「婦人科検診」の大切さ、一度しっかり見つめてみませんか
大切なのは「定期的に、しっかり自分の体の健康をチェックすること」です。当たり前と思われるかもしれませんが、女性特有の病気を見つける「婦人科検診」、受診率は5割にも達していないのだそう。
そこで、あらためて「婦人科検診」に、向き合ってみませんか。
今回は「婦人科検診」の理解していただくために、基本的な情報をわかりやすく纏めました。受診したことのない方はもちろん、ある方も、ぜひ、あなたの幸せな未来のために、おさらいしてみましょう。
「婦人科検診」とは
「婦人科検診」とは、先に述べたように、女性特有の病気を早期発見するための検診。乳がんや子宮頸がん、子宮筋腫など、婦人科系疾患の治療に備えることができます。
会社、自治体で手配をしてくれる
恐らく、婦人科検診を“知らない”という方はあまりいらっしゃらないはず。
会社に勤めている方はほとんど、社会保険加入に伴い、集団検診を受けたことがあるかと思います。また、各自治体によって健診料を負担してくれるクーポンが送付されてきますよね。
女性は一般的な健康診断だけでなく、「婦人科検診」をプラスできます。(受診対象年齢になれば、無料で受診できる機会もあります)
つまり、会社にお勤めの方は、年1回は「婦⼈科検診」を受けるチャンスがあるのです。
*説明に入るまえに*知っておいていただきたいこと
日本人の死因で最も多いのは「がん」。“2人に1人”ががんと診断される時代です。
治療が難しい病気であり、できれば考えたくないことかもしれませんが、このような数字と向き合ってみることも大切なこと。
がんを発症した自分をイメージするのではなく、がんになっていない今の自分の状態で、がんと向き合うということです。
万一のために、がん保険、生命保険に入るという備えは大切。ですが、それでよいというのではありません。
今回とりあげる「婦人科検診」は、主に、乳がん、子宮頸がんを見つけるための検診ですが、根本的な「がん」についても、自分なりの考えを持つとよいでしょう。もちろん、家族などと意見を交わすのも大切なこと。
病気を早期発見することで、治療方法の選択肢が広がります。手術で治せるのか、放射線治療か、抗がん剤治療なのか――。初期症状ならば、短期入院や通院で対応できることもあります。
治療期間が短く済むと、治療・手術費をおさえることができます。結果的に、身体的、精神的な負担が軽減され、長期入院に比べて入院費や治療費などの経済的負担も最小限におさえることもできるはずです。
また、治療後もこれまでの日常生活に戻れる確率は高くなり、これからの未来を大きく描くことも可能になってきます。
そんなメリットに対して、“デメリット”があることも、認識しておきたいこと。
すべての検診において言えることですが、100%の精度ではありません。つまり、がんではなくても「要精密検査」と判定される場合があるということです。
早期に見つければがんは完治できるということだけでなく、「誤診の可能性がある」ということも、知っておきましょう。
検診でみつかるがんには、その後進行がんにならなかったり、そのままの状況にとどまったりして、生命に影響しないがんもあります。今のところ、このようながんと普通のがんを区別することができません。そのため早期治療のため、このようながんにも手術などの治療が行われますが、この治療が本来不要だった可能性もあります。
先述のとおり、例えあなたにがんの兆候が見つかったとしても、あなたが特別に悪いということではありません。
よく、がんにならない食生活、がんにならない生活習慣などが取りざたされますが、がんが発症した場合、「それをしていたら、発症しなかった」とも言い切れません。
心やさしい方こそ、自分を責めてしまいがち。しかし、特別に悪いということはなく、天罰でもありません。
健康診断、婦人科検診をパスするという方、意外に多いそうです。
「とにかく忙しかった」「婦人科の病気が見つかったら怖い」「まったく体の不調を感じないから、大丈夫なはず」「お医者さんに、自分の体を見られたくない」「マンモグラフィの乳がん検診が痛い」「お金の問題」と、様々な理由で、受診率はなかなかあがりません。
「2人に1人が、がんになっている。3人に1人が、がんで亡くなっている。」この事実があっても、なかなか自分のことのように、ピンとこないものかもしれません。
もし、自分がガンなどの大病を患ってしまったら――。一度だけでも、じっくりと考える機会をもってみてください。背筋が伸びるような、緊張感を感じられるのでは。
極端な考え方をすれば「私の人生だから、何かあったら私が責任とればいい」と言うこともできますが、実際、そうではないですよね。あなたの一度きりの人生、大切な家族、自分の暮らしを支えてくれている人――。過剰に考えこむこともよくないですが、目をそらさずに、自分が倒れたときのことを考えてみましょう。
