静寂な空間に心癒される。庭園が美しい【京都】の穴場寺院

そこで、心静かに和の趣を味わうことができる穴場の寺院をご紹介します。いずれも庭園が美しく、縁側に座って庭園を眺めれば、ゆっくりと時が流れていくのを体感できます。

紅葉の時期の様子や、観光と共に楽しみたい周辺グルメも合わせてまとめましたので、ぜひ秋のおでかけの計画の参考にしてくださいね。

JR京都駅から1駅の、東福寺駅より徒歩20分のところにある「雲龍院」。泉湧寺の別院です。
こちらは「大輪の間」。雲龍院の大広間で、室内から庭を眺めると障子が額縁のような役割を果たします。

4つの障子窓が特徴的な「蓮華の間」。それぞれの窓からは、左から椿・灯籠・楓・松が見えるようになっていて、「しき紙の景色」と呼ばれています。

拝観料とは別に料金を払えば、好きな部屋を選んで抹茶とお菓子を頂くことができます。また、写経体験をすることもできますよ。

紅葉の時期には毎年夜間のライトアップが行われます。2019年は11月17日から11月24日に行われる予定です。

東福寺駅から徒歩30秒のところにある、ハンバーガーショップ。築100年の古民家をリノベーションしています。店内は和の雰囲気が残されていて、掛け軸が飾られていたり、窓から灯篭が見えたりします。

ハンバーガーは、聖護院大根や九条ねぎ、万願寺とうがらし、京漬物などといった京都の食材使った独創的なもの。ロンドンのハンバーガーの大会で2年連続チャンピオンであるアダム・ローソン氏が、京都をイメージして考案したレシピです。

「波心庭」と呼ばれている枯山水の庭園。「煩悩がなければ、仏心という月は波に映る」という禅の言葉から名づけられました。白砂や苔の中に大小の石が配置されて動きを生んでいます。

紅葉の時期には、もみじの鮮やかな赤と石とのコントラストが生まれます。東福寺は紅葉の名所として非常に有名で、紅葉シーズンには多くの人が訪れますが、塔頭である光明院では比較的静かに紅葉を楽しめます。

コースメニューは毎月変わり、季節感のある盛り付けがなされます。もちろん、食材も旬のもの。こちらは11月の八寸で、菊の花、銀杏、紫芋、柿などが使われています。

高台寺の塔頭である圓徳院。高台寺は豊臣秀吉の正室であるねねにより建立された寺院で、圓徳院はねねが晩年を過ごした地に建てられています。

国指定の名勝となっている北庭。枯山水で、他の枯山水の庭同様に石が配置されていますが、このように大きな石がたくさん置かれることはめずらしく、この庭の特徴となっています。

紅葉の時期には夜間特別拝観として、高台寺と共にライトアップがされます。2019年は10月25日から開催予定で、例年12月の上旬頃まで開催されます。

高台寺のライトアップはプロジェクションマッピングや臥龍池の水鏡が有名で毎年多くの人出がありますが、圓徳院も合わせて参拝する人は少ないため、比較的静かに紅葉を鑑賞できます。
掌美術館も合わせた「3ケ所共通割引拝観券」ならお得に両方を拝観できる上に、これを圓徳院（または掌美術館）で購入すれば、高台寺の拝観券を買う長い列に並ばずに高台寺に入ることができるのでおすすめです。
【画像は高台寺の臥龍池】

四季の素材を活かした甘味は、「懐石料理の最後に出されるような作りたてのお菓子を」というコンセプトで作られています。看板メニューの「福蜜豆」は、紫花豆・白花豆・紅絞り豆・青えんどう豆が彩りよく盛り付けられています。
八坂神社のご神水で淹れられたお茶もぜひ一緒にどうぞ。

日本最大の禅寺である妙心寺。その広大な境内には40あまりの塔頭があり、その一つが桂春院です。

こちらは「侘びの庭」。小さな庭ですが、禅から生まれた美意識である侘び寂びを感じることができます。この他にも「清浄の庭」「思惟の庭」「真如の庭」とそれぞれ趣が異なる庭があり、国の史跡・名勝に指定されています。

花頭窓から覗く「清浄の庭」。紅葉の時期の風情は格別です。

庭園は苔むしていて、小さな滝もあります。建物内から眺めるだけでなく散策も楽しめますよ。

大原の三千院のさらに奥にある小さな寺院です。庭園が美しいだけでなく囲炉裏のある部屋もあり、和の雰囲気を感じることができます。

宝泉院の庭園は「額縁庭園」と呼ばれています。これは、柱や鴨居によって風景が額縁のように切り取られて一枚の絵画のように見ることができるため。竹林の向こうには大原の里が垣間見えます。

額縁庭園と共に宝泉院の見どころとなっているのが「五葉の松」。樹齢700年で、京都の天然記念物に指定されています。

秋には夜間のライトアップも。2018年は11月3日～12月2日の期間で行われました。

宝泉院と合わせて訪れたいのが実光院。大原のバス停から宝泉院へ行くまでにあるお寺で、こちらも隠れた名所です。

大原を流れる高野川沿いのカフェ。オーナーは野菜ソムリエで、大原の野菜を使ったおばんざいやサラダのバイキングが付いてくるランチが頂けます。

おにぎりランチは8種類の中から5つ選ぶことができます。お米は大原産コシヒカリ、水は大原の地下水を使用。セットになっているおばんざいとサラダのバイキングは種類が豊富で、大原の野菜をたっぷり頂けますよ。

叡山電鉄・三宅八幡駅から徒歩7分、比叡山の麓にある蓮華寺。池には鶴や亀に見立てた石が配置され、その上には青々とした楓が覆いかぶさるように枝を伸ばしています。

紅葉の時期には楓が鮮やかに色づき、水面に映ります。見頃が長く続くのもこのお寺の特徴です。

こじんまりとしたお寺ですが、境内にも楓がたくさん植えられているので、庭園以外の紅葉も楽しめますよ。

なお、仁和寺や龍安寺の近くにも蓮華寺というお寺があります。こちらには石の仏像が見所で、庭園は無いので注意してくださいね。

和の情緒をゆったりと堪能できる穴場寺院。紅葉の時期には少し人が増えますが、それでも他の有名寺院に比べれば落ち着いて紅葉を鑑賞することができますよ。非日常を味わえる美しい庭園を楽しんでくださいね。