マイナス感情は本当に悪いこと?
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朝起きて家事をし、仕事に行き、子育てをし…毎日同じように思える日々でも、感情は常に変化していくもの。電車で隣の人にイライラしてしまったり、同僚の一言に傷つけられたり、時には天気や気温にイライラしたりすることだってあります。機械ではない感情がある人間。当たり前のように誰にでも、マイナス感情はあります。「マイナス感情=悪いこと」と決めつけて、自分の感情に蓋をしていませんか?
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マイナス感情は決して悪いものではありません。感情の処理の仕方を知ることで、マイナス感情は自分の味方になってくれることも。この記事では、マイナス感情の処理の仕方・思考法をご紹介し、「家庭」・「職場」・「日常」の3つのカテゴリ別に具体的なシーンと、その対処法をお伝えしていきます。
自然に湧いてくる「マイナス感情」との付き合い方 Q&A
Q.感情を押し殺すのではなく、向き合うってどういうこと?
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感情を押し殺さずに感情と向き合うと言われても、どうしたら良いかわからないですよね。怒り・嫉妬・イライラ…マイナス感情が湧いてきた時、あなたはどうしていますか?この問いに答えられない人も多いかもしれません。でも自然と、ポジティブに考えよう、そんな事おもっちゃダメだ…などと、その時の感情を否定していませんか?自分でも気付かないうちに感情を押し殺して、なかったことにしている人は多いと思います。けれどもマイナス感情は、抑えれば抑えるほど大きくなっていくもの。マイナス感情とうまく付き合っていくためには、感情と向き合うことが必要です。
A.感情をそのまま受け止め、観察すること
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マイナス感情がやってきたと思ったら、その感情をそのまま受け止めてみてください。例えば思い通りにいかずイライラしてしまった時、「今、私はイライラしている」と自分がイライラしているという”事実“を受け止め、そのままイライラの感情を感じてみます。それができたら、「どうして私はイライラしてるんだろう?」と考えてみます。「本当はどうしたかった?」「どうしたらそうできた?」と自分に疑問を投げかけ、感情を観察していきます。この一連の流れが「感情と向き合う」ということ。そうすると時間と共にマイナス感情はなくなり、元気になっていきます。
Q.どうしても感情を受け止められない時は?
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「感情をそのまま受け止める」と言っても、今までずっと感情に蓋をしてきた人が、いきなりそのまま受け止めるのは難しいかもしれません。マイナスを感情を抱くこと自体が許せない、良い人でありたいと思うとついマイナス感情を否定してしまいますよね。
A.”自分“を”他人“に置き換えて考える
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怒っている人がいたら、「今あの人は怒ってるんだな」とわかりますよね。他人のことは客観的に見ることができるのに、自分のことを客観的に見るのは難しいもの。マイナスの感情が湧いてきたらまず一呼吸おいて、「今自分は怒っているんだな」ともう1人の自分が今の自分を見ているように考えてみましょう。これを「自己客観視」と呼び、これができると感情とうまく付き合うことができますよ。
こんな時どうする?醜い感情を抱いてしまった時
家庭編
シーン① 夫が家事・育児をしてくれなくてイライラする時
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夫が家事・育児をほとんどしてくれない。そのことにイライラした事がある女性は多いかもしれません。家事を頼むと嫌な顔をされたり、手伝ってくれてもやり方が違って二度手間になったり…。夫は外で頑張って働いてくれているからと自分を納得させても、家事・育児に休む暇がない中、夫がソファでスマホをずっといじっていたらまたイライラしてしまう。そんなことの繰り返しに疲れてしまいますよね。
