白い革の工芸品「文庫革」とは
真っ白な牛革に型を押し、ひと筆ずつ手書きで彩色着色を施し、“まこも”という植物の粉で古びをつける独特の手のこんだ製法により作られています。
現在では、昔ながらの製法で「文庫革」の名前で製作しているのは、文庫屋「大関」さんだけになりました。
後継者の大関春子さんを中心に30人の職人さんたちがこの希少な伝統工芸の手法を大切に継承し、東京の墨田区向島の工房で一つ一つ手作りで作品を作り続けています。
彩色は職人さんによる緻密な手作業なので色のバリエーションは無数。針の先のような細い筆での作業です。
型押しに使う柄の型の数は300以上!
倉庫に昔からしまってある柄の版は正確に数えるのも難しく、実際の数は「大関」さんでもわからないのだとか。
日本の昔話、浮世絵、エジプトの壁画の柄からヨーロッパのタイルの模様まで、そのデザインは多岐にわたります。
古来のものを大切にしながら新しいオリジナルの柄もどんどん手がけていきたいとのこと。
文庫屋「大関」浅草店に行ってみよう
その浅草寺に通じる仲見世通りの1本裏の道に…
皮革伝統工芸・文庫屋「大関」浅草店があります。
文庫屋「大関」さん、お店の雰囲気は?
商品が見やすくすっきりと整えられた店内。独特の味わいのある革小物たちが揃っています。
華やかで美しいディスプレイは季節により変わります。こちらは白木蓮のクリスマスツリー。
「儚げな蝶」をテーマにしたという「霞蝶」の箱まち口金付き札入れ。通称「がま札」と呼ばれる、シンプルで使いやすい定番のお財布です。
がま口式の小物入れは出し入れがしやすくちょっとした小物を収納するのに便利。ころっとした形がとてもキュートです。
商品の入荷直後のタイミングだと、人気柄もたくさんそろっています。
色鮮やかで機能的な「文庫革」の財布・小物
ふくろう柄は大人気で、いつも即売り切れになってしまうとか。
キーケースですが少し大きめのカードなども入るサイズで便利です。
2015年度の干支財布「からくさ羊 天溝がま口」。在庫があればほかの干支の柄も手に入ります。自分の干支があったらラッキーですね。
こちらはシルバーハートという柄のシリーズ。水玉や流れる水のような波模様、渦巻きなどが清涼感のあるクールなイメージ。
大人柄「鞠芽」。がま口の厚みは薄くても、たくさん入る機能的です。柄の鞠芽(まりめ)は手まりのような円を規則正しく重ねたようなモチーフで渋かわいいデザイン。
蜻蛉菊・花菱・桜散らし。女子力をアップしてくれそうな華やかな彩色が目を引きます。
「錦紗」柄の箱まち口金付き札入れ。細かい線が入り組んだ緻密な模様の美しさに、「小花」と並んでお店でもナンバーワンを二分する人気柄なのだとか。
左から「蜻蛉菊」、「横波」。モダンで大人かわいいお財布。
これも人気柄の「花扇」。使いこむほどにいい味わいが出てくるのも革小物を持つ楽しみです。
ポップな水玉模様もあります。本当に水滴が落ちたようなカラフルな水玉が楽しいお財布。
東海道五十三次の浮世絵のような長財布「日本橋 束入れ」。創業当時からあった古い柄だそうです。
こちらは、ロカイユ柄の折財布。持つだけで背筋がピンとしそうなエレガントなデザイン、やわらかい色合いが女性らしさをそっと引き立ててくれます。
ロカイユとは、ロココ調の建築様式の一つだそうでヨーロッパのゴージャスな雰囲気が漂います。2014年の春に復刻した柄で、大人気のためレギュラー柄に仲間入りしました。
楽しいトランプ柄のハンドルポーチ。トランプ柄はパステル、アリス、ショコラの3色展開。
バッグのハンドルにさげても可愛いですね。人に見せたくなるポーチです。
自分だけのオリジナル彩色オーダーもできます!
既存の柄の配色では満足できない、自分が考えた配色で塗ってほしい、そんなワガママなお願いにも応えてくれる彩色オーダー。世界で一つだけの「マイ文庫革財布」を手にできるなんて夢のよう。
納期は1ヶ月から1ヵ月半かかります。
おわりに
いかがでしたか?
「文庫革」のお財布や小物、眺めているだけでもうれしくなってしまいます。
浅草散歩のおりに、ぜひお店に立ち寄って美しい「文庫革」の小物たちを手にとってみて下さい。
お気に入りの逸品に出会えますように。
文庫革とは播州姫路で生産されている工芸品で「姫路革細工」とも呼ばれています。