うまみ成分を上手に組み合わせて、おいしさアップ!
日本の食卓になくてはならない「うまみ」。私たちの身近にある貴重なうまみ食材を、理にかなった組み合わせで使い、料理のおいしさをアップしてみませんか?高級食材を使わなくても、工夫次第でうまみたっぷりの上質なメニューが作れます。
「三大うまみ成分」とは?
三大うまみ成分とは、昆布などに含まれる「グルタミン酸」、かつお節などに豊富な「イノシン酸」、干し椎茸に多い「グアニル酸」を指します。そして、うまみ成分を2つ以上掛け合わせることでよりうまみがアップします(組み合わせの相性については、のちほどご紹介)。
グルタミン酸
グルタミン酸は、たんぱく質を構成する20種のアミノ酸のうちのひとつ。グルタミン酸を多く含む食材としては、昆布をはじめ、トマト・玉ねぎ・アスパラガス・ブロッコリー・チーズ・緑茶・マッシュルームなどがあげられます。
イノシン酸
イノシン酸は、核酸を構成する成分のひとつ。カツオ(カツオ節)をはじめ、イワシ(煮干し)・サバ・鶏肉・豚肉・牛肉など動物性の食材に多く含まれます。
グアニル酸
グアニル酸も核酸のひとつ。豊富に含む食材は、干し椎茸が代表的。あとは、海苔・ドライトマト・乾燥ポルチーニ茸などがあります。生の椎茸に含まれるグルタミン酸が、干すことでぐんとアップし、そのうえグアニル酸も!干し椎茸は、単独でダブルのうまみが楽しめる食材です。
【おいしさのポイント!】相乗効果が発揮される組み合わせ
うまみ最強の組み合わせ①グルタミン酸×イノシン酸
うまみ最強の組み合わせ②グルタミン酸×グアニル酸
うまみ成分の掛け算がおいしい「和風料理」
トマトのだし浸し(グルタミン酸×イノシン酸)
昆布と干し椎茸の佃煮(グルタミン酸×グアニル酸)
玉ねぎの緑茶おかか和え(グルタミン酸×イノシン酸)
おからの炊いたん(グルタミン酸×イノシン酸×グアニル酸)
サバの揚げ浸し(イノシン酸×グルタミン酸)
鶏むね肉とブロッコリーのレンジ蒸し(イノシン酸×グルタミン酸)
イワシのつみれ汁(イノシン酸×グルタミン酸)
照り焼き海苔チーズチキン(イノシン酸×グルタミン酸×グアニル酸)
うまみ成分の相乗効果を楽しむ「洋風料理」
マッシュルームの生ハム詰め(グルタミン酸×グアニル酸)
玉ねぎのまるごとコンソメスープ(グルタミン酸×イノシン酸)
海苔チーズカップ(グルタミン酸×グアニル酸)
サバのトマトソース焼き(イノシン酸×グルタミン酸)
イワシのチーズフライ(イノシン酸×グルタミン酸)
ポルチーニ茸とマッシュルームの本格リゾット(グアニル酸×グルタミン酸)
ドライトマトとモッツァレラチーズのピンチョス(グアニル酸×グルタミン酸)
ブロッコリーとしらすのドライトマト炒め(グルタミン酸×イノシン酸×グアニル酸)
三大うまみ成分の掛け算で、おいしい食卓を♪
いかがでしたか?三大うまみ成分を上手に掛け合わせると、おいしさがぐんとアップします。基本知識を身に付けたら、あとは簡単ですね。高級食材を使わなくても、ワンランク上の味が目指せそう。相性のいい食材を選んでから、調理法を工夫してみるのもいいですね。
「うまみ」は、100年ほど前に日本人が発見したものだとか。甘味・酸味・塩味・苦味に続く、第5の味覚として、日本の食卓になくてはならないもの。英語でも“umami”と呼ばれます。