⇒「良い妻」でいようとするのをやめる
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家事・育児は完璧に自分がしたいと思っていませんか?良い妻でいようとすればするほど、夫へイライラする自分も許せなくなってしまいます。「家事をやってくれない夫に怒ってる」とうい事実をまず認めましょう。良い妻でいようとするのをやめるんです。そうすることで、無理に妻としての役割を果たさなくて良いんだと思え、イライラすることも少なくなりますよ。
シーン② 毎日飲み会で遅い夫に嫉妬してしまう時
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独身の時は気兼ねなく友人と飲み会や遊びに行けていたのに、結婚するとそうもいかないですよね。なのに夫だけ毎日のように飲み会で遅く帰ってくると、ずるいと思ってしまいます。付き合いで仕方なくとわかっていても、帰りが遅いことに寂しくなったり、嫉妬してしまったりします。
⇒むしろラッキー?自分のために時間を使う
怒りや嫉妬を、プラスの方向に向けてみましょう。「夫より楽しんでやる!」と、悔しさを糧に思いっきり自分の時間を楽しみましょう。時には家事を休んで、ゆっくり本を読んだり、実家に帰ったり、友人と会ったり。自分の時間に目を向けることができれば、夫の帰りが遅いことが気にならなくなりますよ。
シーン③ 子供が言うことを聞かなくてイライラしてしまう時
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子供は可愛いけど、言うことを聞いてくれないとイライラしてしまうこともありますよね。イライラしてしまうと余計に子供を許せなくなったり、追い詰めてしまったりしませんか?そしてそんな自分に自己嫌悪…。悪循環からなかなか抜け出せなくなってしまいます。
⇒たまには夫や親に甘えて、1人の時間を作る
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かわいい子供に、なぜイライラしてしまうのでしょう?根底に、子供にしっかりしてほしい、しつけをしっかりしなくてはという気持ちがあるのではないでしょうか。完璧主義で、自分のことが許せないと、子供にイライラしてしまいます。そんな時は、夫や親に子供を預けて、無理にでも1人の時間を作りましょう。自分がイライラしてたのは何でだろう?とゆっくり考える時間ができると、きっと子供にも優しく接することができるはず。
シーン④ 夜、子供が寝付かなくて疲れてしまう時
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夜、子供がなかなか寝付かないことが続くと、疲れてしまいますよね。何時までに寝なきゃと思えば思うほど、うまくいかなくてどんどん不安になってしまいます…。睡眠不足が続くと余裕もなくなってイライラすることが多くなり、どうすればいいかわからなくなってしまいますよね。
⇒子供が眠くなかったら、寝かせなくていいと考える
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子供が眠くなったら寝かせればいいと考えてみましょう。子供といっても1人1人、適切な睡眠時間は違います。常識に囚われて何時までに寝かせなきゃと思うと、うまくいかなくてイライラしてしまいます。子供の好きなようにさせて、ゆるく構えていると自然と子供も寝たい時に寝てくれますよ。
シーン⑤ 親からの余計な一言に、怒りや悲しみを感じる時
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いつ結婚するの?子供は?などと会うたびに言われると、ついイラッとしてしまいますよね。自分のペースでやらせてほしいと思っても、親の望みを邪険にすることはなかなかできないもの。でも現実は親の望み通りにはいかなくて、そんな自分に嫌気がさしたり、親のせいにしたりしてモヤモヤ…。
親の望み通りに生きようとしない
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今まで大切に育ててくれた親に対して反抗するのは心が痛みますよね。親とはいえ、自分とは違う人間。親の望み通りに生きるのは不可能です。1番大切なのは、自分の気持ちです。自分の価値観をしっかり理解し、親とは必ずしも同じではないということをわかるようにしましょう。そうすれば親の一言に振り回されることは少なくなります。
