“幸せ”を感じながら暮らしていますか?
幸福度の高いデンマークとはどんな国なんだろう。
一方、幸福度の高いデンマークは、よく知られている通り高い税金が国を支える高福祉国家です。高い税金が受け入れられるのは、使い道の透明性が高いことと、自分にも再配分される安心感があるからです。
もちろん様々な国と同じく、問題を抱えていないわけではありません。特に病院を選べないこと、見てもらうまでに時間がかかりすぎることは住民にとって大きな不安要素です。
将来に不安がないことが幸せにつながっている
それでも老後に不安がないこと、教育が開かれていること、失業しても困らないことなど、生きていく上で大きな不安を抱える必要がない、という事がデンマークの人にとって大きな幸せであることは間違いなさそうです。
でもそれだけで幸福度が大きく変わるの?
国が国民を支えるということは、自分が働いたお金が税金として持っていかれるということ。でも、デンマークでは富を再配分する税制をむしろ良いこととして捉えている人も多いのです。
将来に不安がない、これは幸せを生む大きな要因の1つではありますが日本における幸福度との差はそれだけなのでしょうか。
ここで注目したいのがデンマーク人の気質です。何を良しとするか、何を大切にするか。物事の基準が私たちと大きく違うようなんです。
デンマーク人の気質
デンマーク人は、今あるものに感謝する能力に長けていると言われています。もっとあれが欲しいこうなりたい、ではなく現状に満足するのです。
また、「ヤンテの掟」と言われる概念が定着しており、自分にはそんな資格があるのか?思い上がってはいけない、といった自制の念のようなものが出てくるといいます。そのため、「上を目指してさらに良いものを手にする」ことがモチベーションにはなりません。
では、デンマークの人のモチベーションを支えるものは何か、というと家族との時間を楽しんだり新しいことを学ぶなど、心地よさを表す「ヒュッゲ」と言われる時間を持つことなのです。
デンマークの暮らしの中にある“幸せ”
暮らしの中で自然を感じる
気候の厳しいデンマーク。短い夏はバーベキューやピクニックなど、日の光を浴びて自然を感じながら楽しい時を過ごします。
また、車の登録税が高いデンマークでは自転車が普及しています。渋滞でイライラすることもなく、季節の風を感じながら通学や通勤します。
親しい人との時間を大切にする
親しい人との毎日の食事を楽しむことはもちろん、しっかりと休暇をとってバケーションするなど、家族や親しい人と過ごす時間をとても大切にしています。
仕事に縛られすぎない
デンマークでは好きなことを仕事にする人が多く、成功や高い報酬がモチベーションにはなりません。やりたい仕事をやり遂げる達成感、それが仕事に対するモチベーションとなっています。
仕事に支配されないで進めることができるうえ定められた労働時間が短いこともあり、オンとオフの切り替えがとても上手です。
家での時間を充実させる
外食よりも家での食事を充実させたり、照明の明かりを落としキャンドルのほのかな明かりだけでリラックスして過ごすなど、家での時間を充実したものにしています。そんな「ヒュッゲ」な時間には、もちろんキャンドルが欠かせません。
家の中を心地よいものにするためにほ、綺麗に片付いていることも大切ですね。余分には持たず、1つのものを大切に使い続けます。
私たちがデンマークから学びたいこと。
たとえば現状に感謝すること
一生懸命働いて欲しいものを買う、そしてまた働く。それだけになってしまってはいないか、少し立ち止まってみましょう。デンマークと仕事に対する考え方は違うものの、仕事があること、一緒に働く仲間がいることを忘れてはいけませんよね。
一緒に時を過ごす家族、親しい友人がそばにいることもかけがえのないことですね。それはあたりまえなのではなく、幸せなことだと忘れている部分もあるのかもしれません。
小さな喜びにも目を留めよう
とても良い天気であること、美味しいものを食べたこと、自然の中で過ごしたことなど素直に楽しいと思えることにもっと目を向けましょう。なぜならそれが、幸せにつながることだからです。
おわりに
人口も政治も社会も全く違うデンマークと日本。単純に比べることはできません。それでも今あるものを大切にしたり何気ない時間に重きをおく姿勢は学ぶところが多いですよね。改めて幸せとは何か、これを機会に見つめ直してみてはいかがでしょうか。
毎日の暮らしの中で幸せを感じる時間はどのくらいありますか?眠る前のほんの少しの時間、休日前の夜など、ゆっくりとリラックスしながら幸せを噛みしめる時間はなかなか取れないものですね。