大学進学のために仙台へと引っ越してきた椎名。ボブディランの「風に吹かれて」を口ずさみながら荷解きをしていると、隣人の河崎が話しかけてきます。引っ越し祝いにと椎名を自室に招いた河崎は、同じアパートに住む外国人のために本屋から広辞苑を奪おうと持ち掛け・・・。不気味な隣人と、2年前に仙台で起きた事件が奇妙に符合していくミステリー。最後はどこか悲しい、強さと愛が詰まった物語です。伊坂幸太郎さんらしい伏線の回収にあっぱれ！

ブータン留学生ドルジがデートに出かける八木山動物公園。仙台市民から長く愛される動物園です。仙台駅から車で約10分、青葉城から車で約3分と立地もよく、仙台観光にぴったりの場所。物語の登場アニマルであるレッサーパンダにも会えますよ。

仙台駅のコインロッカーは、物語のラストに登場する重要な場所。思わずボブディランの歌を口ずさみたくなります。横には椎名が立っているような気がしそうです。

明治から昭和にかけて活躍した島崎藤村は、27歳のときに長野の小諸義塾へ教師として赴任します。小諸の風景や、子どもたち、学校の同僚、行商の女などをみずみずしく写生したのが「千曲川のスケッチ」です。言葉で絵を描くようなこの本は、藤村が見た何気ない日常ながら小説のような世界観。小諸の風景が鮮やかに思い描かれます。暮らしたことのない場所なのになぜか懐かしい、郷愁が詰まった一冊です。

教え子と千曲川でよく水遊びをした藤村。その帰り道によく立ち寄ったのが「中棚荘」の温泉です。中棚地区の畑などがよく見えるお風呂。湯上りには畑を走り抜けた風にあたって湯冷まし。藤村もそうして仲間とお喋りを楽しんでいました。

黒髪の乙女に恋をし、少しずつ距離を近づけようと画策する「先輩」と、秘密のお酒を求めて夜の京都を飲み歩く「黒髪の乙女」の、不思議で愉快な青春恋愛物語。クラブの後輩である黒髪の乙女に恋をした大学生の「先輩」は、彼女とどうにか仲良くなろうと考えています。一方、不思議な世界観を持った黒髪の乙女は、どこかにあるという「偽電気ブラン」に夢中。果たして二人の恋の行方は？ 周りの人を巻き込みながら次々と起きるヘンテコな事件。少しずつ距離を近づける先輩と黒髪の乙女にほんわかするお話です。

黒髪の乙女が、先輩の結婚パーティーを抜け出してお酒を飲みに行くのが、木屋町のバー月面歩行。「偽電気ブランがある」と教えられて、木屋町を飲み歩きます。黒髪の乙女が「夜は短し歩けよ乙女」と呟くのもこのシーン。京都の風を感じながら、木屋町や河原町の繁華街で乾杯しましょう♪

先輩と黒髪の乙女の距離は、不思議な事件が起こる中で少しずつ縮まっていきます。下鴨神社も事件の舞台の一つ。下鴨神社は、上賀茂神社と並んで京都最古とも言われる歴史ある神社です。参道の｢糺の森｣は、むせ返るほどの緑。黒髪の乙女もその道を通ったんですね。

釧路の高校で出会った高橋七美と矢野元晴は、矢野が背負う悲しい過去を乗り越えて恋人同士に。しかし高校2年のときに矢野が東京へと転校して遠距離恋愛となってしまいます。変わらない愛と再会を誓った二人だけど、七美は矢野と連絡が取れなくなり・・・。純粋でまっすぐで、どこまでも一人を思い続ける珠玉のラブストーリーです。

幣舞橋（ぬさまいばし）は釧路の観光名所。「僕等がいた」でも漫画の単行本の表紙に描かれるなどしています。テレビアニメや映画にも多く登場した人気スポット。夕暮れの神秘的な景色は必見です。

北海道有数の自然景勝地である釧路湿原は、日本最大級の大きさを誇る湿原です。物語の終盤にも二人の運命が動く重要な場所として登場します。天然記念物のタンチョウをはじめ、貴重な生物が見られることも魅力です。

高校1年の西見薫は、クラシックピアノが得意で繊細な少年。船乗りの父親の転勤で佐世保の学校へと転校します。度重なる転校のストレスですぐに吐いてしまう薫が出会ったのは、札付きのワルと恐れられる川渕千太郎。千太郎や、千太郎の幼馴染の律子、そしてジャズと出会い、薫は心が開放されていきます。やがて薫は律子に恋をしますが、それは彼らを取り巻く一歩通行だらけの恋の始まりでした。恋の行方、そして薫と千太郎のコケむすまで続く友情に胸が熱くなる物語です。

三浦町カトリック教会は、佐世保駅から徒歩で5分ほどの場所にあります。物語の中で、千太郎と律子が通った教会です。第二次世界大戦中には異教として弾圧され、空襲の目標になりにくいようにと黒く塗りつぶされた歴史があります。

薫と千太郎が再会を果たす場所が「黒島天主堂」です。佐世保からはフェリーで行きます。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産です。事前に予約をすれば内部を見学することができますよ。

佐藤麻里子は東京のアパレル会社に勤める働き女子。仕事が忙しい彼氏とすれ違い、同棲するときにした「朝食を一緒に食べる」という約束も守られず別れを決意します。麻里子の友達の典子、理沙、栞のストーリーも織り交ぜながら、恋に仕事に全力で今を生きる女性の等身大の姿を描いた物語です。一話完結のストーリーには毎回一食の朝食が登場。各地にある実在のお店が描かれています。朝食に癒され、朝食に少し元気をもらって歩き出す、自分らしく生きるためのエネルギーの象徴です。

麻里子が、いつも自分の味方をしてくれるおばあちゃんを連れて食べに行ったのが、チリパーラーナインです。市ヶ谷駅と九段下駅のちょうど中間、靖国神社の近くにあります。8時から営業していて、モーニングにはゆで卵がついてくる♪

11巻に登場する「カユデロワ亀沢店」は、体に起きた不調に落ち込む麻里子を元カレが連れて行ってくれたお店。落ち込んだときや疲れたとき、温かいご飯が心と胃に染みますよね。ヘビーな朝食はちょっと苦手という人も、お粥ならいいかも♪