職場編
シーン① 話の通じない上司に、イライラしてしまう時
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上司がちゃんと部下の仕事を理解していないことがわかると、イライラしてしまいますよね。仕事の相談をしても話が通じないと、仕事がスムーズにいかなくなってしまいます。でも上司に相談しないと仕事が前に進まないこともしばしば。自分ではどうすることもできない状況にストレスが溜まってしまいます。
⇒上司に期待しすぎない
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上司なんだから、自分より仕事ができて当たり前と思っていませんか?上司も人間。もちろん、部下の仕事を把握する必要がありますが、できない時だってあります。自分にとっての常識が、相手にとっては常識じゃないということはよくあります。イライラする自分を認めたうえで、どうしたら相手に話が通じるか考えてみましょう。
シーン② 言う事を聞かない後輩に、怒りを感じる時
後輩指導を任されたが、後輩が全く言う事を聞いてくれない。ミスばかりで注意しても謝らない。しまいには他人のせいにする…。そんな後輩に怒りを感じるけど、言う事を聞いてくれないのでどうしたらいいかわからなくなってしまいますよね。思わず後輩に怒ってしまい、自己嫌悪におちいることも。
⇒1人で抱え込まないで、周りに協力を求める
後輩指導を任されたから、1人でなんとかしないとと思っていませんか?「〜しないと」と思ってやることは、大抵うまくいきません。後輩への怒りの感情を認めて、同僚や上司に相談してみましょう。他の人に協力してもらえれば、状況がすぐに変わらなくても、気持ちは楽になるはずです。
シーン③ 会議やプレゼンが不安で仕方ない時
重要な会議やプレゼンの前は、うまく話せるか不安になって眠れなくなってしまうことも。ずっとそのことを考えて不安な気持ちに押しつぶされてしまいます。堂々とした同僚と比べると、そんな自分が嫌でさらに落ち込んでしまいますよね。
⇒ネガティブな気持ちを認めて、深呼吸
「心配」や「不安」な気持ちをまずはそのまま受け止めてみましょう。「心配だよね」「不安だよね」と自分で自分を認めてあげると、気持ちが落ち着いてくると思います。そしてゆっくり深呼吸をしましょう。次第に呼吸に集中できて、不安な気持ちもなくなっていきますよ。
シーン④ 自分だけ仕事が多いと感じてモヤモヤする時
自分ばかり仕事量が多く、気づいたら1人で残業…。仕事を頼まれるのは嬉しいけど、そんな状況になんだかモヤモヤしてしまいます。次から次へと振られる仕事に整理がつかず、常に不安やストレスがつきまとうことに。仕事を任せてもらったからと思うと、上司や同僚に頼ることもなかなかできないですよね。
⇒やるべきことをノートに書き出して客観視する
少し時間を取って、やるべきことをリストアップしてみましょう。ノートに書き出すことで頭の整理ができ、今の状況を客観視できます。優先順位をつけて仕事をすることができますし、1つ1つ仕事を終わらせることで気持ちもスッキリ。その上でまだ仕事量が多いと感じるのであれば、早めに上司に相談してみましょう。
シーン⑤ 同僚の成功に嫉妬してしまう時
同僚が仕事で褒められたり昇進したりすると、嬉しい反面、嫉妬心を抱いてしまう時もあります。自分だって頑張っているのに、何であの子だけ?と思うと、仕事へのやる気を削がれてしまうことも。そんな自分の醜い感情が見えると、気分も落ち込んでしまいますよね。
⇒悔しさを成長の糧にする
嫉妬心は人間である以上、自然に湧き出でくるもの。なくすことはできませんが、嫉妬心を使って自分自身を成長させることはできます。まずは「自分は同僚の成功に嫉妬している」という事実を認めましょう。そうすると、自分がほしいと思っているものは、同僚が手にした成功だということがわかります。自分の目指すものがわかったら、後はその未来に向かって行動するのみ。嫉妬心は自分の成長の糧にしましょう。
日常編
シーン① 満員電車で周りの人にイライラする時
毎日の通勤で電車を使う方は、満員電車にストレスを感じている人も多いのではないでしょうか。周りの人との距離が近いとそれだけで不快な気持ちになるし、臭いが気になることもありますよね。毎日のことなのでなんとかしたいけど、イライラはなかなか止められません。