検診、病気になった場合のお金の備えや保険の大切さがわかるはずです。
「婦人科検診」の検診項目について
特別な心配や不安は必要ありません。内診として、触診や超音波検査がありますが、外観では分からない内部の様子や痛みなどを確認するためのもの。内科など他の診療科で診てもらうように、気軽にリラックスしながら受診してみましょう。
気になる婦人科検診には、次の2種類の検査があります。
・乳がん検診
・子宮がん検診
どちらも、社会保険はもちろん、自治体による検診の対象になっているので、検診を実施している医療機関に予約をすれば気軽に受けることができます。
・乳がん検診
厚生労働省が発表した統計によると、30代~64歳の女性の死亡原因のトップは「乳がん」と発表されています。34歳という若さで他界された故小林麻央さんの乳がんと向かい合った姿は、まだ記憶に新しいところでしょう。
乳がん検診には、視診・触診によるものと、広範囲で撮影できるマンモグラフィ、触診では判断にしくいしこりを発見することができる超音波(エコー)を用いた検診があります。
現在の国の基準は、子宮がん検診は20歳以上、乳がんは40歳以上となっています。上限はありません。しかし世界の各国では事情により独自の基準を設けていることが多く、一概には決められません。ただし、何歳でも子宮がん・乳がんは発生します。
2006年には、厚生労働省より、「40代以上の女性に対して、2年に一度の視触診+マンモグラフィ併用検診を行う方針」が通知されました。
40代以上の方は、マンモグラフィと超音波(エコー)、両方受けておくのがおすすめです。それぞれの検診の欠点を相互に補うことができます。この通知を受けて、ほとんどの自治体では2年に一度の検診を推奨しています。
ただし、状態の変化には個人差があるため、どのくらいの頻度で検診を受けるべきかは個人の判断にゆだねられます。長期的な計画を立てながら、定期的に乳がん検診を受けるようにしましょう。
・⼦宮頸がん検診
はじめに、「⼦宮頸がん」についてご説明しましょう。その名のとおり、⼦宮の頸部から採取した細胞において、がんの兆候を調べるための検診です。
「⼦宮頸がん」は、若年層でも罹患してしまうことから、とても感⼼度が⾼い婦⼈科疾患。2015年の厚⽣労働省の報告によると、⼦宮頸がんの罹患率は、74⼈に1⼈の確率。は20〜30代を中⼼に増加しており、とても⾝近ながんのひとつとなっています。
⼦宮頸がんの検査は、20歳以上が受診対象となっています。⽅法は「問診→視診(内診)→細胞診」の順番。⼦宮頸がんも、早期発⾒が治療、完治の⼤きな⼀歩になります。まずは、気軽に検診を受けてみましょう。
・⼦宮体がん検診
「子宮頸がん」は若年層の罹患率が高かったのですが、「子宮体がん」は40代後半~60代という中高年層の罹患率が高いのが特徴的です。
一般的に子宮がん検診は「子宮頸がん検診」を指すことが多いため、「子宮体がん」の検診を希望する時は改めて検診機関、医療機関に申し出るようにしましょう。
「婦人科検診」で気がかりなことQ&A
この3つを知っておくだけでも、不安や心配はかなり軽減するはずですよ!
レディースドックでは、CT検査やMRI検査など、一般的な婦人科検診に比べてより詳しく、よりさまざまな種類の検査を受けることができます。
内容的には、「人間ドック」にレディースプランをプラスするイメージといったほうがよいかもしれませんね。
もちろん自己負担金が高くなりますが、とりわけ、些細な兆候も見つけられる最新医療機器での検査は、重視してもよいポイントかもしれませんね。
ただし、検診は、あくまで異常を発見するきっかけで、診断ではありません。「要精密検査」という通知に敏感になりすぎないでよいでしょう。
「検診結果に問題がない=健康体であることの証明」になるので、保険プランによっては保険料が安くなることもあります。
問題は、婦人科検診の検査結果に「要再検査」「要精密検査」などの異常所見が見つかったとき。
万が一のときに備えて、健康な時から保険の契約は事前にしておく方がより有効といえるでしょう。
おわりに
婦人科検診は、がんを早期発見するだけでなく、さまざまな婦人科疾患を発見するきっかけになります。同時に、自分の体の状態に向き合うきっかけにもなるのです。
より健康に、そしてより美しく歳を重ねていくためにも、自分の体の状態について知ることはとても大切。40代を迎える前に婦人科検診の意味を改めて知り、いま一度自分の体のシグナルに耳を傾けてみましょう。
いつまでも健康で過ごしたい―――。
みなさんも、筆者も、だれもが願うことです。愛する家族を思えば、なおのこと。自分が大きな病で倒れてしまったら・・・。考えたくないほど、困ることがたくさんありますよね。