「銅」が気になる今日この頃
調理道具も一通り揃い、お料理の腕もそれなりに上達すると、欲しくなってくるのがワンランク上のキッチンアイテム。そんな中、特に気になるのが「銅」の存在。玉子焼き器ややかんなど、ネットや雑誌でみかけるけれど、結局のところ何が良いのでしょうか?
銅の特徴。メリットデメリット
メリット
銅は鉄のほか、アルミニウムやステンレスに比べると断然、熱の回り方が早いのです。
そのため、調理器具を始めとした、火にかける、熱する作業が必要なものが銅製ならば、時短に繋がります。
さらに熱の伝わり方が均等なので、例えば鍋を火にかければ鍋底全体に一気に熱が回り、熱ムラがなく調理することが出来ます。
また、熱するだけでなく、銅製のカップは氷を入れればすぐさま冷却効果を発揮し、カップ全体が冷たくなります。
鉄製の調理器具を使うと鉄分が溶け出すと言われますが、銅も同じように銅イオンが溶け出し、殺菌効果があると考えられているのです。
口に触れるもの、手に触れるものは衛生的であってほしい。銅はそんな願いも叶えてくれます。
デメリット
調理器具として優れているぶん、値段が高めだったり、やはり定期的にお手入れをしないといけないので、お手入れが少し大変だったり、変色や、変形しやすかったりします。
錆が出て来ることを考えると、銅は扱いにくいと思ってしまいますが、正しく扱い、手入れをするだけで錆を防ぐことが出来ます。
深みのある赤褐色や時間が経過してもものとして残り続ける耐久性は、銅ならではのもの。
少し手を加えてあげるだけで、手元に残り続けてくれるのが銅製品です。
いよいよ銅デビュー。まずコップからはじめよう
純銅ニュースペシャルマグ・ビアカップ:アサヒ
ステンレススチール、銅、真鍮、チタンといった様々な素材を使いこなし、
金型製作、製造、研磨、パッケージングまで一貫して行うことができるのが強み。
蓄積された知識と技術に裏打ちされた、本来の機能性を踏まえたうえでの新しいカタチの提案をしています。
カップ・タンブラー:tone(トーン)
銅素材が持つ特性を利用して着色される、高岡銅器の伝統的な技法により生み出されています。その方法は、銅が持つ本来の色を古くから伝わる様々な薬品を用いて金属の表面を腐食させることで、銅の持つ色彩を引き出していきます。
銅製のアイスコーヒーカップ :RED & WHITE
銅製 ピッチャー
気になる存在…「中村銅器製作所」の銅製の玉子焼鍋
中でも銅玉子焼鍋は逸品と言われるほど。熱伝導と蓄熱性のよい銅は熱ムラが生じないため、仕上がりにブレがなく短時間で美味しい料理が完成します。料理が好きで、美味しいものに目がない方にはぜひとも使っていただきたい調理道具で、一度使えば手放せない最高のパートナーになるはず。
使い方
最初に使う前に
油馴らしのやり方
最初に使用する際に
使用後にやることと銅鍋のお手入れ方法
使用後に食材をそのまま放置すると、錆の原因になってしまうため、なるべく早く洗浄するようにします。が、その際に表面の油膜を残すため洗剤を使わず、たわしやクレンザーも傷の原因となるので使わないようにします。
しまう場合は、なるべく湿気の少ない場所で、新聞紙などにくるんでしまうと、より湿気予防になり緑青も出にくく長持ちします。
【やってはいけないこと!】
・空焚きは絶対にしないでください。(錫は230度で溶解します)
・調理後はすぐに取り出してください。
・火力は中火くらいで調整してください。
・内側は、たわし、クレンザー、金属製の器具は使わないでください。傷付きの原因、またその部分が焦げつきやすくなります。
・食器洗浄機の使用はおやめください。
・持ち手がゆるんだ状態で使用せず、ゆるんだ場合は持ち手付け根(金具部分)と釘の部分も打ち込んでください。
少しずつ揃えていきたい銅の台所道具
行平鍋:中村銅器製作所
長時間煮込まないと味が染みこまない煮物も、この鍋で作ると短い時間で中までしっかりと味が染みこみ一晩寝かせたような味わいに。温度調整が難しい揚げ物も、驚くほど簡単にサクッカラッと揚がります。さらに、ジャムづくり、煮豆、野菜の下茹でにも銅は最適。風味よく色鮮やかに仕上がりますよ。
銅のやかん:東屋
銅おろし金 羽子板 (両面) :大矢製作所
おろし金は、鏨(たがね)と金槌を使い、手作業でひと目ずつ刃を起こして作っています。
そのため素材がアルミだと柔らかすぎてすぐに目が丸くなってしまい、ステンレスや鉄だと硬すぎて目が立たないそうです
一方、銅は抗菌作用もあり、すべてにおいてベストな素材ということで、江戸時代から使われてきています。
何度も何度も叩いて締めた硬い銅の板に鏨(たがね)と呼ばれる道具と金槌を使い、手作業でひと目ずつ刃を掘り起こして作っています。
ちゃんと目が立っているので切れ味が鋭く、繊維を潰すのではなく細かく切っているので程よく水分を含んだまま簡単にふんわりみずみずしい大根おろしが出来上がります。
大量生産されたおろし金は、刃が揃っており、1ヵ所の面だけがおろされてしまいますが、大矢さんの手作りおろし金は
一見すると揃っているように見えて、実は刃並びが微妙に不規則です。
そのため、おろす度に様々な面があたり、何度も向きを変える必要もなく、軽い力で手早くおろすことができます。
美しい光沢のある銅製品。金属の中でも熱伝導率がとても優れているので、銅の調理器具は焼きむらが出来にくく、きれいに焼けるメリットがある他、冷却効果もあります。