研ぎ澄まされた感性で進化し続ける伝統の技
出典:unsplash.com
京都の伝統工芸品は素敵だなとは思うものの、おうちにお迎えするには立派すぎてちょっと気が引けてしまう方もいるのではないでしょうか。でも、最近では老舗がリデザインを手がけたり、新しい才能あふれる作家さんが活躍したりして、どんどん進化しているんです。
今回は、長い年月のなかで磨き抜かれた技術とセンスが光る15のアイテムをピックアップしました。興味はあるけれども敷居が高いと感じてしまう方に向けて、生活に取り入れるシーンに合わせてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
今回は、長い年月のなかで磨き抜かれた技術とセンスが光る15のアイテムをピックアップしました。興味はあるけれども敷居が高いと感じてしまう方に向けて、生活に取り入れるシーンに合わせてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
日々の暮らしに取り入れやすい京都の手仕事15選
日々の食事を豊かにする食器やキッチンツール
公長齋小菅 色箸
公長齋小菅は1898年から竹細工一筋で続けてきた老舗。竹の持ち味を知り尽くした職人が生み出す手仕事は、どれも端整そのものです。こちらは「色箸」と名付けられた銘々箸で、長さのちょうど半分くらいのところで塗り分けられています。この色合いが絶妙で、ほっとするような温かみがあるんです。箸先の削り具合もちょうど良く、繊細さと丈夫さとが見事に両立しています。白米が美味しく感じるお箸ですよ!
辻和金網 足付き焼き網
京都の金網細工は平安時代に始まったといわれ、長い歴史があります。熟練の手加減でひとつひとつ編まれており、機械で型通り作られたものとは一線を画する使いやすさが魅力です。辻和金網の焼き網は、お餅やパンを直火で美味しく焼ける魔法のようなアイテム。下の細かい網が火の当たり具合をソフトにし、食材の外側はさっくりと、中の水分は適度に残して焼き上げてくれるんです。
金網つじ とうふすくい
金網つじは、高台寺のほど近くにお店を構えています。豆腐をすくうための手付き網なんて、贅沢な気持ちになりますね。編み地が整っていて美しく、でもどこかふんわりとした柔らかさを感じさせるのは手仕事のなせる業です。京都から美味しい豆腐もお取り寄せして、道具を愛でながらお鍋というのも素敵ですね!
瑞光窯 食器
1867年に創業した瑞光窯は、清水焼の老舗です。清水焼というと豪華な絵柄が描かれているものも多いのですが、こちらはごくシンプルなスタイル。落ち着いたブルーの微妙な色合いが素敵で、いつまで見ていても飽きないような奥深さがありますね。丁寧に作られたフォルムも手に馴染みますよ。
ハクザン 染付フリーカップ
こちらはハクザン(伯山窯)の湯呑みです。染付という、白地に青で柄を描く技法が使われています。伝統工芸士の資格をもつ作家さんが心を込めて作った器で、新しい作品でありながらアンティークな雰囲気がたっぷり!ひとつあるだけで、食卓をぐっとセンスアップしてくれます。
作り手の繊細な技を感じるファッションアイテム
藤巻百貨店 板締め絞り染め麻ストール
板締め絞り染めとは奈良時代からある染物の古い技法で、染料に染めない部分を板ではさんで白抜きするというものです。こちらは、美しい色味が目をひくストール。模様はシンプルなジグザグのみに抑えており、染めムラの味わいや上質な麻素材の風合いが前面に押し出されています。さりげなく首もとにあしらうのにぴったりです♪
宮井株式会社 先染風呂敷
宮井株式会社は1901年の創業以来、風呂敷を扱い続けている老舗です。やさしいくすみ系カラーの生地に規則正しく並んだ刺し子模様がかわいらしい風呂敷は、どことなく北欧デザインにも似たおしゃれな雰囲気があります。包むだけでなく、かけたり敷いたり使い方はさまざま。たたんでバッグに入れておくと、急に荷物が増えたときなどにも活躍してくれますよ♪
米原康人 京扇子
伝統的な技法で作られた扇子に銀箔を施したこちらのアイテムは、黒地にメタリックな模様が映えてとてもおしゃれ。地の色には墨を使っているんです。京扇子というと使うシーンが限られてしまうイメージがあるかもしれませんが、こんなデザインなら普段使いにも向いていますね。すっきりとしていて性別を問わずに使えますよ!
