フランス人女性の「部屋づくり」の共通点とは?
ベレー帽にボーダーカットソー、ローファーやブーツでパンツをかっこ良く着こなす。焼きたてのクロワッサンとコーヒーで優雅に朝食。
ではインテリアには、どんなイメージをお持ちでしょうか。
部屋も個性や好みによって、色々なお部屋があります。ただ、フランス在住の筆者がおじゃましたお宅には、ある共通するアイテムがありました。
今回は、フランスで暮らしてきた中で見てきたこと、感じたことから、フランス人の部屋づくりの共通点と楽しみ方をご紹介します。
リビングにゆったり座れるソファや椅子がある
特にパリは家賃相場も高く比較的コンパクトな住宅が多いですが、ダイニングテーブルは最低限の大きさにおさめ、ソファなどくつろぐためのインテリアにスペースを割くご家庭が多いように感じました。
また、ホームパーティーの多い国なので、大きめのソファに加え、一人掛けのソファがあることも。家族や来客みんながゆったりとリラックスしながら、ワインを片手に会話を楽しむのもよくある光景です。
ヴィンテージ家具や古道具を普段使い
部屋には、何かしらひとつはヴィンテージ家具や古道具が。年季の入ったシェルフやデスク、まだ動くの?と驚くようなヴィンテージの照明などを、大切に手入れしながら使っています。
フランスはブロカントと呼ばれる古道具市がいろんな地域で開催されており、手に取る機会が多いのです。そこで家具からオブジェまで、いろいろな古道具が手に入ります。
レトロなピッチャーを花瓶代わりにしたり、まるでテレビゲームに出てくるような宝箱を小物の収納ボックスに使ったり、コレクションするだけではなく日々の生活で道具として使っています。
修繕を重ねた建物とも相性がいい
パリ市は条例により新築物件がなかなか建設されないため、古い建物を修繕しながら住み続けています。
古いものは、そんな年季の入った建物自体との相性も良いのかもしれません。筆者が数年前に住んでいたアパルトマンは築250年。遊びに来た友人が石で組まれた地下室を見て、ドラキュラが寝ていそうと形容したほどです!
間接照明で雰囲気づくり
フランス人女性の嗜好というより、住宅様式によるところですが、フランスの特に都市部のアパルトマンは、間接照明が多いんです。
筆者は現在住んでいるアパルトマンを含めパリで7軒の家に住みましたが、これまで済んだ住宅で天井から照明が照らされていたのはたったの2軒だけでした。
家に作り付けられている照明が少なく、スイッチと連動したコンセントに、住人がスタンドライトなどをさして使うことが多いのです。
もともと照明器具が設置されている家でも、壁付けの間接照明だったり、天井からのスポットライトで窓の足元を照らすようになっていたり。部屋全体を明るく照らすのではなく、各所をやさしく照らすように設置されていることがケースを多く見かけます。
間接照明になることで、部屋の中に明暗が生まれます。均一に照らさずメリハリをつけることで部屋がのっぺりせず、それだけでどこかドラマチックな雰囲気が作ることができます。
絵やオブジェで部屋を彩る
筆者の住むアパルトマンのお向かいさんは、ちょっと昔のアメリカンなポスターをたくさん飾ってオレンジの照明で照らしています。
上の階のマダムは、濃いブラウンの家具でまとめたインテリアに、抽象的でアフリカテイストの大きな絵をどんと主役になるように飾っていました。
田舎の大きな家に住む友人は、グレーとブルーのインテリアに合わせ、青い空のような絵を3枚並べて配置。主張はしないけれど、あるのとないのとでは壁の印象がぜんぜん違います。とてもセンスよくまとまっていました。
また、一大イベントであるノエル(クリスマス)の時期におじゃますると、ツリーだけではなく赤や金のボール型オーナメントを飾り、シャルフ代わりの暖炉に置くなど、デコレーションに工夫を凝らしています。
こういった絵やオブジェの飾りがない家を見たことがない!というくらい、みなさん自然と飾り、部屋を素敵に彩っています。
花や観葉植物を飾る
マルシェには必ずと言っていいほどお花屋さんがあります。野菜や肉、魚と並んで売られるくらい、花や観葉植物はフランス人にとっての生活必需品なのでしょう。
ちょっと遅くに行くと、花屋の店先がすっからかん!売り切れていることもしばしば。
キッチンと洗面所以外にゴミ箱がない
そして特徴的なのが、キッチンと洗面所以外にゴミ箱が見当たらないこと。
これはゴミの分別が多くないお国柄もあると思いますが(小さな家電は燃えるゴミ!)、基本的には50L程度の大きなゴミ箱がキッチンにどんと置いてあり、リビングで出たゴミもキッチンに捨てに行きます。
彼女たちの部屋には人となりが表れていた
そんな人となりの現れた部屋づくりが、最大の特徴と言っても良いのかもしれません。
家の中で靴を脱ぐ日本とは異なり、フランスは土足文化。床に座るよりは、ソファやイスに座ってくつろぐことが多いようです。
広いとはいえないリビングダイニングでも、どんと3人掛けソファを置いてゆったりとくつろぎます。その代わりダイニングテーブルは置かないなど、空間にメリハリを付けているケースをよく見かけます。