関係を断ち切る前に考えたい。人との距離感と向き合い方

関係を断ち切る前に考えたい。人との距離感と向き合い方

この人と離れたい。もう付き合いたくない。そう感じた原因は、どこにありましたか?「縁を切りたい」と他者に対して感じた時に、そして感じる前に対策が取れるように必要なアクションを考えてみました。 2021年06月21日作成

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他人を近くで見すぎている“つもり”の私たち

「どうしても、もう離れてしまいたい人がいる」「しがらみが辛い」「もう縁切りでもしてしまいたい」…そんな辛い気持ちを抱えてしまったことはありませんか?似たような悩みが今現在ある方は、その考えに良心が痛んで、さらにストレスを抱えてしまっているかもしれません。仕事でのトラブル、友人関係での些細なイライラの積み重ね、今現在であれば、コロナウイルスへの態度の違いなどが原因でしょうか。SNSが普及した今は、スマートフォンを持つ前であれば知り得なかった友人知人のプライベートな価値観をいとも簡単に覗けるようになりました。
人々もインスタントに自己表現をすることに慣れています。社会的な問題に向けての意見も、発言しやすくなりました。世界中の人々の意見を眺め、それに飛び入り参加で意見することもできます。
しかし、私たちの世界や視野が広がったかというと、そうでもありません。私たちは小さな画面の中に、私たち好みの世界を作り上げることが可能になりました。そこでは自分と同じ主義主張を持つ人々が、あなたを代弁するような言葉を投げかけてくれます。それに頷き、いいねを押し、ハートを押し、そうだそうだと言いやすくなったと思います。共感しやすい世界で、共感をし合うことで、私たちは「さまざまな意見を取り入れている」と錯覚してるのが現実です。

人間関係で悩むのは、本当に無駄?

人間関係のこじれは、大まかに言えば《価値観の違い》が根っこにあるのではないでしょうか。そして、考え方や行動様式の違いに耐えきれなくなった時、縁を切るという行動を思いつき、実行してしまいます。《縁を切る》ということは、距離を大きく取るということです。相手のことが見えなくなるくらいに。お互いに認知ができなくなるくらいに。そうすることで、あなたはとても楽になります。相手に《わからせる》ことまで想像するかもしれません。
考えたいのは、「どうして距離を取ろうとするのか」というところです。人間関係の悩みは、どうしてか《無駄なこと》であるように扱われています。嫌いだ・苦手だと思う人からは、離れるように。距離を置くように。そんな煩わしさに心を惑わされるのは、無駄なこと。自分自身のことに、集中すべき。果たして、本当にそうでしょうか?

最も悩むべき問題

世の中にはたくさんの悩みがあります。お金、仕事、出世、叶わない自己実現、身体的なコンプレックス…。しかし、どんな大金持ちや王様が全てを手に入れたとしても、最終的に解決できないのは、自分の周りの人間関係や、愛の悩みでしょう。他のものがどうにかなっても、他人という存在が自分とは違う心を持って存在する限り、この悩みだけは、どんなに権力とお金があっても、解決ができません。ということは、人間関係の悩みこそが、私たちの《究極》の悩みだと考えられます。全てを手に入れることができてなお、悩む問題なのですから。

避けて済む問題ではない現実

それに対して時間と心を割くことの、何がいけないのでしょうか。この問題に悩まず、自分なりの落とし所を見つけずに、「人間関係の悩みは無駄なのだ」と言い続けても、この問題はずっとついて回るものだと思います。社会とは人間関係の連なりを集めたものです。コロナウイルスによって炙り出されてきた悲しい現実や事件の数々も、人間同士が手を取り合って解決していかなくてはいけない問題のはずです。今陥っている問題は、悩み続けなくてはいけないもののはずなのです。苦しくとも。

本当にその人に近づいたことはありますか?