KO_TO.design ODAMAKI一粒ピアス
組紐細工の「小田巻」という技法で作られたモチーフがかわいらしく揺れるピアスです。品の良い光沢の理由は、シルクでできた組紐を使っているから。小さななかに職人技が効いていて、日本の伝統文化がぎゅっとつまったようなアクセサリーです!
Wakaba ceramics ドットとラスター陶器のスタッドピアス/イヤリング
何でできているんだろう?とじっくり見つめたくなってしまうような不思議な質感の耳飾り。実は焼き物なんです。ぷりっとした陶器ならではのフォルムがかわいくて、耳もとを印象的に装ってくれますよ。こういったデザインは伝統技術を身近に感じられますね☆
おうち時間をこころ穏やかに過ごすグッズ
薫玉堂 試香
薫玉堂の創業は安土桃山時代の1594年。400年以上にわたってお香の伝統を守り続けています。こちらの「試香」は、6種類のこぶりな線香がセットになったもの。2タイプあります。パッケージがレトロでかわいいのですが、中の色も一本一本とてもきれいなんです!それぞれ京都にちなんだ名前がつけられていて、香りとともに思いをはせるのも素敵ですね。
LISN インセンス
LISNは、1705年創業の松栄堂が展開するブランド。お店では150種類以上のカラフルなスティック香が並んでいてワクワクしますよ♪好きなものをセレクトして、その日の気分で香りを気軽に楽しめます。それぞれに名付けられたタイトルが刻印されているのもポイントです。
七彩工房nanasai 七宝焼時計
こちらは七宝焼の壁掛け時計です。
七宝焼は、銅や銀の⼟台にガラス質の釉薬をのせ800℃の⾼温で焼き付ける伝統工芸。釉薬の種類や窯の温度などで無限の表情を作り出します。ガラスのような雰囲気もあり、奥深い美しさが魅⼒です。⽬を向けるたびに絵画のような芸術品が時を知らせてくれるのが嬉しいですね︕
七宝焼は、銅や銀の⼟台にガラス質の釉薬をのせ800℃の⾼温で焼き付ける伝統工芸。釉薬の種類や窯の温度などで無限の表情を作り出します。ガラスのような雰囲気もあり、奥深い美しさが魅⼒です。⽬を向けるたびに絵画のような芸術品が時を知らせてくれるのが嬉しいですね︕
黒谷和紙 一筆箋・洋封筒セット
800年もの歴史をもつという黒谷の和紙は、手すきにこだわり柔らかく丈夫なのが特徴です。こちらはシンプルな一筆箋。模様もイラストもないけれども、ひと目で素材の良さが分かるような存在感があります。忙しい日々の中で、相手に丁寧にメッセージを書くゆとりが生まれそうなアイテムです♪
中村ローソク 絵ろうそく
1887年創業の中村ローソクは、植物由来の蝋を使い、昔から伝わる作り方を守って本物の和ろうそく作りにこだわり続けている老舗です。こちらの「絵ろうそく」は、京友禅の職人の手によって絵付けが施された印象的な工芸品。炎のゆらぎを眺めてリラックスタイムを過ごすのも良いし、飾っておくのも良いですね!
歴史のある手仕事を身近に取り入れて
出典:unsplash.com
高い技術が込められた工芸品は一見近寄りがたく感じてしまいがちなのですが、実は、長い時間をかけて人々の生活の中で育まれてきたものでもあるんです。今回は、暮らしに取り入れやすい京都の手仕事をご紹介しました。お気に入りが見つかったらぜひ手にして、確かな品質を試してみてください♪
(筆者撮影)