民藝運動の歴史とともに歩む老舗2店
たくみ|中央区銀座
くらしの中に生きた手の技は、民族の生活文化そのものです。
どこの国でも名もない職人たちが、
風土に根ざした素晴らしい工藝品を生み出してきました。
たくみでは日本と世界の手仕事の中から、
佳い品物を選んで皆様にお届けしています。
柳宗悦、バーナード・リーチらに見いだされ、1995年(平成7年)には国の重要無形文化財に指定された小鹿田(おんた)焼。近年、インスタグラムでも人気ですね♪
お料理好きなら、熱伝導に優れた銅鍋はいくつもほしいもの。京都府・北村一男さんの銅鍋たち。
青森に伝わるあけび細工の「手さげ」と「手付花かご」。
2016年の展示から。
10月に行われた「倉敷本染手織会」。コットンとウールを織り上げた倉敷ノッティングと呼ばれる椅子敷きが登場しました。
琉球藍染工房による「藍色リズム indigo rhythm」。
そんな方におすすめの「民藝の歴史」(志賀直邦著、ちくま学芸文庫)。社会を美によって変革しようとした民藝運動に、運動の推進者・柳宗悦とともに関わった著者による記録。
直邦氏ご本人がサインをしたためた同書は、こちらのお店でのみ手に入ります。民藝ファンを自認する方への贈り物にも◎
備後屋(びんごや)|新宿区若松町
大江戸線・若松河田駅のすぐ前。昭和36年(1961年)創業。地下1階・地上5階建ての建物いっぱいに、全国の多彩な手仕事が揃います。海外からのお客さんも多く、商品タグには英語の表記も。
地下1階から4階まで、陶磁器・染物・織物・竹工品・木工品・漆器・藁工品・金工品・紙工品・ガラス・郷土玩具・松本民芸家具…見ごたえある品揃えです。
探していたものがきっと見つかるはず。徳利やぐい飲みなどの酒器、「一個からでもバラ売りいたします」とは、うれしい言葉♪
広島県福山市に拠点を置く「カンナカガラス工房」村松学さんの吹きガラス作品。
画像左から、小幡土人形(滋賀県)、左下:中湯川土人形(福島県)、真ん中&右上:米沢の木地玩具(山形県)。張り子、土人形、お面、招き猫、こけし、こま、古玩具…全国の郷土玩具が一堂に。
ふだんは大切にしまっておいて、お正月やひな祭りの時に出されたそうです。
優しい色合い。木綿に草木染めを施した肥後まりは、もみがらを芯に、すべて天然素材でできています。
若手作家のうつわと出会える3店
cotogoto(コトゴト)|高円寺南
日本で暮らす人のために、
日本の人が、日本の素材を使って、
四季のあるこの国の風土や暮らしにあわせて、
使いやすいように、簡単には壊れないように、飽きがこないように、
丁寧につくりあげた、使うことが目的の道具。
私たちが実際に日常の中で使い、
本当に使いやすかったものをご紹介していきたいと思っています。

“手作りとプロダクトの境界にある作品”をコンセプトにするイイホシユミコさんの「un jour」シリーズから。緑灰色系の"moku"。

金物道具店の老舗「工房アイザワ」(新潟県燕市)による丈夫なステンレス製のポットは、クールな存在感に人気。画像は1-2人用。

富山市の伝統工芸・越中八尾和紙(えっちゅうやつおわし)の担い手「桂樹舎」による名刺入れ。丈夫で破れにくく、かつては富山の薬売りの鞄にも使われた越中八尾和紙に型染めしたものです。
型染めは、染色家の芹澤銈介(人間国宝、民藝運動に参加。後出)とも関わりが深かった同工房の創業者・吉田桂介によるもの。柄は5種、カラーは4色が。

2017年1月に開講された「毛糸で編む、ポットマット作りワークショップ」は、ご自分の好きな毛糸でポットマットを作るというもの。ダルマ印の裁縫道具でおなじみの横田株式会社から、スタッフが講師に招かれました。
monsen(モンセン)|二子玉川
monsen では、日常で使われるからこそ美しく伝統ある民芸、人の手によって作り出される
温かい普段使いのモノ、機能的なデザインなど、暮らしを楽しくいつの時代にも使える
シンプルで味のある商品を心がけセレクトしています。
また実店舗では、ネット販売している商品以外にも、ネット販売では難しい作家さんものや、
見て・使って楽しい雑貨や小物なども取り扱っております。
硝子店・益子焼・波佐見焼・小鹿田焼・久留米絣etc.
確認しましょう。
Eckepunkt(エッケプンクト)|世田谷区奥沢

岐阜県土岐市に工房をかまえる村上雄一さんの8寸平皿と五穀豊穣の文様がある6寸鉢は、2017年5月の入荷。

パンのカタチをした「パン皿」が目を引きます。福岡県・糸島市に拠点を置く「コンガリ舎」(くぼともこさん)の展示は、2016年12月でした。
2017年秋には、個展が予定されています。

会期中、白木のマトリョーシカに絵付けをしてオリジナルな小物入れを作る「マトリョーシカ絵付けワークショップ」も開講されます。
おわりに
毎年恒例の”芹沢銈介の型染カレンダー”は、例年9月ごろに入荷するそう★「銀座たくみ」「備後屋」で手に入ります。サイズ:28×38cm
現代のクリエーターたちが、その不思議な魅力にひかれるという作家がいる。染色の人間国宝・
芹沢銈介(1895~1984)。漁師の道具を着物にあしらい、のれんに縄のれんの模様を
染める。大胆かつ繊細、そしてどこか懐かしさを誘うデザインの魅力はどこにあるのか。・ ・ ・
昭和8年12月、民芸運動の中から、「地方の民藝品を振興し、現代生活に適したものとして普及するための店」として、東京・銀座にオープン。最も歴史のある民藝専門店です。