たった一言にも、マナーあり
瞬時に適切な言葉の選択を迫られる「とっさの一言」。たいてい無意識に出る言葉だからこそ、正しい日本語を使える人かどうかが分かってしまうポイントでもあります。
そこで今回は「とっさの一言」で失敗しがちな言葉と正しい言葉を、シーン別にご紹介します。
どんなときでも臨機応変、正しい言葉使いをすることは、大人女性のたしなみ・マナーとして大切なこと。この機会に、言葉美人を目指してみましょう。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
カフェ・レストランでの「とっさの一言」
オーダーの時
大きな声で「すみませーん!」と叫んで店員さんを呼ぶことは避けたいですね。
そこで、軽く手をあげたり、アイコンタクトで店員さんがテーブルに近づいたら「注文お願いします」と声かけましょう。
支払い時
お支払いの時にも気を付けたい言葉があります。それは「お愛想」です。ついつい「お愛想お願いします」と言ってしまいそうですが、お愛想という言葉はお店の人が使う言葉なので、「お勘定お願いします」と伝えましょう。
職場での「とっさの一言」
「すみませんが…」を言い換えて
咄嗟に出てしまう言葉に「すみません」「わかりました」などの言葉がありますが、これらの言葉にはよりよい一言があります。
謝罪する時に使う「すみません」は「申し訳ございません」に。
話を始める時に使う「すみませんが…」の時は「恐れ入りますが…」という言葉に変えて使ってみましょう。
「わかりました」を言い換えて
また、「わかりました」という言葉も気軽に使ってしまいがちですが、「承知いたしました」「かしこまりました」という言葉の方が、丁寧な印象を受けますね。
「つまらないものですが…」を言い換えて
カタカナ言葉に、「お」を付けない
「~~になります」はNG
「こちらが資料になります」「お手洗いはあちらになります」というのは本来の使い方ではありません。
「なります」という言葉は今の状態から新しい状態へと変化することなので、資料やお手洗いなど、変わらないものは「○○○です」という言葉を選びましょう。
お願いごとには「クッション言葉」を添えて
相手に依頼、お願いをする時に、「クッション言葉」を、あたまに付けるようにしてみましょう。代表的なクッション言葉は、「お手数ですが」「恐れ入りますが」「申し訳ありませんが」などが挙げられます。
たとえば「ご記入ください」ではなく、「お手数ですが、ご記入頂けますでしょうか」に。
また、「少々お待ちください」ではなく、「恐れ入りますが、少々お待ち頂けますか」と、クッション言葉を足しましょう。一言挟むだけで印象が変わります。
友人との会話での「とっさの一言」
ポジティブな言葉を、意識的に使う
自分が疲れているときは、ついつい大切な友達と一緒にいても、気の置けない関係だからこそ、ネガティブな言葉を選びがちです。しかし、その言葉を聞いて、相手が不快な気持ちになってしまうことは、避けたいですよね。
たとえば一緒にスイーツのお店に行ったのなら・・
「○○○を食べる気しない」ではなく「今日は、○○○にしようかな」などと、嫌いな部分よりも好きな部分に目を向けて言葉を選んでみましょう。
ざつになりがちな「語尾」を、大切にする
「今日忙しい?」よりも「今日は忙しいかな?」に。また、「今日は甘いものがたべたい!」よりも「今日は甘いものがたべたいな」と語尾に気を配ると、とても柔らかい印象を醸し出すことができます。
二重表現にご注意
「後で後悔したくないよね」「あらかじめ予約」など、同じ意味を重ねて使うことを「二重表現」と言います。
もちろん意味がわからなくなることも、困ることもないのですが、日頃から使い続けていると間違った表現のまま使い続けてしまうので、気を配りましょう。
ついつい言いがちな、「すごい美味しいね」
子どもに対する「とっさの一言」
なんでも「だめ」で片付けず、していいことを教える
「走っちゃだめ!」と言っても走り回る、幼いわが子。聞こえてないのかな?と思うほどこちらの言葉は通じていません・・・。こんな時はちょっと言葉を選びなおしてみましょう。
危ないから、迷惑だからと親はいけないことを子どもに話そうとしますが、実は逆にしていいことを教える方が子供はわかりやすいといわれています。
たとえば、「走っちゃだめ!」ではなく「ここはゆっくり、忍び足で歩いてみよう」と、どのように歩いたらいいのかを教えたりすることが大切ですよ*
おわりに
日常生活の中での何気ない言葉も、実は正式な文法としては間違っていたりと、意識的に気をつけたほうがよいことがたくさんあります。子どもの頃の知識習得によって身に付ける「言葉」ですが、その言葉をいかに使いこなすかという応用力は、大人になってからが大きなポイントになるんですよ。意識するか否かで、大きく差がでてしまいやすいのです。
正しく美しい言葉を選んで話すことで、自分だけではなく、一緒に話している人にも、その言葉の使い方は伝染します。ぜひ、言葉の選び方に気を配って、話している相手とともに楽しい時間が過ごせるといいですね。
丁寧語や敬語、謙譲語など――。日本語には、目上の人を敬ったり、へりくだったりする言葉がたくさんあり、同じ意味を持つ言葉もいくつもありますよね。
そんなややこしい日本語ですが、語彙力に差がでるのが、「とっさの一言」。