ソーシャルディスタンス、という言葉が一般的に普及しました。私たちが考えていくべき《距離感》は、心の距離も同じです。近づきすぎず、遠すぎず。難しい塩梅ですが、シンプルな側面もあります。「一旦は限界まで近づかないと、どこまで近づけるかはわからない」ということです。一度は、心を近づかせるべきなのです。その姿勢は、傾聴だけでなく、あなたの意見を伝えることも含みます。

「距離を取る」ことの罠

よく目にする、「理解できない/ダメな/話の通じない人からは離れるのが得策」というアドバイス。全員がその大人な対応をとると、おそらくずっと、その《どうしても受け付けない人》は、同じ姿勢のまま、あなたの世界に存在し続けるでしょう。変わるチャンスを与えられないまま。「私ではない誰かが言ってくれるだろう」「いつかバチが当たる」と誰もが願うことで。誰もが自分自身の心の安寧だけを願うことで。

自分も周囲も変化する生き物だということ

人の価値観や意見は、変化します。私たちも、このマスク生活の1年で、かなり考え方が変化しました。それは、あなた自身の心だけで起こった変化ではなかったはずです。何かや誰かが作用して、あなたの心に働きかけた結果、あなたは今までと違う考え方を身につけました。

他人は変えられないという嘘

「他人は変えられない」は、嘘です。ただ労力がかかりすぎる場合が多いので、そういうことになっているだけです。私たち自身が、何年も前と同じ価値観で過ごすことは不可能なのですから。他人を変えることができないのなら、教育も物語も演説も音楽も選挙も何もかも、意味がなくなるはずです。とっくに廃れているはずなのです。

現時点での状況を見る

価値観が異なって受け入れられないのであれば、《縁を切る》という強い決心をするよりも、「“今は”合わないのだ」と思うべきです。あなた自身に変化があるように、他者の変化を信用してください。今現在、あなたと相手は違うのでしょう。その擦り合わせを行うには、おそらく時間がかかります。距離を測ることでさえ、長い時間をかける必要があるかもしれません。しかし、この問題以上に時間や労力を捧げるべき問題はなかなか存在しないことにも注目すべきです。

冷たさの循環に加担しない

まずは自分を大切に、というのも正しい意見です。しかし、全員が身の回りの小さな世界だけを意識して、自分を大切に思うことが幸せの近道だと言い切るのは、とても危険だと思います。他人を《切る》というのは、本当に冷酷な最終手段です。そしてその冷たさは、自分にも回り回って降りかかり得るということを、コロナ禍で私たちは知ったはずなのです。まずは、そういう思いを抱くようになる前に、離れて見ようとするのではなくて、少しずつ近づいてみませんか。近づかないと細部は見えません。

うまくいかないキャッチボールでも

言葉を発するのは、伝えたいからです。その言葉が鋭利なナイフや、周囲に降り注ぐ酸性雨になることがあります。しかし、それは誰にでも起こりうることです。あなたの感情自体を無視する必要はありません。納得できないのなら、納得しづらいことを伝えましょう。相手の言葉を聞いた上で、きちんとそれに意見を投げかければ、答えてくれます。うまくいかせよう・取り乱さないようにしようと思いすぎないことも意識するべきだと思います。少し転びそうになってでも受け止めてみること、ちょっとかっこ悪いフォームで大きく振りかぶってみることが大切です。

最適な距離感を見つけるために

まずは意見を交換してみましょう。違う答えが返ってくるのは、当たり前です。自分の心や気分が変化することも、本当の意味では、恐れてはいけないと思います。自分自身が意見を言う権利や勇気を実感すれば、相手が同じ権利と勇気を持つことも肯定できるようになっていくものです。その姿と過程は、スマートでも大人でも、なんでもない、疲れる作業でしょう。側から見れば、滑稽に見えるかもしれません。しかし、お互いに心を開示し合おう・より良い方向に向かっていこうと意見し合うこと以上に、価値があることはなかなかないと思います。

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