会話中の沈黙……。
会話中の「沈黙」、なぜ気になってしまうのでしょうか。「何か不要な発言が気に障ったんじゃないだろうか」、「自分の話が退屈でつまらないのではないだろうか」など、自分1人で気を揉んでいることも少なくはありませんよね。
その原因として「話は弾ませなくてはいけないもの」、「会話をしている相手に不愉快な思いをさせてはいけない」と必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまっているのかもしれません。
『沈黙は金、雄弁は銀』
『衣装哲学』にあることばで、「Speech is silver, silence is golden.」から。
「沈黙」を、銀よりも高価な金にたとえていったもので、よどみなく話せることも大事だが、黙るべきときを知ることは、もっと大事だということ。
「雄弁は銀、沈黙は金」「沈黙は金」ともいう。
イギリスの思想家・歴史家のトーマス・カーライルは、「沈黙は金、雄弁は銀」という言葉を残しています。「沈黙」は不安がるものではなくむしろ、「価値のあるもの」と捉えるべきものなのです。
『沈黙』上手になろう。
「言葉の重み」をプラスできる
きちんと目を見て話を聞いていたり相槌を打つことで、口数は少ないのに存在感を示すことができます。さらには、口数が少ない分何か話した時に言葉の重みをプラスすることができますね。
「信憑性」を与えることができる
口数が多いとその場が楽しい反面、残念ながら「軽々しい」印象がどうしても生まれてしまうものです。「沈黙」を活かせば少ない言葉の中に「信憑性」を与えることができます。
相手に安心感を与えることができる
会話は相手とのキャッチボールです。淀みなく話されると、聞いておきたいことやふと思ったことなど、口を挟む隙がありません。気になったところはなんでも聞いてね、くらいのゆったりした間がある方が安心感を生みます。
『沈黙』上手になるためのポイント
隙間を埋めようとしない
「沈黙」はあって良いものであって、会話のネタを探してまで隙間を埋めることはありません。隙間を埋めるために別な方向から話を持ってきたがために、かえって雰囲気が悪くなることだってあるかもしれません。
相手に敬意を持つ
親しき中にも礼儀ありという言葉があるように、仕事先の人はもちろん友だちとの会話にだって礼儀は必要です。相手に対する気持ちは言葉の端々に滲み出ます。相手にきちんと敬意を払っていれば「不快な思いをさせていないか」心配する必要はなくなりますよね。
表情に気をつける
敬意をもっていれば自ずと表情も作られると思いますが、「沈黙」の時間は言葉がないだけであって相手との会話は終わっていません。何か考えをまとめているだけかもしれませんよね。黙っていても「あなたの話を聞いていますよ」あるいは、「考えています」という雰囲気は伝えたいですね。
全てを言葉で伝えようとしない
話せば話すほど自分の本当の気持ちから離れていってしまうことがあります。言葉にしないほうが却って良い、という場合もある事を心得ましょう。
話の内容に自信を持つ
特に仕事の場合、内容にしっかりとした自信があれば「沈黙」の時間があっても堂々としていられます。自信のなさ、情報の不確かさを埋めるための言葉は必要ありません。
また、自分の仕事に自信があれば、わざと「沈黙」の時間を作ることによってより効果的にみせることができます。あるいは、「沈黙」の時間を使って異なる意見を受け止めたり新しいアイディアを生むことも可能ですよね。
おわりに
相手に敬意を払い自分に自信をもつことで「沈黙」というのは不安になる要素がだいぶ少なくなると思いませんか?まずは「沈黙」を、苦手なものではなくあるべきものとして受け入れましょう。
そうすると、「沈黙」が生まれてしまうのではなくあえて生み出すなど、会話の仕方も変わるのではないでしょうか。また、言葉数を増やすよりにこりと微笑む回数を増やしたほうが、あなたを思慮深く綺麗に見せてくれることでしょう。これからは、「沈黙」を意識してコミュニケーションしてみませんか?
どんなに親しい友達との会話でも、ふとした時に訪れる「沈黙」の間。いつも話ができる間柄ならばさほど気にならない「沈黙」も、仕事先の人、目上の人だとついつい気になってしまうものです。