ハンス.J.ウェグナー／CH24 Y チェア
デンマークの家具デザイナー・ウェグナーがカールハンセン&サン社で手がけた大ベストセラー。座面はペーパーコード張りで座り心地よく、丸棒を曲げて形作られた笠木の優美なラインのフレームは滑らかでずっと触れていたくなるほど。
ダイニングチェアとして使われることが多いけれど、この座り心地と美しいフォルムはリビングや窓辺に置いてもサマになります。
✻カイ クリスチャンセン／model.32 アームチェア
カイ クリスチャンセンが得意とするハーフアームタイプ。アームチェアとアームのないチェアのいいところを両方兼ね備えつつ、重たさを感じさせないフォルムは、一生モノとするのにふさわしい一品。
こちらもダイニングで使われることが多いタイプですが、様々なシーンで癒しのひとときを与えてくれる座り心地とデザインです。
✻ミース・ファン・デル・ローエ／D42 アームチェア
バウハウスの最後の校長を務めたローエ。ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライトと共に「近代建築の三大巨匠」と呼ばれる彼がデザインしたチェアです。
極限まで無駄を省いた曲線のフォルムが印象的。華奢なボディとは正反対の安定感と弾むような座り心地は、一度座ると虜になるかも。
✻イルマリ タピオヴァーラ／ファネットチェア 4S
フィンランドの家具デザイナーが手がけた名作チェア。シンプルな中にも温かみがあるこの椅子を、一度は目にしたことがあるはず。いくつかバリエーションがあり、こちらは4本スポークのモデルです。
外側のスポークが弧を描くことで生まれる優しいフォルムが特徴で、フープバックなどとも呼ばれています。すっきりした印象のものが好きな人は、スポークが少ないタイプをおすすめします。
ソファ
✻ハンス.J.ウェグナー／GE290 1シートソファ
創業以来、GETAMAが誇るロングセラーアイテムのウェグナーによるイージーチェア（ソファ）「GE290」。「これぞスタンダード」といった佇まいで、飽きがこないデザインです。
ビンテージでしか手に入らないクッション内包スプリングとフレーム下部スプリングは適度に反発し、座り心地も申し分なし。全高が96.5cmと低いので、狭いお部屋で使っても圧迫感がありませんよ。
✻ハンス.J.ウェグナー／GE290A＋GE290S ハイバックソファ（オットマンセット）
先程のソファと同じGE290シリーズ。背もたれが長く、よりリラックスした姿勢をとることができます。
ソファでくつろぐときは、出来ればオットマンをつけるのが理想。ラクチン度が格段に変わりますよ。脚をのばしてゆったりすれば極上の気分。足がむくみがちな方には、特におすすめです。
✻ハンス・サンガイン・ヤコブセン／ホースシュー1Sソファ（ホースシュー オットマン）
現代のクラフトマンと呼ばれるデンマークのハンス・サンガイン・ヤコブセンがデザインした「ホースシュー」シリーズの1人掛けソファ。レザーのソファはファブリックにない質感と雰囲気が魅力ですよね。使うほどに味わいが出てくるところも、長い月日をともに過ごしたくなる理由のひとつ。適度な柔らかさでふっくらとした座面と背もたれは座り心地がよく、ゆったりと寛げます。
レザーのソファはファブリックにない質感と雰囲気が魅力ですよね。使うほどに味わいが出てくるところも、長い月日をともに過ごしたくなる理由のひとつ。適度な柔らかさでふっくらとした座面と背もたれは座り心地がよく、ゆったりと寛げます。
✻ボーエ モーエンセン／model.2256 イージーチェア
日本では、その名をあまり知られていませんが、ヤコブセンやウェグナーと共にデンマークの家具デザイナーを代表する一人。シンプルなのに、どことなく日本的な直線美を備えていて、私達の日常空間にしっくりと馴染んでくれます。
前後の脚がつながった「床ずり」と呼ばれるスタイルは、重みを分散して畳のお部屋でも使いやすいデザインです。
スツール
✻ハンス.J.ウェグナー／JH539 スツール
ウェグナーが絶対的な信頼を寄せ続けた名工房「ヨハネスハンセン社」に製作を依頼したスツールは、もはや芸術作品。ラタンの座面は繊細に作り込まれているうえ、持ち手のなめらかで美しいこと……！職人の高い技術とウェグナーの造形美に対する研ぎ澄まされた感覚が、いかんなく発揮されている一脚です。
大変手が込んでいるため商業性には乏しい品として世に送り出されました。それゆえに世界中のインテリアファンが憧れ続ける一品になっています。
✻ワーナー／シューメーカースツール
ワーナー社は、デンマークの家具メーカー。「100% DENMARK HAND MADE」を守りつづける、貴重な存在です。木取りから断裁、加工、組み上げ、梱包までの一連の製造過程を、オーナーであるラース・ワーナーがほぼ一人でつくっているそう。
豊かな森林をもつデンマークは、質のよい木材が豊富なため、木を使った名作家具が次々と生み出されました。このスツールは、15世紀に農民達が牛の乳絞りの際に使っていたものが始まりで、3点で支えることでガタツキを抑えています。お尻の形に削られている座面は、機能的なだけでなく、インテリアとしても美しいフォルムです。
✻アルヴァ・アアルト／スツール60
フィンランドが誇る20世紀を代表するデザイナーであり建築家でもあったアアルトが1933年にデザインした名作。極々シンプルな3本脚のスツールは、その後に誕生するスツールに多大な影響を与えました。製作しているアルテック社では、現在までに800万脚以上を売り上げています。
現在も、80年前と同じ手法を使ってアルテック社で製作されているスツール60。近年、座面にミナペルホネンのファブリックを張ったタイプも販売されていて、インテリアのアクセントとしての価値も高まっています。
いかがでしたか？
家事の合間で一息入れたいときに使うなら、チェアがおすすめ。ちょっとした時間でも気軽に腰をおろせて、座り心地もいい…。たとえば、窓辺に置いてお気に入りのクッションを添えて座れば、家事の疲れも癒せそう。
✻座っている時間・1時間ほど
✻求める座り心地・★★★★☆
✻持ち運びのしやすさ・★★★★☆