小説の中の天気にあわせて

晴れた日に読みたい小説
晴れ、時々クラゲを呼ぶ/鯨井あめ/講談社

流れ星が消えないうちに/橋本紡/新潮社
東京で暮らす奈緒子は、家の玄関で眠る。自分の部屋には、1年半ほど前に亡くなった恋人の加地との思い出がありすぎて、苦しいからだ。加地との出会いのきっかけは、高校の文化祭でのプラネタリウム。奈緒子は加地亡き後、彼の親友の巧と交際している。そんな奈緒子の元に、父親が家出をして転がり込んできて・・・。

愛と永遠の青い空/辻仁成/幻冬舎
妻に先立たれ、3人の息子とその家族に蔑ろにされながら暮らす、昔気質の周作。かつて共に真珠湾攻撃に参加した戦友と再会すると、もう一度真珠湾へ行こうという話になる。その地で待っていたのは、同じように戦争の記憶を抱え、また受け継ぎながら生きる、日系アメリカ人をはじめとする現地の人々だった。

雨の日に読みたい小説
この恋は世界でいちばん美しい雨/宇山佳佑/集英社
建築家の誠とカフェスタッフの日菜は、雨の日に出会って付き合いだし、今は2人で暮らしている。身寄りのない日菜のために、いつか家を建てたいと密かな夢を抱えて過ごす誠。幸せに満たされている2人だが、雨降りのある日に事故にあい、2人は瀕死の状態に。そこへ現れたのは・・・。

雨のなまえ/窪美澄/光文社文庫
妻のちさとが妊娠中だというのに、マリモとの不適切な関係を断ち切れない悠太郎。母の離婚のたびに各地を転々とし、あるときはプレハブ小屋に住んでいた彼の今の家は、高級マンションの4階。ちさとの出産が近づけば近づくほど、悠太郎はその現実から逃げるようにマリモを求めてしまい・・・。
竜の雨降る探偵社/三木笙子/PHP文芸文庫
昭和、戦後の新宿。コーヒー店の2階に「水上探偵社」はあった。そこは、雨の日にしか営業しないという特殊な探偵社。ある日、幼馴染であり大家でもある和田慎吾が相談に訪れた。その数日後、相談で触れていた女性が失踪してしまう。
雪の日に読みたい小説
冷たい校舎の時は止まる/辻村深月/講談社文庫
雪の降るある日、大学受験を目前に控えた8人の高校生は、いつも通りに登校した。しかし校舎には先生やほかの生徒がおらず、8人は学校に閉じ込められてしまう。その理由が、自殺してしまった同級生にあるのではないかと考えるが、どうしたことかその生徒や顔が思い出せない。手がかりを求めて校内を調べはじめるが・・・。

みつきの雪/眞島めいり/講談社
信州の小さな村で暮らす、小学5年の満希。ある日山村留学の行人がやってきて、唯一の同級生になった。いずれ帰ってしまう人と必要以上には仲良くならないと思いながら、2人は親友になる。高校まで同じ学校で過ごすが、満希は地元で農業の道へ、行人は村を出て医大へ。2人の人生が違う道へ向かう卒業式の日、行人は満希に村へ来た理由を打ち明ける。

忘れ雪/新堂冬樹/角川文庫
小学生の深雪は、公園で傷ついた犬を拾う。どうにか助けてやりたいけれどなすすべがなく困っていると、一人の高校生が声をかけ、一緒に病院まで行って助けてくれた。彼、桜木に淡い恋心を抱いた深雪だが、京都へと引っ越すことに。7年後の再会と、子供らしいかわいい結婚の約束をして、深雪は京都へ発つ。

天気が物語の世界へと誘う

同じように、手に取る本にも少し影響しているかもしれませんよね。天気をヒントに今読む本を選べば、ますます情景が鮮やかに思い浮かびそう。その没入感を楽しみながら物語の世界を楽しんでみてくださいね。
図書委員の亨は、いつもクールで他人に冷めている高校生。一緒に図書委員を務める小崎優子はいつも明るく少し不思議な少女なのだが、ある日彼女が、屋上で雨乞いではなく「クラゲ乞い」をしているのに出くわす。彼女が呼びたいクラゲは、かわいいミズクラゲなどではなく、毒のあるクラゲ。その理由は・・・。