聖地・高野山金剛峰寺
山内には総本山・金剛峰寺をはじめとして、大小117もの寺院が建ち並びます。高野山独特の、静寂で凛と澄み渡る空気に満たされています。
「お大師さん」の愛称で親しまれる開祖、弘法大師・空海
高野山の地に真言宗を開いた僧侶・空海は、元々は都の大学寮で学ぶ学生でしたが、「もっと人々を救える学問を」という思いから若くして山林修行に入りました。出家した空海は留学僧として遣唐使船で唐に渡り、多くを学んで日本に新たな仏教を持ち帰ることになります。
出典:www.flickr.com(@Akuppa John Wigham)
高野山の地に真言宗を開いた空海。日本の三筆にも数えられるほどの優れた能書家で、後世には「弘法にも筆のあやまり」という諺まで生まれました。
見て・触れて・感じるパワースポット
真言密教を広くわかりやすく伝えようと尽力した開祖・空海。その姿勢と教えを受け継ぐ高野山には、五感で魅力を感じられるスポットがたくさん!歴史や仏教に興味がある人はもちろん、そうでなくても十分に楽しめる見どころにあふれています。
大門
総本山金剛峯寺
根本大塔
三鈷の松
檀上伽藍の金堂の近くに、柵で囲われた松の木があります。この松の木に空海が唐から投げた三鈷(法具)がひっかかり、聖地の場所を知らせたという伝説が残っています。
六角経蔵
奥の院
出典:www.flickr.com(@Andrea Schaffer)
杉の木漏れ日の中、無数ともいえる苔むした供養塔が立ち並びます。静寂の世界が広がり、まさに聖域といった雰囲気。高野山を象徴する光景のひとつです。
表参道入り口、一の橋から弘法大師御廟まで通じる約2㌔の参道両側には、何百年も経た老杉が高くそびえ、その老杉のもとには、少しでもお大師様の近くで供養されたいと願う数十万基を超える各時代の、あらゆる人々の供養塔が建ち並び、高野山が日本一の霊場である事をあらわしています。
宿坊に泊まろう
宿坊とは、僧侶や参拝者のために設けられた宿泊施設のこと。高野山では117ある寺院のうち半数近くが宿坊を兼ねており、観光客も気軽に利用できます。一般の旅行情報サイトからインターネット予約も可能です。
もっと楽しむ高野山
標高約1000mの高野山では、大自然を肌で感じる体験ができるのも魅力のひとつです。標高が高く、下界よりも随分と気温が低いので、訪れる際には体調管理にも気を付けましょう。
ウォーキング
高野山町石道は、聖地高野山への表参道として、弘法大師が高野山を開創して以来、信仰の道とされてきました。その道しるべとして建てられたのが町石で、高さ約3mを超す五輪塔婆(ごりんとうば)の形をしており、根本大塔を起点として九度山の慈尊院まで180基、弘法大師御廟まで36基建てられています。その8割以上が、鎌倉時代に建立されたもので、今もなお昔の面影を残しています。九度山の慈尊院から高野山へ続く約24㌔の町石道は、今も沢山の人々が参詣登山され、まさしく祈りの道、信仰の道そのものです。また、紀伊山地の霊場と参詣道として、西暦2004年(平成16年)7月7日にはユネスコの世界文化遺産にも正式に登録されました。
写経体験
森林に囲まれた静寂な空間で、心の落ち着きを取り戻せる写経体験。宿坊のオプションプランとして追加できるほか、写経体験のみでも受け付けてくれる寺院が数多くあります。
心も体も癒される…。高野山へ出かけてみませんか♪
「森林セラピー」とは、森の自然が織りなす風景や香り、音色や肌触りなど五感を使って感じることで心身の元気を取り戻す癒しのプログラムです。
高野山では、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されたエリアを含め、2007年に「森林セラピー基地」として認定されました。
和歌山県は紀伊山地の奥深く、奈良県との県境付近に連なる標高1000m前後の山々。平安時代のはじめ、弘法大師空海はこの地に真言密教の修行場を開創しました。以来1200年間、高野山は比叡山と並ぶ日本仏教の聖地として人々の信仰を集めています。