人は、朝は理性的で夜は感情的な傾向にあるとされます。

これには交感神経と副交感神経のスイッチが関係しており、心身を緊張させる交感神経が優位な朝は理性的、心身を弛緩させる副交感神経が優位な夜は感情的に。そのため、日中は小さかった悲しみや不安が夜に大きく膨らみやすくなるのです。

嬉しい出来事を思い出し、意識して幸せな気持ちを膨らませましょう。

スリー・グッド・シングスは、ポジティブ心理学を確立した米ペンシルベニア大学のセリグマン博士が行った研究が元になっています。TGTエクササイズと呼ばれ多くの追実験も行われています。

研究では1000名以上の被験者に対し、毎晩寝る前に今日あった良い出来事を3つ書き出してもらいました。すると、幸福に関するさまざまなメリットがわかったのです。

日々の満足度が上がる一方で、抑うつ度が減少することがセリグマン博士の研究によりわかりました。気分の落ち込みや後ろ向きな思考がちょっと改善。結果的に幸福度が向上しますよ。

ストレス耐性の強化には、規則正しい生活により自律神経を整えることや、環境的な要因と向き合うことに加え、物事をポジティブに捉える視点が必要とされます。スリー・グッド・シングスを行って良い出来事に注意を向ける習慣により、ポジティブに捉える力が鍛えられますよ。

ある程度のストレスは原動力となるケースもありますから、ストレス自体にネガティブな印象がなくなればベストですね。

良い出来事を振り返る習慣は、信頼度のアップにもつながります。人同士の信頼関係は、身近なコミュニティはもとより経済成長にも影響を与えるとされています。この信頼度を高めると考えられるのが、幸福とメンタルヘルスなのです。

幸せだな。そう満たされている時、脳内では幸福に関する神経伝達物質がたくさん分泌されています。幸せホルモンとも呼ばれる伝達物質は次の5つにわけられます。

・セロトニン型
・オキシトシン型
・テストステロン型
・エンドルフィン型
・ドーパミン型

セロトニン型が最も持続的で穏やかであるのに対し、ドーパミン型が瞬間的で興奮に近いです。

今日あった残念な出来事を思い出す。それは胸がきゅうっと痛む時間になることもあるけれど、だからこそ「明日は頑張ろう！」と思えたりもしますよね。

スリー・グッド・シングスのようなポジティブな気持ちの醸成は、前述のような良い意味での"緊張感"を減らしてしまう場合が。実際に、同じ事象をポジティブに捉えた方がネガティブに捉える場合よりも長期的に見た時に成果が下がるという研究例もあります。

スリー・グッド・シングスをやってみたけれど、どうしても嫌なことを思い出して悲しくなってしまう。そんな時はノートを閉じてしまいましょう。そもそもスリー・グッド・シングスは、きっと幸福になると前向きに信じて取り組むことが条件。自分には合わないかもと感じたら無理に続けず、好きな音楽を聴くなどしてリラックスしてくださいね。