健康によい「歩くこと」と、日常から離れる「楽しみ」をかけあわせたのが「○○さんぽ」です。
「歩くこと」は、血流が促進されて代謝がよくなったり、ストレスホルモンが減少して幸せホルモンが増える効果があったりと、いいこと尽くめ。さらに、日常から離れて自然に癒されたり、アートや伝統に触れたりすることで、ポジティブな感情で満たされるようになります。

リフレッシュしたいと思ったときに、無意識に自然を求める方も多いかもしれませんね。視覚や聴覚、嗅覚など五感をフルに使って自然を感じることは、ストレスを軽減したり、高ぶった気持ちを落ち着けたりする効果があります。忙しい平日には近くの公園で、休日には足を伸ばして広大な自然のなかで、「○○さんぽ」を楽しんでみませんか？

樹木に触れ、癒しを求めるのが「森林浴さんぽ」です。フィトンチッドという香り成分や、1/ｆゆらぎという自然音が、ストレスホルモンを減少させ、疲労回復にも効果があります。近くの公園や植物園で気軽に楽しめますし、キャンプや登山といった本格的な森林浴ならリフレッシュ効果は絶大です。

ずっと遠くまで広がる海を眺めに、「海辺さんぽ」はいかがでしょう。聞いているだけで心地よい波の音の正体は、規則正しいリズムと不規則なリズムが調和した、1/ｆゆらぎです。海の青い色には、高ぶった気持ちを落ち着ける働きがあり、開放感も相まって、忙しい日常を忘れるひとときをすごせます。

澄んだ空気や視界の開けた空、どこまでも広がる緑……。想像しただけでもさわやかな気持ちになる、「高原さんぽ」の景色です。日常の暮らしで息苦しさを感じたら、空気のきれいな高原へ出かけてみましょう。高原のやわらかな緑色は、視神経を休める効果があります。新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込めば、体の中からリフレッシュできそうですね。

道端に咲く野の花を見かけると、ふっと肩の力が抜けて心が和む経験はありませんか。花は見る人に癒しを与えてくれます。そんな花が一面に広がる「花の名所さんぽ」はいかがでしょう。秋ならコスモスやソバの花。年が明ければスイセンやロウバイ、春にはナノハナやポピーなど。可憐な花たちに囲まれて、移ろいゆく季節を感じるのも素敵です。

友人や家族と出かけるいつもの街なかも、「○○さんぽ」と銘打っておひとりさまで楽しむのはいかがでしょう。ひとりだからこそ誰にも気を遣わず、自分の行きたいところに行き、食べたいものを食べるなんて、心豊かでぜいたくだと思いませんか？ カフェ巡りをしてもよし、美術館や博物館で知的にすごすもよし、おひとりさまを存分に楽しみませんか？

仕事や人付き合いに疲れてしまったら、動物園や水族館に足を運んでみませんか？ のんびりとした生きものたちをボーっと眺めていると、つらい気持ちもしだいに癒されてくるはず。ふだん動物に興味がない方こそ、日常から遠く離れた「もふもふアニマルさんぽ」を試してみてくださいね。

ひとりでじっくり写真を撮ってまわる「フォトさんぽ」はいかが？ 一冊のフォトブックを作るつもりでテーマを掲げ、歩き慣れた道や見慣れた街、あるいは目的地を決めて出かけてみましょう。いつもとは違う脳の使い方をすることで、新たな発見があるかもしれません。帰宅後にフォトブックを編集し、キャプションを考えるのも創造性を刺激してくれます。

寺社仏閣やレトロ建築、伝統工芸などに親しむ「○○さんぽ」はいかがでしょう。いつもは立ち寄ることのない近くの神社を回るのもいですし、ガイドブック片手に遠出をするのもいいですね。パワースポットの凛とした空気感や、レトロな建物のじわりと味わいのある雰囲気は、慌ただしい日常から少し距離をおくのにぴったりの場所です。

寺社仏閣や霊山、滝など、良い気が満ちているパワースポット。大地のエネルギーが集まっていたり、マイナスイオンが大量に発生していたりする場所です。人生に迷ったとき、自分を見つめ直したいとき、元気がほしいときなど、「パワースポットさんぽ」をしてみてはいかがでしょう。実際に足を運び「動く」ことで、運気に変化を起こすことができるかもしれません。

異国情緒あふれる建物を巡る「レトロ建築さんぽ」。明治から昭和の戦前までに建設されたモダニズム建築は、失われたものも多いながら、未だ全国各地に存在しています。現代建築にはない美しい装飾や、ノスタルジックな雰囲気が魅力です。天井、壁、柱、床など、どこをとっても絵になるデザインをじっくりと堪能してみましょう。

作り手のあたたかみが感じられる器は、食卓を豊かにしてくれますよね。そんな器を作り手さんから話を聞きつつ、直接買い求められることで人気なのが窯元巡りです。工程を見学させてもらい、窯元の背景を垣間見ることもできます。また、焼き物がさかんな地域では窯元がずらりと軒を連ねることも。そんな窯元をめぐる「窯元さんぽ」を、候補のひとつにいかがでしょう。

「歩くこと」と「楽しみ」をかけあわせた、「○○さんぽ」をいくつかご紹介しました。
ほかにも、「温泉街さんぽ」「クラフトさんぽ」「ご当地グルメさんぽ」など……あなただけの「オリジナルさんぽ」を見つけてリフレッシュしてくださいね。