⇒何か集中できることをする(本を読む、勉強するなど)
満員電車にイライラするのは当たり前のこと。他人にイライラを募らせてストレスを溜めるくらいなら、何か集中できることをしてみませんか?本を読んだり仕事の勉強をしたりラジオを聞いたり。何でも良いので、自分が好きな集中できることをしてみましょう。時間を有意義に使えて、他人の行動も気にならなくなりますよ。
シーン② 友達に良いことがあったのに素直に喜べない時
友達に彼氏ができた、結婚した、子供ができた…嬉しい報告を聞いた時、素直に喜べなかったという経験はありませんか?大好きな友達の嬉しいことを素直に喜べない自分に、嫌気がさしてしまいますよね。自分だけ置いていかれた気分になって寂しい気持ちになっているのかもしれません。
⇒自分の“本音”を聞く
大好きな友達に対して負の感情を抱いてはいけないと思っているのではないでしょうか。どんなに相性が良くても、相手に対してマイナス感情を抱くことだってあります。友人の幸せを素直に喜べない理由が必ずあるはず。「自分は彼氏がいないのに、惚気話をしてくるのが嫌」「結婚に対して焦っている」など自分の本音を探りましょう。本音がわかるとスッキリして、時間が経てばまた友人の幸せを喜べる自分になれるはずです。
シーン③ 待ち時間にイライラしてしまう時
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頼んだ料理が来ない、風邪をひいてるのに病院の待ち時間が長い、エレベーターが全然来ないなど、思いがけず“待つ”時間にイライラ。思ったより待ち時間が長くなると計画通りに行かなくなって、「やることいっぱいあるのに!」と思ってしまいます。
⇒待ち時間にやることを決めておく
毎日、待ち時間は必ずあるもの。待ち時間を受け身の時間にしないで、自分のやりたいことをやる時間にしましょう。待ち時間にイライラしてしまう人は、忙しくて時間がない人が多いのではないでしょうか。溜まったメールを確認する、その日にやりたいことを考えるなど。普段忙しくてできないことを待ち時間にやる癖をつけると、待ち時間を有意義に使うことができます。
シーン④ “いい人”ぶっている自分にモヤモヤする時
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ついお世辞を言ってしまったり、相手に合わせて自分の意見が言えなかったり…。自然と“いい人”ぶっている自分に気づくと、なんだか落ち込んでしまいます。自分の意見をはっきり言える人がうらやましいけど、どうしてもいい人の仮面を外せなかったりします。
⇒本音で生きた方が、自分の魅力が出ます
誰しも相手にいい人と思われたいと思っています。でも自分の本心を隠していい人ぶっても、周りの人はいい人と思ってくれません。あなたが本音で生きてこそ、あなたの魅力が最大限に生かされるのです。素の自分を出すのはこわいかもしれません。まずは自分で自分自身を認めてあげましょう。素の自分を出しても、あなたのことを嫌う人はきっといません。むしろ本音を話してくれたことを喜んでくれるのではないでしょうか。
シーン⑤ 気付けば文句や愚痴ばかり言ってしまう時
友達や家族に愚痴ばかり言っている自分に気付くと、嫌気がさしてしまいますよね。愚痴を言うのは悪いことではありません。愚痴を言ってスッキリすればいいですが、常に愚痴を言っていると自分も周りも疲れてしまいます。
⇒感謝できることをリストアップする
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文句や愚痴ばかり出てくる時は、感謝が足りていない時。立ち止まって、感謝できることをリストアップしてみましょう。目線を変えれば、感謝すべきことはたくさんあります。健康でいられること、おいしいご飯が食べれること、落ち着く家があること…どんなことにも感謝することで、どれだけ自分が恵まれているかわかるのではないでしょうか。
マイナス感情は誰にでもあるもの。立ち止まっていたらもったいない!
怒りや嫉妬、不安などマイナス感情と向き合う方法をご紹介しました。いかがだったでしょうか。自分の醜い感情はどうしても見て見ぬ振りをしたくなりますよね。けれどもマイナス感情は誰にでもあるもの、その感情に振り回されずに前に進むことが大切です。まずは自分自身の感情を認めてあげてくださいね。