洗剤あれこれ、はもういりません
○○用、と名のついた洗剤でなくても汚れの種類をよく知って、それに適したものを使い分ければしっかり汚れは落ちるのです。
それでなくても食べ物を扱う場所ですから、どこもかしこも洗剤をプシュプシュ、は抵抗があります。
ここでは「重曹」と「酢(クエン酸)」を使ったお掃除を紹介します。
うれしいのは「台所用」だけでなく家中どこにでも使えるので「トイレ用」「住居用」などと使い分ける必要がなく、あれこれ買い揃える必要がなくなる、ということ。
肌荒れのおそれも少なくなり、ペットや小さなお子さんのいる家庭でも安心です。
クエン酸は、レモンなど柑橘類に多く含まれている酸。白い結晶タイプのものが販売されています。
精製度によって薬用、食品用などもありますが掃除用には100円ショップなどで売っているもので充分。水に溶かして使います。
金属部分に使う場合にはよく拭き取る、洗い流すなどしないと錆の原因にもなるので注意です。
台所に多い油汚れは酸性なので、アルカリ性の重曹やせっけんがよく効きます。
対して水垢はアルカリ性なので、酸性のクエン酸がよく効きます。
基本の使い分けを覚えていれば、ほとんどの汚れが重曹とクエン酸だけで落とせます。
水周り
毎日使うシンク
スポンジの代わりに麦茶、紅茶のティーバッグなども使えます。お茶の成分が油汚れを浮かし、不織布でできたパックが汚れをかきとります。
じゃがいもなどを調理したら、その皮でざっとシンクをこすっておく。でんぷんがクレンザー代わりになって汚れを落とします。
洗い流したら、できるだけ水滴も拭き取っておきましょう。汚れが付きにくくなります。
水栓金具周りにこびりついた白い汚れ、正体は?
水垢とは水道水の中のミネラル成分である「カルシウム」が付着し、白く固まったものです。
浴槽の縁や、蛇口まわり、鏡、お風呂の壁、台所のシンクなどで見られます。
関東の水は、火山灰層の影響でミネラル成分が多く含まれた硬い水です。
一方、関西はミネラル成分の少ない柔らかい水です。
関西に比べて関東の水は水垢が付きやすいといえます。
水垢を放置しているとこびりついて取れにくくなり、汚れが付着して黒くなってきてしまいますので、こまめにお掃除をしてください。
料理に使ったレモンの切れ端や、ひどくなければ食べたみかんの皮の内側、白い部分でこすってみて。
よく水で洗い流せばピカピカ!輝きがよみがえります。
排水口のぬめり、臭いには
月に一度は徹底おそうじでぬめり、臭いを撃退です。
換気扇
気持ちはわかりますが、汚れを放置すればますます落ちにくくなり、排気が効率よくできなくなります。そうなると、部屋中に油煙が広がってしまうことに…!早め、早めが一番ですよ。
パーツを分解して重曹水に漬けこむ
油汚れに強い重曹ペースト
あれば粉せっけんをプラスしておくとさらに効果がアップします。
古歯ブラシなどでこすると、ほこりと油のギトギト汚れがぽろぽろと…!感動ものです。
コンロ周り
汚れはこまめに落とすのが一番、なのですがそれでも汚れがたまってしまったら、重曹ペーストを塗ってしばらく置くと汚れがゆるんで落としやすくなります。
重曹ペーストはクレンザーのようにも使えます。ラップや不要な布などでこすり、ふき取りましょう。
仕上げは濡らして絞ったふきんでしっかり拭き取って。重曹の成分が残っていると白い結晶が浮き出してきます。
魚焼きグリルの掃除法
億劫なグリルの掃除を楽にするワザがあるのです。
臭いが気になるときに試して欲しいのが、コーヒーのかすや茶がらを使う方法。
湿ったままのコーヒーかすや茶がらを受け皿に広げ、2~3分加熱すると驚くほど臭いが取れるのです。
また、魚を焼く前に湿ったコーヒーかすを入れておくと焼くときの匂いが気にならずコーヒーの香りが漂うのだとか。
油を吸ってくれるので一石二鳥♪
【グリル内部の汚れを落とす/4ステップ】
1)重曹をお湯で溶かす。そのお湯にキッチンペーパーを浸してグリル内部に貼る
※この時に注意したいのはゴム手袋を着用することと、キッチンペーパーをお湯に浸しすぎないこと。ゴム手袋を着けるのは、内部の汚れが手につかないようにするのと、手に傷をつけないため。
2)しばらく汚れが浮いてくるまで寝かせておく。季節にもよるが、約30分が目安
3)汚れが浮いてきたら、そのままキッチンペーパーで拭く
4)不要な箸や割り箸などに布を巻きつけて、残りの汚れを落とす
5)水拭きの後、乾拭きをして完了
電子レンジ、オーブン
重曹水スチームで落ちないこびりつき汚れは、重曹ペーストをつけたスポンジでこすってみましょう。ペーストを汚れにのせてしばらく放置すると落ちやすくなりますよ。
オーブンの場合も同じような工程で掃除できます。
目に見えない臭いには、クエン酸が活躍します。
耐熱容器に水と酢またはクエン酸、レモンやみかんの皮などを入れて加熱すると、酸と皮に含まれる「リモネン」が臭いを消してくれます。
冷蔵庫
レンジ同様、食べものを扱うところですから洗剤などは使わずに掃除したいですね。
ふきん、まな板の殺菌
いかがでしたか?
汚れやすく、掃除がついおろそかになりがちな台所。汚れの種類を知ってアルカリ性、酸性と使い分けることを覚えたら、もう怖いものなしです。
掃除のコツは気が付いたときにこまめにすること。ためないこと。油汚れもすぐ拭く、などしておけば簡単に落とせるものです。
毎日少しずつ、が習慣になればいつもピカピカキッチンに近づけることでしょう。
ナチュラルクリーニングの主役、重曹。食品用として膨張材やあく抜きのために使われる重曹(タンサン)がありますが、近頃はぐっと安価な掃除用のものが店頭に並んでいます。食品用を掃除に使うことは構いませんが、掃除用(工業用)の重曹を食品には使わないようにしましょう。
粉末のまま振りかけたり、少量の水で練ってペースト状にしてクレンザーのように。またしつこい油汚れにはせっけん(粉末、液体)をプラスすると更にパワーアップします。