街全体が芸術作品のような、チェコの首都「プラハ」
そのようなプラハの街を歩いているとタイムスリップした感覚になりますが、住民の方はその中で現代的な生活を送り、日常を過ごしています。今回は、そんな“昔と今”が共存する「プラハ」の楽しみ方を、6つの視点でご紹介します。
世界を代表する建築・音楽・芸術など、素敵な文化に満ちた街の魅力を感じ取ってみてくださいね。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
1.中世の面影が残る「旧市街地」で街歩きを楽しむ
プラハ歴史地区
プラハ市街中心部には、1992年に世界遺産登録された「プラハ歴史地区」があり、美しい中世の街並みを堪能することができます。11~18世紀にかけての建築様式を、当時の姿のまま目の当たりにできるのは大きな魅力。手前の広場は旧市街広場で、観光客や地元の人の憩いの場となっています。
カレル橋
「カレル橋」は1402年に建設された、プラハ最古のゴシック様式の石橋です。橋の欄干には30体の重々しい彫刻が並び、見る者を圧倒します。15世紀の姿をそのまま残す美しい橋は、世界中の旅行客を魅了してやみません。
チェコはマリオネットが盛んな国でもあります。カレル橋を歩くと、巧みな人形さばきを披露する大道芸人に遭遇することもしばしば。そのほか、ヴァイオリンやチェロを演奏する音楽隊など、芸術文化が身近にあるプラハの国民性を感じ取れる場所でもあります。
天文時計
ゴシック様式の旧市庁舎壁面に付いている、大きな天文時計。1410年に制作されてから幾度も戦火に見舞われ、そのたびに修復されてきました。毎正時、時計のからくり人形が動き出しますが、その時間になると時計の下は観光客で賑わいだします。時計を見ながらプラハの歴史に思いを馳せてみてくださいね。
※修復作業のため、2018年1月8日より時計は停止中。約6ヶ月後に修復完了見込みとなっています。
聖ヴィート大聖堂
チェコにある数多くのゴシック様式の建築の中で、⼀番の傑作と謳われるのが「聖ヴィート大聖堂」。プラハ城内にある最も大規模な建物で、チェコ歴代の王の墓が集約されていることから、最も重要な教会とされています。
内部に入ると見られるステンドグラスは、一見の価値があります。こちらはアール・ヌーヴォーを代表するチェコ出身の画家、アルフォンス・ムハ(ミュシャ)が描いたステンドグラス。一枚一枚精巧に描かれたステンドグラスは、チェコ芸術の最高傑作とも言われるほど素晴らしいものです。
2.美しい「クラシックホール」でオーケストラを聴く
スメタナホール
チェコの音楽家・スメタナの名を冠するコンサートホールは、市民会館内にあります。市民会館はアール・ヌーヴォー様式で最も美しいとされる建物です。
彫刻や照明など、細部にいたるまで目をみはるほど美しいコンサートホールでは、ほぼ毎日コンサートが開催されています。コンサートの後は館内のカフェでワインを飲みながら音楽の余韻に浸るのも、プラハならでの極上の楽しみ方。
ドヴォルザークホール
「プラハの春」音楽祭のメイン会場にもなっているドヴォルザークホール。チェコ・フィルハーモニーの本拠地でもあり、海外ツアーの時期を除き定期演奏会が開催されています。
エステート劇場
モーツァルトが「ドン・ジョヴァンニ」を初演したことで知られるエステート劇場。ギリシャ神殿のような内覧は古典主義スタイルで、装飾画や扉など全てが荘厳で美しいつくりになっています。年間を通してオペラや演劇が開催されているので、時間があれば一度訪れてみましょう。
3.「建築」から歴史を学ぶ
プラハの興味深いところは、それらの建築の魅力を「身近に体感できる」こと。何年も前に建てられた教会が今も使われていたり、有名な建築物の中にカフェがあってお茶することができたりと、古く価値のある建築が今もなお、日常の中に息づいているのです。代表的な建築をご紹介します。
バロック建築
バロック建築は、16世紀ごろから盛んになった建築様式で、空間を演出する絵画や彫刻などの装飾も重視して構成されていることが特徴的です。プラハのバロック建築で有名なのが、この「ロレタ教会」。プラハで一番鐘の音が美しいといわれています。
