生産地がほどちかい良質な酒米とゆっくりと時間をかけて流れる伏流水を「宮水」とし丁寧に仕込む。
伝統的な手法と近代の新しい知恵を落とし込み、守り育てられてきた福寿。
口にふくむと、まるで果実をかじったかのような香りで満たされる。
この名前を聞いたことあるという方も多いかもしれません。
そうノーベル賞の晩餐会で日本人の受賞者を讃える乾杯は、この福寿。
その世界でたしなまれる日本酒を原料としたあれこれも気になるところ。
神戸酒心館ってどんなところ?
営業推進部の部長である坂井 和広さんは、酒心館で長年酒造業に携わってこられたひとり。
1751年創業の「福寿」(ふくじゅ)は、純粋・正直・無垢というコンセプトで260年以上、すべての行程を昔ながらの手作業で酒づくりをしています。
福寿とは、七福神の福禄寿(ふくろくじゅ)に由来し、皆が幸せであるようにという意で名付けられたそう。
そこで、蔵見学や食事や買い物を楽しんでもらえるような施設を立ち上げよう!
と1995年1月17日に兵庫県にその企画案を提出しようと準備をしていたのです。
ところが、この日の早朝に阪神大震災が発生。酒蔵は全壊し酒づくりが出来る状況ではなくなったのです。
「人が元気に神戸の街にまた人が戻ってきて欲しい」
再建に当たり、これまでのように酒蔵は酒造りをするだけの場としてでなく、お客様にとって魅力ある場にしたいという方針を決定。醸造蔵を中心に食事処、ショップそしてイベントホールなどを併設した蔵として生まれ変わり、1997年に神戸酒心館が誕生しました。
酒心館では、麹も手づくりし、そこから米を蒸す作業も欠かさない。
多くの作業を経て、出来上がる日本酒は格別なものでそれを継承していくためだといいます。
10年ほど前までは、兵庫県丹波地方の杜氏集団を迎えて冬の寒い季節に集中的に行ってきた仕込みを辞めて、社員杜氏制度というものを採用。
その理由としては、杜氏の老齢化が第一に挙げられます。
現在では、ベテランの社員杜氏が若手に伝授しながらより良い醸造環境を整えているといいます。
酒づくりの道具も自ら製作するそうで、若い知恵も柔軟に取り入れているそうです。
「醸造専門の勉強をしていない、一般の学生出身者もたくさんいますよ!」
お酒づくりに興味がある人にも喜ばしい制度ですね。
〒658-0044
神戸市東灘区御影塚町1-8-17
阪神電車「石屋川駅」から徒歩8分
いざ蔵見学!
日本酒の醸造本部の見学から試飲、食事そしてショッピングまで思いっきり楽しみましょう!
「年間を通して、いろいろな蔵見学をご用意しています」
コースも選択可能なので、都合に合わせて参加出来るのも嬉しい。
蔵の料亭 さかばやし
そこで、旬の素材で仕込まれた料理と一緒に福寿を味わえる空間「さかばやし」を併設。
お昼時には、老若男女さまざまな人たちで賑わうのだそう。
窓越しに臨める四季折々の景色も、最高の癒しになりそうです。
思わず歓声をあげてしまいそうなご馳走と日本酒を。
その時々の季節ものを丹精して作った料理は絶品です。
蔵のショップ 東明蔵
ここは、蔵直営だから購入出来る商品もズラリ!
例えば、火を入れていない生酒は市場に卸すことの出来ない貴重な逸品だったり、酒粕やそれらを用いたスイーツもここだけの限定ものが多数。
お土産にちょうどいいパッケージものも揃うので、試飲をしながらゆったりと楽しめます。
広々としたショップ内では、あれやこれに興味津々になってしまいます。
気になる季節のイベント
家族連れでも大いに賑わい、特別なお店も出店するそうで開催情報はWEBサイトなどでチェックしたいものですね。
日本酒は乙女心をくすぐる魅力たっぷり!
という通りに、日本酒の入り口にもぴったりのフルーティーな口あたりには虜にされてしまいそう。
神戸の六甲山系のとっても軟らかな宮水で仕込まれる福寿は、日本酒初心者の女性にはおすすめ。
お酒が苦手な人には、酒粕を使用した料理やスイーツも豊富です。
なんといっても、世界最優秀ソムリエのパオロ・バッソ氏が福寿を絶賛したのですから。
ノーベル賞晩餐会や公式行事にて提供された純米吟醸について
「熟したあんずのような豊かな香り。なめらかな米の旨みも味わえ、カッテージチーズとも素晴らしい相性です」
とコメントしています。
どうですか?飲んでみたくなったのではないでしょうか。
日本酒には、ミネラル、アミノ酸、有機酸といった栄養が100以上も含まれているといいます。
なくてはならない麹から発見された栄養成分のコウジ酸は、メラニン色素の生成を抑える効能があるためシミなどを薄くすることが期待できる成分だそう。
あの有名なSKⅡの「杜氏の手は美しい」というCM、実はこちらの酒心館で撮影されたのだとか!
その通り、極寒の環境で凍り付きそうなほど冷たく重い材料や水に触っているので通常であればアカギレを起こしてしまいそうですが杜氏社員は、ツルンとした手をキープしているそうですよ。
おすすめ商品ラインアップ!
これから夏期は、さっぱりとした後口のものや氷結酒も登場しています。
写真右の凍結酒は、フレッシュな風味が楽しめると人気。凍ったままでかき混ぜるとスムージーのような食感に!
梅酒はデザート感覚でも◎
福寿 純米吟醸
美しいブルーボトルは、ノーベル賞晩餐会でも振る舞われた芳醇なお酒。
もぎたての果実のような香りには驚き。
福寿 純米酒御影郷
森林を思わせる優しい色合いは、六甲山系をイメージしているそう。
売上の一部を、六甲山の緑化推進のために寄付しています。
はじめてさんは冷酒でソフトな味わいを感じて。
福寿 吟醸Rosa(ローザ)
新商品は、女性への送りものにも最適な華やかなパッケージで登場。
ワイングラスに注いで飲むと、香味をより堪能させてくれるそう。
発泡純米酒あわ咲き
ジャパニーズシャンパンと謳われるスパークリング日本酒。
繊細な泡とまろやかな滋味に女性ファンも多数!
蔵元ショップ限定 蔵直採り生酒
「最も飲みごろと吟味を重ねたお酒を皆様に量り売りしています。
しぼりたてのまま、加水調整などを行わない生の原酒などは、お酒本来の味わいを堪能できます。」
蔵元ショップでしか購入出来ないので、訪れた日には購入することをおすすめ。
原料米をその場で見ながら選ぶというのも粋なもの。
酒粕
お酒が飲めない人にもおすすめなのが酒粕。
コレステロールを低下させ、腸内フローラ改善作用なども期待されます。
さまざまな献立に取り入れられる「腸活」の頼もしいお供に!
福寿生チョコレート
生チョコ発祥の店「シルスマリア」の生チョコレートと、ノーベル賞晩餐会でお馴染みの「福寿 純米吟醸」とのマリアージュ。
口溶けのよさには、喝采を送りたくなる。
酒粕の石けん
無添加の石けんは、昔ながらの製法で手しごとで製造されています。
食べても良い酒粕を配合した、お肌がしっとり潤うタイプ。
趣のある佇まいで迎えてくれます。
ちょと贅沢な大人の時間を過ごせるので、記念日にも頼もしい存在。