そんな時、複数の仕事を同時に行う「マルチタスク」をしたくなりませんか?マルチタスクと聞くと、仕事のできる人が効率化のために実践しているようなイメージがあるのも事実ですよね。
私たちがマルチタスクをしたくなるのはどうして?
まず、どうして私たちはマルチタスクをしたくなるのでしょうか。それは普段私たちが二つ以上のことを同時に行っているからです。歩きながら電話をしたり、音楽を聴きながら料理をすることは、当たり前のことのように思えますよね。
日ごろの経験から、仕事においても同時に二つ以上のことをこなした方が効率がいいのではないか、と思うのは自然なことかもしれませんね。
気になる、マルチタスクの効果とは?
では、マルチタスクによって実際に仕事ははかどるのでしょうか。マルチタスクをしている時、脳は複数のことを同時に行っているのではなく、スイッチを切り替えています。
もともと脳は一つのことにしか集中できないという性質を持っています。そのため、マルチタスクをしていると思っていても、実際にはスイッチを短時間で切り替えているのです。
スイッチを切り替えるとは、思考を組み立て直すということ。切り替えが多ければ多いほど、一度組み立てた思考を手放し、違うことについて新たに組み直す作業が増えてしまいます。
一見仕事がはかどっているように見えるマルチタスクですが…、実は時間的にも思考的にもロスが多く、効率が悪いと言えるでしょう。
それでもマルチタスクをしたくなるのはどうして?
では、次にどんな時にマルチタスクがしたくなるか考えてみましょう。何か一つのことに集中している時というのはほかの仕事が目に入らなくなりますよね。
「AをしているのにBが気になってしまう」のは、集中できていない証拠なのです。それなのに、マルチタスクをすることで「仕事をこなしている」という錯覚を覚え、そのことに満足してしまいます。
錯覚とは気づかずにもっと満足感を得ようと、さらにマルチタスクがしたくなる…これでは負のループですよね。
マルチタスクは実は非効率。“一つのことに集中しよう”
脳は一つのことにしか集中できないということをしっかり肝に銘じましょう。そして、「マルチタスク=仕事ができる」というイメージは、すべてリリースしましょう。
マルチタスクをしていると、「こっちの資料のポイントはなんだっけ?」とか、「さっき調べたメモはどこいった?」など、結局もう一度見直したり、考え直したり、探しものに時間を取られてしまったりするのも、よくあることです。
やるべきことは「TO DOリスト」化を!
やるべきことはマルチタスクではなく「TO DOリスト」化することで、ひとつひとつ集中して取り組んでいく方が、結果的に仕事が早く終わるでしょう。また、集中力も上がるほか、記憶にも残りやすいといえそうです。
マルチタスクよりひとつひとつを確実に。
仕事ができそうなイメージのあるマルチタスク。いつも何故だか忙しそうに見える人がいたら、マルチタスクをしているせいかもしれません。
脳のしくみは誰しも同じ。ひとつひとつやるべきことに集中して取り組む方が、仕事効率も内容もより良いものになるでしょう。忙しい時ほど確実にこなすという意識をしっかりと持ちたいですね。
職場において企画書を作ろうという時、完全に企画書だけに取り組める状況であることは、きっと少ないでしょう。メールや電話、そのほかの業務、上司や同僚から話しかけられることも多いですよね。