今年のクリスマスは、ひと手間加えてもっと楽しく♪
日本とは少し違った、ドイツのクリスマス
【12月1日~】アドヴェント(待降節)がやってきた!
クリスマスへのカウントダウンをしよう!
アドヴェンツカレンダー
アドヴェンツカレンダーは、12月1日から12月24日までを数えるためのカレンダー。よく売られているのは1から24の数字の窓が作られたボード状の紙製カレンダーで、窓を開けるとそれぞれに小さなチョコレートが入っています。チョコレートは一つ一つ味や形が異なることも多く、1日1回窓を開けて新しいチョコレートとの出会いを楽しみながら、クリスマス・イブの日を心待ちにします。アドヴェンツカレンダーは、中身を自分で入れられるものや、キャンディーや小さなプレゼントが入ったものなど、バリエーション豊か。中にはゼロから自分で作るドイツ人もいて、クリスマスをどれだけ楽しみにしているのかがうかがえますね。
アドヴェンツクランツ
アドヴェンツクランツは、水平に置いたリースに4本のろうそくを立てたもの。ドイツでは、アドヴェント期間中にやってくる日曜日ごとに、このろうそくに1本ずつ火をつけ、クリスマスまでカウントダウンをする風習があります。お店で売っているものもあれば、もみの木を使って手作りする家庭もあり、そのデザインはさまざま。しかしろうそくは必ず4本で、1回目の日曜日には1本、2回目の日曜日には2本…と1本ずつ増やしていきます。4本目のろうそくに火がついたとき、クリスマスはもう目前です。
買い物はクリスマスまでに少しずつ済ませてておこう
ここでで売られているのは、ツリーに飾るオーナメントや、ドイツの伝統的なお菓子・レープクーヘン、マルツィパン、クレープ、シュトレンなどのお菓子、焼きたてのソーセージやじゃがいも、スパイスの香り高いグリューワインなど。子どもにはキンダープンシュといって、アルコールの入っていないグリューワイン風味のぶどうジュースもあります。必要なものを買い集めながら、お菓子やドリンクを楽しんでいると、クリスマスがやってきたと実感できます。
多くのクリスマスマーケットは、12月24日には閉まってしまいます。日本でも25日を過ぎると一気にお正月になってしまうので、それまでに必要なものをそろえておきたいですね。
【12月6日~】わくわくが高まっていく日々♪
プレゼントが2度もらえる!?聖ニコラウスの日
聖ニコラウスは、白く長いひげに赤い服、そして先の曲がった杖を携えているのが特徴です。一緒にクネヒト・ループレヒトという従者を引き連れていて、いい子どもには聖ニコラウスがご褒美を与え、悪い子にはクネヒト・ループレヒトがおしおきをするのだとか。この時にもらえるご褒美は、グミやチョコレートといったお菓子などのプレゼントで、クリスマスの日にもらえる希望のプレゼントよりも小さなものであることが多いそうです。
ツリーを飾るのはイヴの日まで待ってみて
【12月24日】待ちに待ったクリスマス・イヴ!
ツリーの飾りつけを始めよう!
ツリーを飾り終えたら、用意していたプレゼントをその根元に積み上げます。しかしまだ早まってはいけません。プレゼントを開けるのは夜になってからです。
夜はお楽しみ!プレゼントを開けよう
12月6日は聖ニコラウスがプレゼントを持ってきましたが、12月24日は誰が持ってくるのでしょうか?それは天使のように羽をはやした、「クリスト・キント(幼いキリスト)」です。クリスマスは本来、キリストの生誕祭。だからサンタクロースがやってくるのではなく、天使の恰好をした小さなキリストがプレゼントを配ってくれるんですね。ただし、クリスト・キントではなくヴァイナハツマン(ドイツ語でサンタクロース)がやってくると言われることもあり、地域によってさまざまなお話が伝えられています。
プレゼントを開けるタイミングも家庭によりますが、夕食の後、子どもたちがクリスマスの歌を歌ったり、本の朗読をしたりした後が多いようです。親が子どもにプレゼントをあげる日本と違い、ドイツではお父さん、お母さん、子ども、おじいちゃん、おばあちゃん…と、家族が一人ひとりに用意。山のように積まれたプレゼントの中から、「誰がくれたのかな」「何が入っているのかな」と、何時間もかけて、家族と一緒に楽しくプレゼントを開けていくのです。クリスマスの中でも、一番楽しいひとときです。
【12月25日・26日】家族との時間を過ごす、クリスマスの日
メイン料理は鶏?魚?
