大台ケ原は、奈良県と三重県の県境に位置する標高1695メートルの日出ヶ岳を主峰とする台地状の山間地で、吉野熊野国立公園の一部に指定されています。

豊かな自然が広がっている大台ケ原では、鬱蒼とした原生林が生い茂っています。大台ケ原では、ハイキングを楽しみながら、森林浴をすることができます。

大台ケ原は野生動物や野鳥の宝庫でもあります。ハイキングや散策を楽しんでいると、シカなどの野生動物に巡り会うことができるかもしれませんね。

夜になると大台ケ原では、満天の星々が煌めきます。ここは、関西でも指折りの星空ウオッチングスポットとしても有名です。

天候に恵まれると、大台ケ原では早朝に雲海を見ることができます。足元よりも低い場所に雲が無限に広がる雲海が現れる様は幻想的で、まるで仙人になったかのような気分を味わうことができます。

シオカラ谷は、大台ケ原の玄関口となっている大台ケ原ビジターセンターから日出ヶ岳と反対方向へ向かう急勾配の斜面に位置する渓谷です。清流のせせらぎに耳を澄ませながら、豊かな樹々が生い茂る景色を眺める気持ち良さは格別です。

大蛇嵓（だいじゃぐら）は、大台ケ原のハイキングコースでもハイライトとも言える場所です。約800メートルという断崖絶壁の上に繋がれた鎖をしっかりと握って勇気を出して、切り立った崖の先端まで歩いてみましょう。

目が眩むような高さの崖下を覗き込むと、大蛇の頭ような形をした奇岩「大蛇嵓」が見えます。大蛇嵓を覗き込んでいると、まるで自分が大きな大蛇の背に乗ったかのような気分を味わうことができます。

笹原が広がる牛石ケ原は、大台ケ原のハイキングコースの中でも、眺望が開けた起伏の少ない場所です。ここは歩道も広く歩きやすい場所になっているので、ハイキング途中の休憩スポットとしておすすめです。

立ち枯れとなったトウヒの木が無数に並んでいる正木峠は、訪れる人に強烈な印象を与える独特の景色が広がっている場所です。約50年前まで、正木峠は豊かなトウヒの森が生い茂っていました。しかし、1959年に近畿地方を襲った伊勢湾台風によって森林が破壊されました。そのため、地表に日光が差し込むようになり、かつて地表を覆っていた苔が衰退し、笹が繁殖するようになったため、正木峠は現在のような姿となりました。

正木峠の地表を覆う、緑の笹以外、ここでは生きている木がありません。長年の間、風雨に晒され、無残に朽ちていった白い立ち枯れの木や倒木が並ぶ正木峠は、まるで森の墓場のような雰囲気を醸し出しています。

標高1695メートルの日出ヶ岳（大台ケ原山）は、大台ケ原の主峰で山頂となります。この山は、「日本百名山」の一つにも数えられており、関西でも指折りの景勝地です。

日出ヶ岳の山頂には、展望台が設置されています。ここからは、吉野熊野山系はもちろんのこと、熊野灘までを見渡すことができるので、ぜひ展望台に上ってみましょう。

天候に恵まれると、日出ヶ岳山頂からは、日本最高峰の富士山をも見渡すことができます。折り重なるように続く吉野熊野国立公園の美しい山容の先に富士山が顔を覗かせている様は幻想的で、いつまで眺めていても飽きることはありません。

国際連合教育科学文化機関の生物圏保護区（ユネスコエコパーク）に登録されている大台ケ原では、豊かな原生林が生い茂っています。鬱蒼と茂る森の樹々の間から光芒が差し込む様は神秘的で、まるでここが神々の住処であるかのような錯覚さえも感じます。

大台ケ原の森では、太古から延々と営まれている森の再生を垣間見ることができます。天寿を全して朽ちた倒木、苔に覆われて土へと返りつつある倒木、そのすぐ脇に生えている若木……。ここでは、こういった“森の再生の様子”を随所で垣間見ることができます。

大台ケ原は、星空ウオッチングスポットとしても人気があります。街燈が一切無い大台ケ原での夜は、星々が天然の街燈となります。漆黒の夜空に満天の星々が競うように煌めく様は、まるで藍色のベルベッドに宝石を散りばめたかのような美しさです。