ロレタ教会の内部。バロックらしい荘厳、豪華な装飾が細部に渡るまで施されています。
キュビズム建築
「キュビズム」とは、ピカソなどの画家がパリで始めた、立体を二次元で表現する前衛的な芸術運動のこと。それを応用したキュビズム建築があるのは、世界中でチェコだけなのです。こちらはキュビズム建築家を代表するヨゼフ・ゴチャールの「黒い聖母の家」。
「黒い聖母の家」の螺旋階段は、代表的なキュビズムの様式となっています。建物の中に入って、斬新で独特な雰囲気を体感してみてください。
ちなみに、この建物の2階にはカフェ「グランド・カフェ・オリエント」があります。カフェの内装ももちろんキュビズムです。この部分が「キュビズムかな?」と素敵な内装デザインを楽しみながらがらお茶をいただいてくださいね。
こちらは1913年に建設された建築家・ヨゼフ・ホホルの代表作「コヴァチョヴィチ邸」。門や柵までキュビズムにこだわった、洗練されたデザインが特徴的です。
ポストモダン建築
ポストモダン建築とは「合理的で機能的すぎるものは面白みがない」といった、モダニズムへの批判精神から生まれた建築スタイルです。こちらは女性と男性が踊っているように見えることから、「ダンシング・ビル」として親しまれているビル。1996年に建てられたポストモダン建築で、中世の景観が大切にされているプラハにおいては、異質な存在感を放っています。
4.チェコ料理を味わう
グラーシュ(gulasch)
グラーシュは、チェコで一番有名な料理の一つです。日本のビーフシチューをあっさりといただくような料理で、もともとはハンガリーで生まれた料理なんだとか。“クネドリーキ(knedlík)”という白い蒸しパンと一緒に食べるのがチェコスタイルです。
ペチェナ カフナ(pecena kachna)
ペチェナ カフナは、鴨肉にスパイスと塩をすり込んで、じっくりとローストした料理です。パリッとした皮と、こってりとした肉の旨味が美味しいですよ。付け合わせは、もちろん定番のクネドリーキで。
チェコビール
ビール消費量世界一は、チェコであることをご存知ですか?定番のピルスナーや黒ビールなど、さまざまな種類のビールがあるので飲み比べてみましょう。夏はビアガーデンやカフェのテラスで、美しいプラハの街並みを見ながらビールを飲むのが最高です。
オープンサンド
プラハでは、スライスしたフランスパンにサラミやチーズ、トマトなどをのせて食べるオープンサンドが人気です。町を散策中にオープンサンドのお店を見かけたら、ぜひ立ち寄ってみて!コーヒーと一緒にテイクアウトして、プラハっ子にまじって公園で食べるのも楽しいですよ。
5.美しすぎる図書館で文学の歴史を感じる
ストラホフ修道院
プラハ城から歩いて10分ほどのところにあるストラホフ修道院の図書館。こちらは「哲学の間」です。歴史的価値のある本が床から2階ほどの高さある天井まで並び、その上には美しい天井画を見ることができます。
クレメンティヌム
クレメンティヌムは旧市街地にあり、図書館や礼拝堂、教会などからななる複合建築です。
クレメンティヌム内にある図書館は、バロック様式の内装で荘厳な雰囲気があります。図書館には500万冊以上蔵書され、その中には、歴史的に価値のあるものも多数あります。図書館を含めたガイドツアーが毎日あるので、詳しく知りたい人は利用してみてはいかがでしょう。
6.Made in チェコのかわいい雑貨を探す
ガラス細工
木のおもちゃ
プラハへ行ってみませんか
まるで、中世の世界へタイムスリップしたような気分になれるプラハ。人々の日常にそのまま息づく文化財は、これからもその歴史を刻んでいくことでしょう。プラハは音楽・歴史・建築に興味がある人なら、とっても満足できる街です。日本では味うことのできない、クラシックな世界を体験してみてくださいね。
海外旅行に行くと、古風とされる街が思いのほか近代化を遂げていたり…と、イメージと異なることがよくありますが、「プラハ」はきっと、イメージ通り。チェコの首都でありながら、中世の美しい街並みが今も残されています。