定番は七面鳥や鴨のロースト
ドイツの家庭でよく出てくるクリスマス料理は、七面鳥や鴨、ガチョウ、鶏などを使ったもの。代表的なのが、日本でもクリスマス料理として真っ先に思い浮かべる人の多い、丸焼きやローストです。シンプルな料理ですが、オリジナルで混ぜ合わせたスパイスをもみ込んだり、グレイビーソースを用意したりと、それぞれに家庭の味があります。
メインは家庭や地域によってさまざま
地域や家庭により、鶏料理以外のクリスマス料理が出てくることもあります。例えば「カルプフェン・ブラウ」と呼ばれる鯉料理や、豚肉や牛肉のステーキ…。同じ家庭でも、「今年はこれにしよう」と年によって変えることもあるそうですよ。
クリスマスのお菓子をたくさん用意しよう!
クリスマスのお菓子といったらコレ!シュトレン
最近は日本でも見かけることが多くなったシュトレン。ドイツ語で「坑道」という意味で、細長い形からそう呼ばれるようになったようです。また表面に粉砂糖が隙間なく振りかけられた姿が、幼いキリストを産着でくるんだように見えると考えられ、クリスマスでは定番のお菓子となっています。日持ちがするので、アドヴェントの期間から一切れずつ食べ進めていくと、たくさん混ぜ込まれたレーズンやオレンジピールの味わいが生地に移って、味の違いを楽しむことができます。
やみつきになる伝統の味・レープクーヘン
クリスマスになると、クリスマスマーケットやスーパーマーケットなど、ドイツのあちこちで見かけるようになるレープクーヘン。シナモン、アニス、コリアンダーといったスパイスをふんだんに使い、はちみつで甘味を加えた、パンのようなスポンジ状のお菓子です。伝統的な味わいを守るため、レープクーヘンと名乗れるものの品質は法律で定められていて、ドイツのどこでも同様の味を楽しむことができるそう。チョコレートでコーティングしたり、ナッツやオレンジピールを混ぜ込んだりといったバリエーションも豊富です。スパイスの味が強烈で、日本人にはなじみのない味わいですが、慣れるとやみつきになりますよ♪
多様な形・味わいのクッキーたち
ドイツでクリスマスに食べられるクッキーは、形、味わいなど多岐にわたります。たとえばプレッツヒェンは、よくドイツの家庭でも作られる厚みのあるクッキー。普通の丸い形から、月型に形成したもの、星型に抜いたものなどがあり、そこからさらにジャムを挟んだり、チョコレートをかけたり、アイシングでデコレーションをしたりします。出来上がったクッキーを一皿に盛ると、さまざまな色や形のクッキーが、まるで宝箱のように見えますよ。
またシュペクラティウスというクッキーは、カルダモンなどのスパイスを使い、薄く焼き上げたもの。クリスマスに関連する絵柄が型押しされており、一枚一枚違う表情を楽しむことができます。香ばしく軽い口当たりで、つぎつぎ手が出てしまい、コーヒーが欲しくなる味わいですよ。この記事でご紹介した以外にも、ドイツにはクリスマスに食べられるお菓子がたくさんあるので、興味があればぜひ探してみてくださいね!
そうして迎える12月25日・26日は、ドイツで「クリスマス第1日」「クリスマス第2日」として指定されている祝日。街中の多くのお店が閉まり、人通りもほとんどなくなります。その代わり、人々は一つ屋根の下家族や親せきとともに集まって、穏やかなひとときを過ごすのが一般的。きらびやかに飾ったクリスマスツリーをながめながら、プレゼントを開け、美味しい食事やお菓子を楽しみます。日本では恋人と過ごす日というイメージが定着していますが、ドイツではキリスト教の重要な日であるだけでなく、1年の最後に家族と静かな時間を楽しむ特別な日なんですね。